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不思議な書庫

本場のイタリア料理は美味しかった!

ご飯を食べ終わり皿を洗っているとフィルがすまなさそうに笑うので驚いた。自分の家ではそれが普通だったのだけど。

「やっぱり日本人は礼儀正しいし気遣いできるね」

「二人でやった方がぱっぱと終わるでしょう?それに、美味しいご飯を食べて動かずにいると牛になるし、気にしなくていいです」

彼はありがとうとだけ言った。


片付け終わり、彼はついてきてと、多分書庫に行くんだと思う。

「なんとなく察しはついているみたいだね?うん、書庫は地下にあるから気を付けてついてきてね」

「暗いですね、流石地下ってことはあるね」

真っ暗な中を蝋燭の光のみで進んでいくフィル。彼の表情は無表情。今日であった人はいつも笑っていたんだけど...。

「大丈夫、なんにも怖いことはないよ。僕ら、賢者はね」

賢者は?と、少しの違和感はあるけれど、そのままついていくと、大きな部屋に出た。

「ここが僕ら、賢者の残した文がある部屋だよ。魔法は使えないんだ。また教えてないから、使えないと思うけどね」

本棚にはぎっしりと本が敷き詰められていた。中を見ると日本語で、読んでみると世界のことや出会った人、学んだ魔法など沢山のことをこれの作者の想いと伴に載っていた。

パッと言えば日記である。

「ここの本はみんな賢者だった人が書いたものだよ。僕らがそれを他所においたとしても、他人の手に渡る前にここに戻ってくる。手紙とかは相手が読むと燃えるそうだよ。僕らが存在した形跡や直筆のものはこの世界に残らないみたい。他者が僕らを書いたものは来ないんだけどね。不思議でしょ?」

はははって笑ってるけど、笑えないです。でも...。

「でも、こうして残るから俺たちの知識となる。でしょ?まぁ、切ない気もするけど、ここに心残りを少なくしようっていう神の思し召しってやつだったりして」

なんとなく、そう思っただけなんだけどね。と笑えば彼も笑った。そして、一冊の本を手に取り、俺の方へ差し出す。

「はい、これに髪の色を変えられる魔法の解説書。目の色は、魔法になれたときのほうがいいと思うよ。下手すると失明の危機だから」

「フィル!さらっと怖いこと言わないでくださいよ!?」

「はははっ、ごめんごめん。まぁ理論だけでも覚えたらいいんじゃないかな?何回も言うけどそれ僕は使えないけどね」

本を受け取り、パラパラと流し読みしてみるけれど、内容が割りと分かりやすくかいてあった。

魔法自体使ったことないし、魔力しかわからないけどなんとなくなんとかなる気がしてきた。

「その本は持ち出してもいいよ、というか賢者以外は持つことさえ許してもらえないんだけどね?あとは、これ。」

分厚い本を渡された。

「それはここの言語だよ、日本語訳と一緒にかかれているから分かりやすいみたい。それでもわからなかったら僕に聞いてね」

まぁ、そうだよね...日本語な訳、ないよねぇ。と、少し気落ちしたものの、二冊の本を持った。

「今日はこの二冊でいいです。明日は魔法の基礎、教えてくださいね」

流石に夜にこれ以上読める気がしないし、早い段階で魔法の扱いを覚えた方がいい。彼もそう思ったのか勿論といって微笑んだ。

その後、地下から出ると彼は振り向いて

「お風呂は部屋にシャワールームがあるよ。下に大風呂があるけど、好きな方を選んでもらって構わないからね?僕は君のすぐ隣の部屋にいるから、大風呂を利用したいのなら声をかけてね?」

とだけいい、階段を上がっていった。

大きなお風呂もいいけど、今日は疲れたからシャワーでいいや。そう思い、自室に戻ることにした。

お風呂に入り、本を読んでいると面白いことに内容がするすると頭に入る。言語の方はローマ字に近くて案外簡単だった。文法は少し違って戸惑ったけど、多分平気だと思う。

相変わらず自分が鏡に写ると誰かわからなくなる。眼鏡、伊達だったしつけるのをやめようかな、この色合いじゃ、似合わないし何て考えながら夜は深まっていった。

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