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少女

おはようございます。


年始に表紙絵のラフ画が、あがってきます。

表紙には、作品中の全ヒロインを載せます。

TAKA様に依頼しました。

興味のある方は『TAKAの絵蔵』というサイトがありますのでご覧下さいませ。

同じように依頼される場合は、有料になりますのであしからず。

 俺は助かったのか……。

 岩盤を破砕する音を洞窟内に撒き散らしながら飛び去っていくブーメランを、俺は呆然と見送る。曲げれるという自信は皆無に近かったが、やらずにやられるのはもっと御免だった。


 「ヒ……ヒロ、お主よくやったぞ」


 マーテルは、俺の肩の上で脱力してしまっている。


 「まぁ、また戻ってくるんだろうけどな」

 「うむ……それまでに、フーベルの孫を捜し出すぞ」


 マーテルの言う通りだ。次に戻ってくるのがいつになるかは分からんが、なんにせよ時間がない事だけはハッキリしている。

 俺はひとつ頷き立ちあがると、リリイさんを捜すために懐からオホを取りだす。


 「ちょっと待てヒロ」

 「急にどうした、マーテル?」


 マーテルはある場所に向けて目を凝らしているのか、真剣な表情をしている。その目線の先は、俺達が居た隠し部屋のあった辺りに固定されているようだ。

 ブーメランによって見る影もなくなってしまったが、その一角……瓦礫が積み重なった場所から、微かな光が漏れているのを、マーテルの視線を追いかけていた俺も見つける事が出来た。


 「なんだろ、あの光?」


 俺とマーテルは、ふたり顔を見合わせお互いの意思を確認し合うと、その場所へと足を運ぶ。

 幸い瓦礫は大したこともなく、楽にどかす事が出来た。

 出てきたのは、小さな小箱……俺の手のひらに収まるサイズの鉄製の箱だ。蓋の隙間から、中身の光が漏れ出ている。


 「中身はなんじゃろうか?」

 「気になるのか?」

 「別に……気にはならんが……」


 そう言ってマーテルは、箱から顔を背けてしまう……が、その目はしっかりと小箱を捉えている。


 「そうか……じゃあ、こいつは一旦しまっておく事にする」

 「あぁ〜!!」


 俺が、懐に小箱をしまおうとした瞬間、マーテルが叫び声をあげて、小箱をしまうのを阻止してくる。


 「マーテル……これ、鍵も掛かってるし……それに今はリリイさんを助けないと」

 「わかっておる!わかっておるが、わしのおらぬ時に箱を開けるでないぞ」

 「開けないから、落ち着けマーテル……」


 俺はマーテルの事をなだめつつ、手にしたオホを眺める。この洞窟は、思いのほか複雑に造られている。

 もし、思った通りの複雑さであるなら、手当たり次第に捜すのは非常に効率が悪い。

 爺さんは、オホを説明する時に双子草の事を俺に聞いてきた。双子草は、どんな離れた場所にいても、片割れの所へ戻ろうとする性質がある。

 オホにも、その特性があるならば……俺はオホを握りしめると、森の中での出来事を思い出しながら念じる。


 ――リリイさんの元へ……。


 オホを握りしめた手の隙間をこじ開ける様に、根が伸び始める。徐々に速く速度をあげ、まるで意思があるかのように洞窟内の通路を這い出した。


 「マーテル、リリイさんはこっちだ!」


 この根が行きつく先……そこにリリイさんがいると、俺は確信をもってそう感じた。


 「ヒロ……お主、急にどうしたのじゃ?」


 マーテルが不思議そうな表情で俺を見つめてくる。


 「どうしたって……根が伸びていく方へ行けば、目的地へ……」

 「根?根とはなんじゃ?お主……どこか打ったのではあるまいな」


 どうやら、マーテルにはオホから伸びる根はみえていないらしい。


 「俺はどこも打ってないし、異常でもない……ともかくだ、俺を信じろよ」


 俺は、疑いの目を向けてくるマーテルに、あれこれ弁解しながら先を進んでいった。







 右へ左へと、根が行く後を追って俺は洞窟内を進んでいく。ブーメランが飛び去っていった方角に出てしまったのか、途中から洞窟内は破壊され崩され、足場はめちゃくちゃで歩きにくい。


 「派手にやってくれておるのう」


 他人事のようにつぶやくマーテルの声を聞きながら、足場の悪い道を俺はなんとか進んでいった。

 やがて……通路の途中に大きく穴を開けた場所へと、吸い込まれるように根は中へと消えていく。

 元は何かの部屋だったのか、頑丈そうな扉は周りの岩盤ごとめちゃくちゃに破壊され、元の原型をわずかに残すのみとなっていた。

 俺は慎重に、岩盤と岩盤の隙間を潜って根を追いかけ部屋へと入った。


 「……だれ?」


 入った瞬間、誰かが俺に話しかけてきた――か細く低い声だ。


 「リリイさん?」


 俺は声がした方へと視線を向ける。

 薄暗闇の中、人口の灯りに照らされ瓦礫に腰掛けるひとりの少女が俺の目に入った。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

ついに、リリイの登場となります。

そして、これ以降マーテルとの駆け引きなどが起こってきます。

これをどう表現しきるかが、作品のポイントになると思うので、頑張って書こうと思います

 次回更新17日19時

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