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エルツ・フォレスト

おはようございます。はじめまして。

ようやくの戦闘パートです

 「薄暗くて……気味が悪いな……」

 「怖気づいたのか、ヒロ?」


 森の中はうっそうとしていて薄暗く、葉と葉の隙間から弱い光が射し込む中を木々の間を抜けながら俺たちは森の奥へと進んでいく。日当たりの良い場所以外には目立って背の高い草花は生えていないおかげで、想像していたよりは歩きやすい。


 「怖気づいたっていうか……」

 単に気の持ちようなんだろうな……俺はそう思う。

 これがお弁当片手に山を散策とかなら、神秘的な幻想的な雰囲気と感じられたかもしれない。

 だが……今の俺は、ここに散策に来ているわけではなかった。


 ――どこに敵が潜んでいるか……。


 森にはたくさんの生き物が住んでいるはずなのに、不気味なほどに静まり返っていた。

 それが場の雰囲気と相まって俺の神経は少しの物音にも反応してしまう。


 「ヒロ殿……手にした武器をしまいなされ……」

 先頭を行く爺さんが俺の方を振り返り声を掛けてくる。


 「でも……フーベルさん、ここは敵地なんですよ」

 俺はいつ敵と遭遇してもいいように、ブーメランを右手に構えて爺さんのすぐ後ろを歩いていた。


 「両手は常に……空けておきなされ……

 爺さんはそう言うと、森の奥へと視線を動かし……。


 「今……この森の見渡せる範囲に敵はおるのかね?」

 そう言って朗らかな笑顔を俺に向けてくる。


 「確かにそれは……そうなんですが」

 「お主……そんな力の入れようじゃと、茂みからウサギが飛び出した瞬間にフーベルの頭をブーメランでスコーンといきかねんぞ」

 「うっ……」

 マーテルにそう言われて、俺は素直にブーメランを腰へとしまう。

 実際言われるまで考えもしなかったが、そうなる危険は充分にあった。


 「フーベルさん……敵の位置は分かっているんですよね?」

 「無論じゃ……拠点の位置は完全に把握しておる。出払っておるのか、今はずいぶんと静かなようじゃぞ」

 またか……どうやっているのかは知らないが、爺さんは敵の動向を完全に把握しているようだ。

 それが事実なら俺たちにとってこれほどに有利な事もないと思うのだが、逆に出払っているということは、道中敵と遭遇する危険もあるのではと思ってしまう。


 「ところでヒロ聞きたい事があるんじゃが?」

 「なんだよ?」

 「こんな人が住むには辺ぴな場所で、連中はいったい何をやっておるのじゃ?」

 そう言って、マーテルは小首をかしげる。


 「何をって悪いことだろ……」

 そんなこと……俺に聞くなよ。ブローカーなんて犯罪集団の考える事なんて、俺に理解できるわけがないだろ。


 「マーテル殿……連中は晶石を取りに来てるのですじゃ」

 「こんな森の奥にか?」

 あぁ……そうかそうだった。

 爺さんの言葉を聞いて俺は思わず頭を掻いてしまう。

 そんな程度の事にも頭が働かないなんて……。

 俺はブーメランをしまうように言った爺さんの言葉の意味が、その時理解できたような気がした。


 「マーテル殿……森の木は晶石を宿すものがありましてな、奴らは森の木々を切り倒しながら目に付いた他種族をも狩っていくのですじゃ」

 マーテルに話しかけている爺さんの声色には、少し怒気が含まれているように感じる。


 「ふむ……なるほどのう……」

 マーテルが爺さんの話に頷いた時だった。


 「ヒロ殿……ゆっくりと伏せてくだされ、マーテル殿もお静かにおねがいしますじゃ……」

 爺さんの表情に焦りも何もない、ただ指を口へ当てながらしゃがめと残りの手でジェスチャーしてくるのみだ。


 「……?」

 俺は一瞬爺さんの意図するところが理解出来ぬまま、言われるがまましゃがみこむ。

 爺さんはそんな俺の様子を察してか、無言で『そこを見てみろ』と言わんばかりに薄暗い森の奥の一角を指さして見せた。


 「あっ……」

 森の奥……木々が密集していて分かりづらいが、確かに何かが動いている気配がある。

 「ヒロ殿……敵じゃ」

 「……」

 俺はそれを聞いて、返事も返せず頷く事しか出来ない。


 ――実戦――


 改めて、俺は自分の置かれている立場を認識してしまう。

 「ヒロ殿はここから動かないでくだされ」

 「えっ……でも……」

 「ヒロ……フーベルの言うことを聞かんか」

 「分かりまし……」

 俺はマーテルにそう言われて爺さんに『分かりましたここに居ます』そう言おうとしたのだが……。

 「い……いない」

 音も動いたという気配さえも俺に感じさせることなく、爺さんの姿は跡形もなく消え去ってしまっている。


 「マーテル……フーベルさんは?」

 「ヒロ殿、もう終わりましたですじゃ……立ってもらってもいいですぞ」

 俺がマーテルに話しかけるのと、爺さんがそう話しかけてきたのが同時だった。

 「終わった?えっ……終わったんですか?」

 「そうじゃ……敵の拠点はこっちじゃ」

 爺さんは、まるで何事もなかったかのように再び先頭を歩きだした。  

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

寝不足で頭が働いてません。

次回更新15日12時

よろしくお願いします。

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