24/414
研究員の日記 八月五日(プロローグ 24/25)
研究員の日記 八月五日
叢雲博士が消えた。亮次も。
朝食の時間になっても、二人は一向に食堂に姿を見せなかった。おかしいと感じた所員が部屋を訪れると、二人とも部屋からいなくなっていたという。
博士の部屋は明らかに整理した跡が見受けられた。博士の研究に関する資料がまったく残っていなかったからだ。
亮次の部屋は普段通りそのままだった。
そして、消えていたのは二人だけではないことが判明した。別室に保管されていたはずの、二台の錬換武装端末もなくなっていたのだ。
状況から考えて、叢雲博士が端末とその研究資料一切を持ち、亮次を連れて逃げ出したと考えてもおかしくない。
博士と亮次の捜索と平行して、遺跡の調査も行われたが、昨日と同じく、稼働させることはまったくできなかった。遺跡の沈黙と二人の失踪とは関連があるのだろうか?
遺跡は稼働せず、錬換技術も失われた。
このプロジェクトの行く手には、大きな暗雲が垂れ込めてしまった……




