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いのちのパン屋さん〜明日への光〜  作者: 地野千塩


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反抗期の激辛カレーパン(5)完

 数日後、光は高熱を出し、家に引きこもっておた。検査に引っかかり、疫病の陽性だったようだ。おかげで一週間近く家にいた。


 暇なのでネットで検索していたら、占い師の皐月の悪い噂が掲示板に書いてあった。居場所のない女子高生を誘導し、家出させ、風俗に斡旋していたらしい。ネットの噂なので信じられないが、自分がされた事を思うと、全く嘘とも言い切れない。もう、皐月のところにはいかない。


 後遺症もあり、しばらく味覚が変だった。一カ月ぐらい後遺症外来に通院し、ようやく元に戻った。これが親のような神様からの災いなのかはわからないが、おかげで暇な時間を過ごす事もでき、埃を被った聖書を開いていた。


 確かに難しくてわからない箇所も多いが、神様は可愛い子ほど災いを起こし、悔い改めに向かわせる事は理解できた。何か悪い事をやらかしそうになる前に、止めさせる事は有り得そうだ。


 あのパン屋の店員、蒼が言っていた事も嘘とは言い切れないようだった。味覚も戻ってきたし、久しぶりにあのパン屋へ向かってみた。


「光、久しぶり!」


 家出をした日のように蒼は怒ってなく、暖かく出迎えられてしまった。看板の芝犬にも懐かれ、キャンキャン吠えられる。


「今日も激辛カレーパンあるけど、どう?」


 蒼はイタズラ好きの少年のような笑顔を見せてきた。


「いや、もう辛いのは嫌かな。後遺症の味覚障害もしんどかったし。っていうかあの激辛カレーパンのせいで、舌がおかしくなった気もするんですけど」

「はは、まさかそんな事は無いよ。これで免疫ができたら良いね」

「うん。正直、味覚障害以外は普通の風邪だったけどね」

「風邪でも味覚障害でる時もあるらしいけどね。若い子はやっぱり、すぐ治るね。年寄りは気をつけた方がいいけどね。あと普段から添加物入りの食品ばっかり食べているのも、舌がバカになる可能性高いから」

「ふーん」

「いつも袋のパンばっかり食べているのも原因の一つだったかもね。薬やワクチンは別に万能でも神様でも無いから、毎日の食事や生活リズムも大事だよ」

「そっか〜」


 そう言いつつもトレイにクリームパンやジャムパン、メロンパンなどを菓子パンをドサドサ乗せていく。


「あれー? 甘いものばっかりだね」

「うん。もう辛いのはウンザリだよ」

「まあ、こうして家に帰る意思もあるようだから、甘いのでいいか」


 蒼は呆れつつ、甘くて美味しそうなパンを袋に包んでくれた。

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