7 ラスボス爆誕?
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「ま、ま、待ってくれ。話し合おうぜっ、なっ」
腰を抜かして命乞いをする徳伊くんをめがけ、ぼくと珍念さんはゆっくり歩いていった。
「わ、悪かった。お願いだから許してくれっ。なっ、頼むよっ、おれたちクラスメートじゃねえか。残ってるのはたった六人。これからは助け合い、励まし合い、仲良くやっていこうぜっ」
「いまさら、虫のいいことほざいてんじゃねえよ」
ミッチーがよろけながらぼくらを追い越し、徳伊くんの胸ぐらをつかむと引きずり起こした。
「てめえのやったことはとっくに冗談を超えてる。そいつがわかってんのか? あ?」
「ごめんよお、すまなかったよお。これからはしっかり心を入れ替えて、眠ったまんま二度と起きねえ連中のぶんまでたくましく生きてくって約束すっから、見逃してくれよお」
「いや、無理だ。だよな、神永」
ミッチーが振り向くと、ぼくはうなずくのにわずかな躊躇を覚える。それでも言った。
「申し訳ないけど、昏睡状態のみんなを救うには徳伊くん、きみを犠牲にするしかない。それがこのゲームの裏ルールだから」
「そんなあああっ」
ミッチーに突き転がされると、徳伊くんはすぐに這いつくばって懇願する。
「とっくに失われた魂なんぞよっか、いまある命のほうが大事ってよく言うじゃねえか。だからさ、もう眠ったまんまのやつは死ぬまでほっといて、いま元気なやつの将来を優先していこうや。なっ」
「往復ビンタ百回の刑は撤回したげるよ」乙宮さんが疲れたまなざしを向ける。
「あんたのたわごと、これ以上聞いてると気分悪くなってくるし――」
それから彼女に似合わない、陰りのあるまなざしでぼくに合図する。こんな汚れ仕事を押しつけてゴメンと謝るように。わかっている。心を鬼にしてこの世界にいる徳伊くんを倒さなくては、失われたみんなを取り戻すこともできないのだ。
ためらいを追いやり、ぼくはバスタードソードを振りかぶる。
「や、やめろバカッ、この人殺しーっ、助けてーっ、おかーちゃーん……なんつって」
徳伊くんが口角をぐいっとあげ、右手で地面を薙ぐようにした。ちいさな爆発が生じ、煙とともに、ぼくらは吹き飛ばされる。
「だ、大丈夫か」
ただひとり爆発に巻きこまれなかった安達くんがぼくらを助け起こしていると、前方の煙が吹き散らされ、仁王立ちしている徳伊くんがあらわれた。
ドラゴンをモチーフにしたようなカブトをかぶり、ラスボス感あふれる、仰々しいヨロイに身をつつんでいた。その手にはモップがあったが、くるりと回すや、死に神が使うような大鎌に変容する。
「お遊びはおしまいだ。命乞いはするだけ無駄だぜ。おまえらに教えてやるよ、ここに希望なんぞ、かけらも残っちゃいねえってことをなあっ」




