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いのちのパン屋さん〜明日への光〜  作者: 地野千塩


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正しさと焼きそばパン(4)完

 後日、朋花は職員室の隣の面談室に、いじめっ子の原口や江崎を呼び出していた。


 明らかに朋花に舐め腐った態度で、二人とも派手な色に塗った爪をいじっていた。一見、派手な制服が似合うお嬢様風の二人だが、表情や態度に意地悪さが滲み出ていた。


「朋花先生、突然呼び出ししてなんですか?」


 江崎に至っては、薄ら笑いも浮かべていた。明らかに自分は若い女性教師だと舐められていた。


 ぐっと奥歯を噛み締めてしまう。本当なら、なあなあに済ませておきたい。でも、自分にはするべき事があると、誰かが言っている気がした。


「あんたたち、いじめやってるそうだね?」


 内心はビクビクしていたが、精一杯胸をはった。


「いじめはダメ。どんな事情があってもダメ!」


 ついに朋花は、原口や江崎を叱る事に成功した。確かに他人を傷つける子供には、何の理屈も無視し、止めさせるべきだった。いくら意識が低いとはいえ、生徒ではなく、自分ばかり可愛がっていた事にも気づく。これは大人として恥ずかしい。


「私もいじめられっ子だったの。ダメ、どんな事情があっても人を傷つけていい理由はないから」


 朋花の変わりように原口も江崎も言葉を失っているようで、放心状態だった。普段ヘラヘラしている朋花だからこそ、二人にも真剣さが伝わったようだった。その後、二人ともしばらく大人しく生活するようになり、小うるさい光からも文句を言われる事もなくなった。


 こうしてやるべき事を終えた朋花は、再び福音ベーカリーに向かった。


「さあ、朋花さん! ご褒美にいっぱい美味しい焼きそばパンを焼いたよ」


 笑顔の蒼に迎えられ、栄養的には全く正しく無い焼きそばパンを食べた。やるべき事をやった後に食べた焼きそばパンは、いつもより美味しく感じてしまった。紅生姜の辛さも身に染みる。


「わん!」


 柴犬は相変わらず朋花に懐き、側にくっついて離れない。


 原口や江崎にはすっかり嫌われていたが、このパン屋に行けばこんなに懐いてくれる柴犬がいる。まあ、ちょっと人に嫌われても良しとしよう。

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