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ドリームサバイバー ――いきなり教室、はいバトル!  作者: おけきょ
第六章 黒幕はどこに? クラスの中にいます
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1 気休め…

 がばりと半身を起こし、薄闇の中で手を這わせて目覚まし時計をつかみ、時刻を確認する。そろそろ朝の五時を迎えようというころだった。


 ルカさんが消滅していくシーンがよみがえり、ぼくは頭を抱えてうめいた。

 家族はまだ、誰も起きだしていない。アテカの誘拐騒ぎが遠い昔のように感じられる。


 じっとしていられず、ぼくはそっと家をあとにした。日の出を迎えたばかりの空は、東のあたりが朝焼けであざやかな紅黄色こうおうしょくに染まっていた。ときおり新聞配達のミニバイクとすれ違いながら、ぼくは学校のほうへ駆けてゆく。


 途中で乙宮さんと出くわしたのは偶然じゃなかったろう。


「ルカっちが……」


 いつも隙なくセットされていた髪の毛はところどころはね、顔色も良くない。

 涙目で、鼻も真っ赤だ。


「まだ、わかんないだろ」


 乙宮さんのしょげかえった姿に、ぼくは口にせずにいられなかった。


「だって、あのルカさんだよ? 平気な顔でちゃっかり復活してても、ぜんぜんおかしくない」


 すると、暗く淀みかけていた乙宮さんの目に、かすかな光がよみがえった。


「だ、だよね。あのルカっちだもん。あんな忍者野郎なんかにやられてたまるもんですかいっての」


 そのぎこちない笑みが、ぼくにはすこぶるつらかった。

 そして後悔していた。安易な気休めを口にしてしまったことを。


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