表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2. 脅迫

 ジリリリ……ン。


 私の心地よい眠りを妨げたのは、黒電話のけたたましい叫びだった。

 また電話だ。

 あの男の人は結局「長谷川さん」に電話が通じたのかな? とか、まだぼんやりする頭で考えながら受話器を取る。

「――はい」

「お前の娘は誘拐した」

 ……は?

「返してほしくば九十九万円用意しろ」

 は、半端やなぁ……。

 じゃなくて。

 私の「娘」って、ダレ?

 一応言っておくと、私に子供はいない。

 ついでに言うならダンナも、彼氏すらいない(ううう……。泣)。

 つまり。

 どういうことかというと……。

 ……まさかまた、間違い電話……?

 この電話機、呪われてるんじゃ……。

 いや、それともこの相手、ランダムな番号にかけてるのかも。

 九十九万円ならちょっと安いし、娘を持ってる親は、娘の姿が見えなければ思わず払っちゃうこともないとはいえない。

 ……でも、その中の誰かが警察に通報したりすると大変なことになるんじゃないかな。

「念のため言っておくが、警察に通報したりすれば、娘の命は無いぞ」

 ……だから……。

「あの、私に娘なんていませんけど」

「…………」

 ガチャ。

 無言のまま、電話は切れた。

 ……なんだったんだろ?

 とにかくこれで、やっと安らかな眠りの時間が戻ってきた。

 受話器を置いた途端に「通報」の二文字は私の脳から消え去り、私は温かい布団の中へと帰っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ