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これは夢だ。

はぁ、憂鬱だ。

正直さ、こんな未来は望んだことが一度もないんだ。

平凡な家に生まれて、平凡に暮らし、平凡にしていたはずの俺の人生は、学校の帰りにあの事件をみて変わってしまった、強制的に。

事件っていうか、なんかよくある読み物のプロローグ?的な出来事なんだけど、ほら、轢かれそうな誰かを庇って轢かれるってやつ、それ目撃したわけなんだけど...死体が消えるってなに?庇われた子不敵に笑ってるんですけど。誰か夢だといってください。

そう思って固まっているとこっちを向いた庇われた女。

......は!?

回りは可笑しいくらい誰もいない。

あれか?救急車よべって?お安いご用です。今すぐ呼びますよ

「つれ、てく、神の、御告げ。ふふ、私、あはは」

......誰か!!!この人頭おかしいよ!!!きっと麻薬のお薬でラリってしまわれたんだ!!

もちろんこの人怖いんで、回れ右!して走り出したんだけど。


肩 に 乗 っ か る 誰 か の 手 


「ツ カ マ エ タ 」


その声を聞いて、俺の意識は真っ黒に染まった。




パチッと目を覚ますとログハウスのようなところにいた。ご丁寧にベッドに寝かされていたようだ。


「う、うわぁ、ここ、どこ...?」

辺りを見回すと小綺麗にされているものが多く、誰かがすんでいることがわかる。

ならばどうして俺がここに運ばれたのか、病院ではないだろうし、少なくとも俺の家の近くの病院はこんな感じではなかった。


ガタッと部屋の扉の方で音がした。窓から日が射しているからそこまでホラー感はないが、ほら、あの女をみたあとだよ?怖いに決まってるじゃないか!


「やぁ?起きたようだね...って、なんでだるまになっているんだい?」

扉を開けて入ってきたのは男の人だった。日本じゃ有り得ない髪と目の色ですが。だるまはもしもの時のためです。

「いや、気絶する前にちょっと怖いことがありまして」

苦笑しつつ毛布を脱ぐと彼はそっか、といっただけだった。

「はじめまして、かな?僕はフィル、先代の賢者なんだ」

「先代の賢者って?」

「んー、何から説明するべきかな...まぁ、今代の賢者は君なんだけどね?異世界とやらから連れてこられた人がこの世界を見守るだけのお仕事らしい」

えーっと、異世界?ここ世界が違うの?しかも見守るってなに?その仕事って俺が引き受けるの?

「んー、混乱してるとこ悪いけど一週間しか僕もたないから基本は覚えてもらわなきゃ」

なんでもないような顔でさらっといったけど...え?

「え?ど、どこか悪いんですか?まだ若く見えるんですけど、もたないって」

わたわたしながら聞くと彼は笑った

「そっかそっか、若く見えるかぁ、因みに何歳に見える?」

フィルをじっくりとみてみる。

クリーム色の艶のある髪に薄翠の瞳で顔は整っている。背丈は高く180あるくらいかな?服装はキラキラした装飾はないが、質のいい服なのだろう。気品があるように思える。その上に藍色のマントを身に付けている。

「パッと見25辺りかと...?」

目を丸くさせ、優しく微笑んだ

「まぁ、来たときは28だったんだ。ニアピンだね!それからかれこれ200年はたったかな?」

「え」

ざっと228歳ってこと?うっそ、そんなのありですか?

「あはは、基本ここに来たときのまま変わらないみたいだよ、賢者って、女の子だった代もあったらしいけど、そこらは僕が逝ってからじっくり本を読んで学んでね。この森のことや家のこと、世界のことを説明していこうと思うけど、大丈夫?」

本当は大丈夫ではない。だけど彼の時間?は限られているようだし聞けることは聞いておいて損はないだろう。

「お願いします」

フィルは頷いてゆっくりと話し始めた。

「この世界は貴族や王族等がいるんだ。魔法とかもあるよ。そんな世界だからね、君は少し不便と思うことも多いかもね。この森は賢者の森と呼ばれていて、世界を見守る賢者が住んでいるといわれてるんだ。1年に1度戻って来なければならないと覚えておいて、それを除けば旅をしても王国に家を持っても構わないよ。戻ったらしなければならない儀式があるけどそれは今度の話にしようか。この家には歴代の賢者たちが書き残した本がたくさんあるよ。僕が逝ってからわからないことはそれを読んで理解してね。賢者以外のものは基本この奥までたどり着けないから、安全だね。誰かを招くことはできるけど、君がどうしたいとか思わなければここにはこれないよ。今はこれくらいかな?」

...ここは剣と魔法の世界で、世界を見守るのが役目。ここに一年に一度必ず来なければいけなくて、この家は他者がこれない。

「うん、なんとかわかりました。」

彼、フィルはうんうん、と頷いた。

「君は要領が良さそうだ。えぇっと、次はどうしようか」

どうしよう、とかこのあと何かすることあるの?と思っているとどうやら顔に出ていたらしく、フィルがおかしそうに笑った。

「色々やることはあるんだよ?例えば、魔法の継承や家の案内。文字とかどこまで大丈夫で、どの言語を教えなきゃいけないかとか、そりゃあもう、たくさんあるよ」

「げぇ」

正直な、英語とか嫌いなんだよね、フランスに行って見たいけど、日本が政治的に失敗しまくりだからいつかは移住してやろうとは思っているけどね。でも言語めんどい。まぁ、成績は悪くないけど、

「と、それより君の名前聞いてないよ?僕ばっかり話して、不公平だよね!」

「...あ、そうだった。俺は橋元香月。平々凡々な日々が一番好きで、祖父母の店を継げ継げと言われ、製菓学校に通うしがない19歳でーす。」

自己紹介すると彼は頭を捻っていた。

「...セイカ、生花?お花屋なのかな?」

「...高校の先生にその間違いされたなぁ、お菓子屋です。和菓子を作ってる家なんですよ。ま、父も母も別の職だから俺に回ってきたんですが」

「おや、それはいいことを聞いた。君と過ごす間に美味しい和菓子が食べられる」

とっても嬉しそうな笑顔で見つめないでくれない?俺、平凡だから、コンクールとか全く成績残してないし、何より学生だ。

「作れたら、作ってあげますね」

ため息をのみこみ、そう返事をした。

「っと、話しはずれてしまったけど、香月君。今日は魔力の継承にしようか。家の前にある大樹の神木さんのところで行われるんだよ」

フィルが早速しよう!と俺の手を引っ張って部屋から出た。どうやら今俺がいた部屋は二階だったようだ。自分の部屋とは別に3つほど部屋があった。階段を降りるとそこはリビングがあり、多少ログハウス感はあるものの、どこか普通の家のように感じる。

「あ、香月君。きれいな髪と瞳だね!でももうすぐ僕と同じ色になっちゃうけど...」

「は?」

俺の髪は黒で目は焦げ茶だ。純日本人だから。染めたり弄ったりしてないから地味だのなんだの世話焼きの友人に言われたが余計だ!地味でいいんだ!平凡一番!と思ってたのに、は??

「そんな顔しないでよ、ね?これが賢者の印みたいなものなんだし、それに魔法が使えるようになった代償みたいなものらしいよ?」

絶対条件?それしなきゃダメ?

「な、なんで絶望的みたいな顔しているのさ...まぁ、前の人たちが隠す魔法を作ったとか言われてるからなんとかなるよ、たぶん」

「たぶん!?え、フィルさんはその魔法使わなかったの?それとも使えなかった!?」

「...ぼ、僕先代が行く前に教えられてもコントロールが悪いらしくって...できなかったの、書物はあるから!僕は教えてあげれないけど!」

「え、なに?フィルさんって魔法へたなの!?」

まさかのカミングアウト!?

「下手じゃない!ただ、細かいのが嫌いなんだよ!大技が得意なんだ!あとフィルでいいよ!」

「えぇ?それって無駄なところに余計魔力を使うっていうあれなの?」

「なんで知ってるの!?もしかして先代がパパだったりするのかい!?」

うちの親父が?ないわ。お人好しでなんでも引き受けて母さんにしばかれてる人が?考えられないな。

「それはない。ほら、本とかでよくあることだし、それの情報だから」

「へ、へぇー。あ、髪と目のことなんだけど、僕は適応が薄い方だからはっきりと色がでなかったんだけどね、強い人ははっきりと髪が白くなるし目も翠になるんだよ」

その真実だけでも目の前が真っ暗になりそうなのに追い討ちをかけるようにフィルは口を開く

「でも、日本人って予想以上に適応力強いんだよね!あ、僕はイタリアに住んでいたんだ」

同じ世界の住人か!イタリア...ジェラートにパスタ、ピッツァ!美味しい世界の住人が羨ましい!そして絶望した...。

「イタリア!ってことは地球にいたんですね。」

「みたいだね~、異世界っていっても地球人が多いよ!因みに僕の先代も地球の日本人だったんだ」

成る程、それで日本人は適応力が強いと。

「それで、ここがリビングですか?」

「そう!あそこの窓つきの扉が出口だよ。出てすぐある大樹の神木さんがいるんだ」

神木さんって名前みたいだなぁ、最初に言われたところでも思ったけど。神社とかにある御神木のようなものかな?

そう考えながら俺はフィルに案内されるがままに家を出た。

ゆっくりと書いていきますので、よろしくお願いします。

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