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いのちのパン屋さん〜明日への光〜  作者: 地野千塩


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幸せなラージクリンゲル(1)

 依田光は、自宅の広いリビングで、両親に向き合っていた。誕生日を無視された光だったが、コロナも陽性になり、両親は仕事を中断して、帰国し、看病してくれた。普通はこうなった場合は、家庭内で隔離されるものだが、二人とも「どうせ主が守ってくれるから」と主張し、熱烈に看病された。お手伝いの香織も、ウィルスがうつるリスクも無視して看病してくれた。そう思うと、反抗なんてしているのが恥ずかしく、こうして両親に謝っていた。


「ママ、パパ、ごめんなさい。もう家出とかしない。ちゃんと聖書読んで祈って生活するよ」


 光の心境の変化に、父も母も目を丸くして驚いていた。


「でも、光。教会の奉仕活動を優先したのは悪かったわ」


 素直な光に、母の方も謝っていた。


「それは、俺も悪かった。教会には生活困難者もいっぱいいてな。居てもたっても居られなかったんだ」


 普段、厳しめの父にも謝罪され、光は居心地が悪くてたまらない。そういう事情だったら仕方ない。うちは金持ちだが、恵まれた人間は、弱者に分け与える使命がある。金持ちは税金の愚痴をこぼす者も多いらしいが、両親はそういった愚痴を言っているのは、一言も聞いた事はなかった。


「まあ、家庭を大事にできない人が、教会の世話なんてできないわよね。今後は、もう少し家に帰ってくるよ」

「本当、ママ」


 母もどちらといえば厳しいタイプだが、やっぱり家にいてくれると思うと、嬉しくなってしまう。


「うん、しばらくは俺も日本にいるから」


 父にもそう言われて、光の胸はいっぱいになってしまった。


「あの、パパ。ママ、私、本当に寂しくて占い師のところに家出しようとしてたの。ごめんなさい」


 謝らなければならない事は、反抗期についてだけでもない。祈りもせず、占いに頼ろうとしていた事も罪悪感を刺激される。聖書で占いがダメだと言われていた理由はよくわからないので、YouTube動画などを見ていたが、やはりこういったものは、偶像崇拝の一種で気が狂うらしい。元占い師のドリーンバーチューの証などを聞いていると、神様から心が離れる占いは、やっぱりやめた方が良いと思われされた。占いが当たるのも背後にいる悪魔や悪霊の働きだと思うと、気分も悪くなってくる。


 意外な事に両親は、占いに行ってしまった事は責めなかった。代わりに悔い改めの祈りの仕方を教えてもらい、一緒に祈った。父からは、占い師と出来てるかもしれない魂の連結も祈りで断ち切って貰った。


 光は、悔い改めの祈りの後は、なぜか涙が止まらず、ひたすら身を小さくしていた。


「神様、許してくれてありがとう」


 最終的には感謝できる心境にもなり、父や母と抱き合って、家族の絆を確かめた。

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