表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬換武装ディールナイト  作者: 庵字
第42話 克己
279/414

第42話 克己 5/5

 翔虎(しょうこ)(なお)は、目を覚ました水野(みずの)を家まで送り届けた。ゲームセンターの前で水野はまた気を失い、近くの公園で休ませていた。あけみは用事ができたため先に返し、二人で水野が目覚めるのを待っていた、と二人は水野に吹き込んだ。


「ごめんね、尾野辺(おのべ)くん、成岡(なるおか)さん。いつもいつも、僕なんかのために……」


 自宅の玄関先で水野は俯いた。それを聞くと翔虎は、


「何言ってるんだよ。僕と水野くんは友達じゃないか。友達同士で助け合うのは当たり前だろ」

「……友達」

「そうだよ。僕だけじゃなくって、直も、明神(みょうじん)さんも……」


 翔虎は続く言葉を言い淀んだが、


「だ、第二生徒会の人たち……烏丸(からすま)先輩だって……」


 水野は俯いたまま、


「みんな、そう思ってくれてるのかな? 僕みたいなやつと、友達だなんて……悪いよ――」

「そんなことあるもんか!」


 翔虎が語気を強めたためか、水野は顔を上げて翔虎を見る。翔虎も水野の目を見返して、


「水野くんは強いよ。色々あるのに、何回も学校に来てくれて、こうして、高校になってから初対面の僕たちとも話して、ゲームだってうまいし、僕、そんな水野くんと友達になれて嬉しいよ」

「私もだよ、水野くん」


 隣で直も微笑んだ。水野は潤み始めた目を一度擦ると、


「ありがとう……ぼ、僕もさ、尾野辺くんのこと、一番の友達だって思ってるよ。い、いいかな?」

「本当に? いいに決まってるじゃないか!」


 笑顔で翔虎が言うと、水野も笑顔になって頷く。


「僕のほうこそ、ありがとう、水野くん。これからもよろしく」


 翔虎の差し出した手を、水野は堅く握りかえした。



「翔虎」


 駅へ向かう道中、直は翔虎に声を掛け、


「大変良くできました」

「な、何がだよ……」

「烏丸先輩との勝負よりも、水野くんを助けることを優先したもんね。偉いぞ」

「何だ、そのことか。当たり前だろ。友達なんだから」

「ふふ」

「何だよ……」


 直は翔虎の頭を撫でた。



 翌日の放課後、水野は母親に送られて登校してきていた。保健室に、翔虎、直、あけみが、そして第二生徒会からは、烏丸、海老原(えびはら)悠乃(ゆうの)が顔を出していた。

 話の中心にいるのは烏丸だったが、翔虎の顔にもう憮然とした、詰まらなそうな表情はなかった。直はそれに気付いたのか、微笑みを見せていた。

 変化が生じていたのは烏丸のほうだった。時折、翔虎を見る目が昨日までとは違っている。敵意、いや、ライバルに対する敬意が籠もったような鋭い目だった。が、それに気が付いたものは、翔虎を始め、この場には誰もいないようだった。

 そろそろ頃合いか。といった周囲を窺う顔を見せてから、翔虎は自分の鞄にそっと手を滑り込ませる。鞄の中で掴んでいるのは、携帯ゲーム機だった。会話が一段落した、その隙を翔虎は狙っていたらしく、素早く鞄から手を抜き、口を開き掛けた、が、


「あ、あの、みなさん……」


 先に言葉を発したのは水野だった。全員の視線が水野に向く中、


「も、もし、よかったら……ゲームで対戦してくれません……か?」


 水野は、おずおずと自分の鞄からゲーム機を取りだした。


「やろうよ!」


 真っ先に反応したのは翔虎だった。手にはすでにゲーム機が握られている。


「よっしゃ。一年、吠え面かくなよ」


 と海老原も鞄に手を入れる。


「うふふ、先輩、またかわいがってあげます」


 あけみも、にやりと笑い、ポーズを取りながらゲーム機をかざした。悠乃もゲーム機を手にする。烏丸と直はそのゲーム機を持っていなかったため、観戦に回る。


「人数も半端だから、完全な個人戦でいいな? 通信いいか?」


 海老原がゲーム機を立ち上げ、他の四人に確認を取ってゲームが始まった。


「水野くん、最初は協力して明神さんをやっつけようよ」

「そうだね。強い人には早く消えてもらわないと」


 隣同士に座った翔虎と水野が同盟を組んだ。


「ふふふ……何だったら、みんなまとめて掛かってきてもいいよ?」


 眼鏡の奥であけみの目が光った。


「よっしゃ! えびっち、わたしたちも行くよ!」

「眼鏡っ子! 覚悟!」


 悠乃と海老原もあけみに狙いを絞った。

 直は、やれやれ、といった笑みを浮かべてため息をつく。烏丸も、ゲームに興じる水野と翔虎を見て微笑んだ。



――2016年11月24日

現在、ディールナイトとディールガナーが使える武装は……


スペード 2 ???

スペード 3 ショートソード

スペード 4 レイピア

スペード 5 ジャベリン

スペード 6 ロングソード

スペード 7 バトルアックス

スペード 8 ???

スペード 9 ハルバード

スペード 10 ???

スペード J ???

スペード Q ウイップソード

スペード K ???

スペード A ???


ダイヤ 2 小型リボルバー銃

ダイヤ 3 小型オートマチック銃

ダイヤ 4 大型リボルバー銃

ダイヤ 5 ???

ダイヤ 6 ショットガン

ダイヤ 7 サブマシンガン

ダイヤ 8 アサルトライフル

ダイヤ 9 ???

ダイヤ 10 対物ライフル

ダイヤ J ???

ダイヤ Q ???

ダイヤ K ???

ダイヤ A ???


クラブ 2 ???

クラブ 3 トンファー

クラブ 4 ???

クラブ 5 チェーンハンマー

クラブ 6 チェーンソー

クラブ 7 ドリルアーム

クラブ 8 ???

クラブ 9 大型ブーメラン

クラブ 10 ???

クラブ J バイク

クラブ Q ???

クラブ K ???

クラブ A ???


ハート 2 小型シールド

ハート 3 大型シールド

ハート 4 ワイヤーアーム

ハート 5 ショベルアーム

ハート 6 ???

ハート 7 シザーピンチ

ハート 8 フレキシブルアーム

ハート 9 ???

ハート 10 パワーブーツ

ハート J バギーカー New!!

ハート Q ウイングユニット

ハート K ???

ハート A ???

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ