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リリイ

おはようございます。


ストックがやばいです……。頑張って書きます。

 銀色の髪に薄く赤い瞳、綺麗な顔立ちをした美しい少女だった。


 「……だれ?」

 もう一度、今度はさっきよりはしっかりとした声で少女が俺に話しかけてくる。


 「俺は、君のお爺さんと君の事を助けに来たんだけど……リリイさんで合ってるよね?」


 オホから伸びた根は少女の足元で完全に止まってしまっている。俺自身は、彼女がリリイさんだと確信しているけど、一応確認だけはしておきたいと思った。


 「……あってる」

 リリイさんは短く答えると、再び黙ってしまう。


 「リリイさん立てる?ここは危険なんだ、早く外へ出ないといけない」

 「……おじいちゃんは?」

 「フーベルさんは、外で君が出てくるのを待ってるんだ」

 「……だれ?」

 だめだ……会話にならない。というか、警戒されているのか俺は。


 「どうやら、警戒されておるようじゃの……お主」

 「ぐっ……」

 実際……マーテルの言うように、俺はリリイさんに警戒されているのかもしれない。


 「リリイさん、これ……」

 俺は手に握っていたオホをリリイさんに見せる。


 「さっき、これを通じて俺と会話したのを覚えてる?」

 「……あっ」

 俺の言葉に、リリイさんの表情がほんの少しだけ変わる。


 「俺が味方って分かってくれた?」

 「……うん」

 「じゃあ、ここから出よう」

 俺はリリイさんを立たせるために手を伸ばす。しかし、リリイさんは俺の手を取るどころか逃れるように後ずさってしまう。


 「……触れる、ダメ」

 「お主、相当嫌われてしもうたようじゃの」

 たしかに、相当嫌われてしまったみたいだ。


 「えっと、じゃあ……触らないから、俺の後ろを付いてきてくれるかな?」

 「……わかった」


 よかった……立ち上がろうと動き出したリリイさんを見て、ホッとした俺の耳に何かが……いや、部屋が軋む音がした。リリイさんのちょうど頭上の天井部分から、細かい破片がパラパラと降りだしたのを見た瞬間、俺は咄嗟にリリイさんを体全体で覆い隠すように包み込んだ。


 「……離れて」

 「駄目だ!動くんじゃない!」

 ビクッと、体を震わせリリイさんは動きを止め、怯えた目で俺の事を見あげてくる。

 完全に嫌われたかな……俺がそんな事を考えた時、頭部に激しい衝撃を感じ、一瞬意識が飛びそうになった。


 「ヒロ!」

 マーテルが俺に向かって叫ぶ。


 「ぐっ……痛ってぇ……」

 遅れてやってきた痛みに俺は思わず顔をしかめ、その場で思わずうずくまってしまう。

 どうやら、天井の一部が崩れて落下してきたようだ。

 幸いにも盾で頭をかばっていたおかげで、直撃は避けれたみたいだ。

 それでも、かなり痛かったが。


 「……血が」

 リリイさんはそう言うと、うずくまる俺の側に来て手を伸ばしてきた。

 「平気だよ」


 俺の言葉には何も答えず、リリイさんはしばらくの間……俺の顔の前で手を止め、何か考えるような悩むような仕草をしてみせたが、やがて……意を決っすると、おずおずと俺の頬に手を触れてきた。


 「……ごめんなさい」

 「いや……リリイさんは気にしないで」

 俺はそう言って、頬に流れた血を拭おうとする、リリイさんの手をつかもうと手を伸ばす。


 「……あっ」

 リリイさんは、俺が腕をつかんだ瞬間……何か言いたげな素振りを一瞬見せたけど、結局何も言わずじっと俺の事を見つめている。


 「えっと……ごめん、触られるのいやだった?」

 それにしても、すごく細い腕だ。身長も俺の胸辺りの高さしかない。間近で見て改めて思うが、すごく綺麗な女の子だ。


 「……ううん、平気」

 そう言うと、リリイさんは頬を赤く染めて俺から視線をそらしてしまった。

 なんで、そこで赤くなるんだ?俺はリリイさんの先ほどから見せている態度に疑問を感じてはいたが、関係がいい方へ改善されつつある所へ、水を差したくなかったので、それを口には出さないでおく。


 「……いい雰囲気の所、じゃまして悪いんじゃがのう」

 「マーテル、なんか怒ってる?」

 マーテルの口調は荒らしく、明らかに不機嫌と言った感じだ。


 「別に……頭を打って、色ボケたどこぞの変態のことなんぞ、なんとも思っとらんわ!」


 色ボケたって、またずいぶんな言われようだが……。

 「おい、なに怒って……」

 とつぜん、洞窟内が……というか、洞窟全体が地面も含めて大きく揺れた。


 「……きゃっ」

 リリイさんは突然の揺れに驚いて体勢を崩す。元々不安定だった天井からは瓦礫が再び瓦礫が落ち始める。


 「リリイさん、ごめん!」

 俺はリリイさんにひと声かけると、つかんだ腕を引き寄せ瓦礫から彼女を守るために抱き寄せる。


 「こっこれは、いかんぞヒロ!」

 「あぁ!マーテルも、タブレットが入っているポーチに入れ!」

 「いや!わしはここにいるぞ!」


 頑なにそう言い張るマーテルを説得している暇はなさそうだ。

 揺れは断続的というよりは、何かがぶつかって衝撃で揺らされてるのではという揺れ方だ。


 「リリイさん、とりあえずここを出よう」

 俺はリリイさんの腕を引いて、岩盤の隙間を通り通路へ移動する。リリイさんの歩みはひどく頼りなく、俺は少しイライラしてしまった。


 「出口はどっちだ」

 「わっわしに聞くな」

 くそ……道が分からないんじゃ、どうにもならないじゃないか。


 「……わたし、分かる」

 一瞬取り乱してしまった俺とマーテルに、リリイさんはそう告げると、おもむろに腰を屈め手を地面に付けて目を閉じてしまった。


 「……こっち」

 リリイさんは、いきなりそう言って目を開けて立ち上がると、揺れと瓦礫で歩きにくい通路をゆっくりと歩き出す。


 「リリイさん、出口分かるの?」

 「……今、わかった」

 揺れはだんだんと激しく短くなってきている。ここが崩れるのも時間の問題な感じだが、このペースで歩いていたのでは……。


 「リリイさん!出口まで案内して!」

 「……えっ」


 俺は即断すると、リリイさんの了解は得ず、いきなり彼女の体を横抱きにして走り出した。

最後までありがとうございます。


次回更新18日5時

よろしくお願いします

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