表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬換武装ディールナイト  作者: 庵字
第1話 ディールナイト誕生!
8/414

研究員の日記 四月二十六日(プロローグ 8/25)

 研究員の日記 四月二十六日


 翌日、研究所ほぼ全メンバーを集めた大規模な会議が開かれた。


 人体の転送(本当に転送なのかはまだ不確定だが)が成功した以上、今後は当然転送先の調査が主な目的となる。


 田中の証言により、向こうにも同じような装置があることが確認された。

 問題なく作動するのであれば、向こうからこちらに人を転送させることも可能なはずだ。時間を決めてこちらから転送操作を行う必要はないことになる。

 一度にひとりしか送ることができないため手間は掛かるが、複数の人員を送り込み調査を行うこともできる。


 果たして送られた先はどこなのか。地球上の別の場所なのか?

 田中の話では、呼吸はもちろん、体を動かすのにいつもと違った感覚はなかったという。であれば、大気も重力も地球と同じかそれに極めて近い場所であるはずだ。

 気温は体感で摂氏二十度くらいだったという。裸では寒さを感じる気温だ。地球であれば、両極に近い位置や赤道直下などではないだろう。もっとも、地球以外の場所に転送されていると考えるのは、あまりに荒唐無稽な話だが……


 問題は向こうでの調査方法である。

 まずは場所の特定が先決だが、なにしろ〈向こう〉へは何も持って行くことはできないのだ。正確には持っては行けるが、全て例外なく破壊されてしまう。向こうで組み立て直すことが可能な破壊レベルではない。


 とりあえずの方向性は決まった。

 五名ほどの調査チームを組織し、ひとりずつ向こうに送り込む。全員が転送し終えたら、向こうの遺跡の扉を開けて外の様子を確認する。気温、天候、目撃できる動植物、風景。また、夜であれば星の位置などから、ある程度の地域は絞り込めるはずだ。

 問題はこちらに敵意を持った何かしらと遭遇した場合である。

 なにしろこちらは丸腰で挑まなければならないのだ。地球上のどこかであれば、現地民と意思の疎通を図ることはできるだろう。チームには語学に堪能な所員も選出された。

 調査チームが編成され、調査決行は一週間後に決まった。私もそのひとりに選ばれたことを光栄に思う。


 明日からはミーティングと万が一の場合に備えた訓練に費やされる。胸の高鳴りが止まらない。光の柱に包まれて向かう先。いったいどんなところなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ