謀略
おはようございます。はじめまして。
このパートから、重要キャラのバサルが登場します。
改行の感じはどうでしょうか?感想をを通じて以外は作者の独断と偏見に基づくやりかたでしか編集出来ないので、こうしろああしろと言ってもらえると助かります。
それではよろしくお願いします。
「フーゴ様、見つけましたぜ」
「おぉ……それは良くやりましたね……バサル」
相変わらず……薄暗い部屋だぜ……。
フロンテラの城下町は、うっとうしいほどの喧騒に包まれている。
それに比べてここの陰気な空気といったら……。
「ついに……ついに宿願を果たす最大のチャンスが訪れました……」
何が宿願だよ……そんな事より、まずは部屋を明るくしろよな。
ひとり……悦に入って語り続けている主人の恍惚とした表情に、呆れたものを感じながら部屋を見回してみる。
北通りの一角にある高級ホテルの一室。
主人であるフーゴは、ここのオーナーでもある。
低い身長に太った体格はいびつで、は虫類めいた顔に大きい目がギョロギョロと動くさまは、見ていて気持ちのいいものではない。
最上階のオーナー専用部屋は広く快適であり、置かれている調度品も一級の物が揃っていた。
へへっ……いい燭台じゃねぇか。
自分のすぐそばにあった燭台を手にすると、バサルはそれをさり気ない自然な動きで懐にしまう。
「……バサル」
「な……なんでございますですか?フーゴ様」
「あなたは……私の話を聞いているのですか?」
お……驚かせやがって……。
再び語りはじめた主人に、バサルはうんざりした目を向けながら思う。
なぜ……こんなくだらない事に、こいつはいつまでもこだわっているのか?
酒に女にタバコ。贅沢に事欠かない生活が手に入った今となっては、魔族だの人間だのどうでもいいとさえ思っていた。
「……ところで、カチルはどうしたのですか?バサル」
「連中の監視を頼んできた」
「そうですか……」
「もう……行ってもよろしいですかい?」
とっとと酒を飲みに行きてぇ……。
「ええ……それは構わないのですが……」
「まだ……なにか?」
「私が気付いてないと思っているのですか?懐の物を出しなさい……バサル」
「ぐっ……」
なんてぇ……殺気だ。主人の目は大きく開かれ瞳孔が縦に伸びる。
「私は……常日頃より、品のある誠実な行動をと言い続けているはずですが?」
「へっへっ……申し訳ねぇです……フーゴ様……」
「……」
「仕事はきっちりとこなしてみせやすので」
バサルは言いながら膝を付き、額を床に擦り付ける。
「……信用してもよいのですね?」
「へぇ……それは約束しますよ」
利用出来る内はな……。
主人の洩らすため息を頭上に感じながら、バサルはそんな事を思っていた。
◆◇◇◆
「わ……わけがわからん」
武器に防具……さまざま看板が掲げられた店が建ち並ぶ中、俺はひとり途方に暮れてしまっていた。
工業区に足を運ぶのは生まれて初めての事なのだが、正直……うわさに聞いていた以上の場所だと思う。
とにかく……ガラが悪い。それも、奥に行けば行くほどにひどくなっていくような気がする。
一度も掃除がなされてないんじゃ……と思える軒先――雑然と積まれてしまっている商品なのか廃棄品なのかも区別のつかない物に、値札を確認した時は思わず二度見してしまった。
ある店では、ウィンドウに近づいた瞬間――店から人が飛び出してきて、両脇を抱えられ強引に店内に連れ込まれそうになって……強引に振りほどいて逃げなければならなかったりもした。
まともそうに見える店の方が数は多いのだが――見かけ通りにまともなのか――と言えば、その保証のかぎりではなかった。
こんな事なら……マーテルらの話が終わるまで、待っていればよかった。
まぁ……それはそれで、面倒な事になっていたような気もするが……。
マーテルが怒りくるっている姿が、容易に想像出来てしまう。
やっぱり……待とう。
俺はそう決めると、通りがよく見えそうな場所へと移動することにした。
「おいっ!お兄さん!」
見るからに怪しい風体の男が、マーテル達を待とうと移動し始めた俺に、いきなり話しかけてきた。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
もうじき、序盤のメインウエポンが登場します。
次回更新は11日19時になります。
よろしくお願いします。




