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いのちのパン屋さん〜明日への光〜  作者: 地野千塩


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隣人と黒パン(4)完

「江崎さん、おはよう!」


 翌日、教室で一人、隅にいる江崎に挨拶をした。案の定無視され、同じクラスの光や美紅には、「あんな奴に挨拶しない方がいいって」と釘を刺されてしまったが。


「でも光。柔らかくて美味しいパンだけというのも物足りなくない? たまには、硬くて頑固そうな黒いパンも食べるのもいいと思う。神様からのチャレンジだよ」

「えー、春歌いったい何言ってるの?」


 光には、ドン引していたが、休み時間や昼食事に江崎に話しかけた。丸っと無視されていたが、神様だったらきっと諦めないとも思う。


 そして午後、体育の時間がはじまった。体育館で、ダンスの練習がある。事前に二人組を組み、軽くストレッチをする。


「はい、二人組作ってー」


 先生の言葉に緊張感が走る。江崎はすみの方で体育座りをし、不貞腐れた表情を見せていた。案の定、誰も話しかけないが、悪霊だけは話しかけている。


『どうせお前なんか、誰も組んでくれないよ』

『いじめなんてした悪いヤツ!』

『存在意義とかあるの?』


 春歌は、そんな悪霊を睨んだ後、江崎に声をかけた。


「江崎さん、一緒に組もう?」


 精一杯、明るい表情を作り、江崎に声をかけた。


「う、うん……」


 春歌の気持ちが伝わったのかは不明だが、江崎はちょっと泣きそうな顔をし、春歌の手をとった。


『いや、隣人愛とかってやめてくれね?』

『普通、ここでは差別するシーンでしょー』

『偽善者〜!』


 なぜか悪霊達は、春歌のこの行為にビビり、勝手に逃げていった。


「江崎さん、学校の近くの住宅街に変なパン屋があるんだけど、今度行ってみない?」

「変なパン屋? パンなんて太るから、食べたくない!」


 ストレッチをしながらも、江崎は文句を言う。気の強い性格は、そう簡単には変わらないようだったが。


「食べても太らない天使のパンだから、大丈夫だよ」


 春歌は、笑顔で蒼のパン屋について語っていた。

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