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6淡く温もりの都 7星の揺り籠 8嘘の糖度
・淡く温もりの都
底に光は届かない
小さな手では叶わない
揺らめく光は 柔らかく肌を刺す
陽の温りが揺れて 涙が溢れて
眠ったように ただ存在するだけの話
・星の揺り籠
生まれては消える
空一面を星に染めて
全ての大地を死に場所に定めて
虚しいばかりの命だった
生まれた喜びなんて 1つもなかった
惜しまれず 憎まれ消える
それでも宙は星の揺りかご
・嘘の糖度
湖面が藍色に染まる
月は気まぐれに歌うけど
夕暮れは今でもずっと迷子
小さな嘘は蜂蜜で濁せ
誰かがそう囁いた
今朝の夜更けの話だ