お呼ばれしました!
ときは3000年ぽっきり。世界は環境破壊が行き過ぎ、生物形態にも異変が生じてしまった。
だいたいは生殖系が異常になり、変わり種の種が蔓延り
それが人間を襲うというパターンだ。
我が国も例外でなく、人間のみならず地上の生物、海や空の生き物にも大きな影響を及ぼしてしまっている。
地球における人間の存在感が薄れていく中、治安維持という名目で
各地で異常生物と戦う組織が作られた。
その中の1つ、関東地域ではトップシェアを誇るウォー・スタッフ・アソシエーション(WSA)で活躍する戦女は、世界的にも有名であった。そんな彼女たちの勇ましい姿…となれば、よくある戦闘もの。
彼女たちも元々は普通の人間。完璧ではない人の完璧ではない物語である。
「お電話ありがとうございます。こちらWSA、ウォー・スタッフ・アソシエーション、受付担当の伊月です。」
「あの!西金市海岸でイルカのような巨大生物が出現してきて!」
「落ち着いてください、ただいま戦女を派遣しますので、詳しい状況はそちらにお話ください。」
伊月:真心、オファーが来たから営業の山下さんと一緒に西金市に行ってください。
真心:えぇー、また西金ですか。ちょっと資料見せてください。
イルカのようなっていうか、またイルカですよねこれ!?
よく電話かかってくるけど、行く度にイルカ救出大作戦みたいになって地元テレビ局に映って帰るってオチじゃないですか!
もう行かなくてもいいんじゃないですかねぇ。
伊月:だめです、例え相手が害のないイルカだったとしても仕事は仕事です。
社会貢献になるし、あなたの知名度もあがるし、オファーの度にいいお金貰ってますし。
扶実佳:結局金じゃんかよ。さすが伊月ちゃん現金な女だ。
伊月:ちょっと扶実佳!まああなたのおかげで私もこの仕事安泰なのはあるけど。
扶実佳:おいおい、それ認めちゃうのかよ!
真心:でも扶実佳ちゃんいつも成績いいもんね。
扶実佳:ありがたいっちゃあありがたいんだけど、なんかあたしこういうキャバクラみたいな格付け嫌なんだよねー。
真心:私はあこがれちゃうなあ。扶実佳ちゃんの戦闘かっこいいし、行くところ所でヒーローを見るような眼差しもらえるし、男の子にモテるし、あとお金も…。
扶実佳:なんかヒーローって部分をツッコむべきか迷うが…というか真心も現金かよ…。
そんなにお金が欲しいなら、もう真心自身担保でお金巻き上げちゃえばいいのに。
真心:ひどい!私だってお金で動かないことだってあるんだから!
扶実佳:お!ガード固い真心来たよ!
大丈夫!真心は頑張ってる。こいつと比べれば!
詩季絵:う、痛い…。
扶実佳:いい加減後輩に顔向けできるような行動をしろ!
真心:あえて知らないふりしてたんですけど、別に狙ってたわけじゃなさそうですね。
詩季絵:もう扶実佳いきなり乗りかかってきたら食べ物リバースしちゃうでしょうが。
さっき社長からの差し入れのお饅頭たべたばっかりなんだから。
扶実佳:おまんじゅう?どこどこ??
まさかこのお饅頭顔の中に全部入ってるんだな!
詩季絵:やめてやめて痺れちゃう扶実佳ちゃん!
扶実佳:先輩だけど何故かちゃんづけされるとイラッとくる!
真心手伝え!2人でこの詩季絵臭はんぱないソファーを奪還するのだ!
詩季絵:真心ちゃん助けて!
真心:扶実佳ちゃんそこまでやらなくても…。
「コンコン」
扶実佳:やばい誰か来た!
山下:あのお…そろそろいいですか。
真心:あ、忘れてた。
扶実佳:待機してたのかよ!そして忘れてたのかよ!
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登場人物
真心:一応主人公、戦女、18歳。ちょっと気弱な性格だけど、基本的に前向き。
扶実佳:20歳、戦女。真心の先輩だけど、真心には親しみを込めてちゃん付で呼んでもらっている。
サバサバして要領もいいが、それが裏目に出るのか振り回され役が多い。
詩季絵:21歳、戦女。上記2人の先輩であるが、扶実佳からは下っ端にみられ、真心に至っては存在感すら怪しいらしい。ただいま社内ニート中。
伊月:年齢非公表、WSAの事務社員。戦女のお尻を引っぱたく役だが、なぜか戦女達からは愛されている。
山下:営業社員、男。戦女と一緒に現場まで向かい、戦女が戦っている間に、依頼主とお金のことなどの交渉をしている。戦女の機嫌が悪いと真っ先に被害者になる。