↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

二十一才の僕へ





 Happy Birsday、二十一才の僕!

 十一才になった僕だよ! たんじょうびおめでとう!!


 十一才の僕には悩みがあります。

 たくさんあるので、めでたい日なのに申し訳ないけれど、昔をなつかしむくらいの感覚で、聞いてくれませんか?


 一つ目は、友達のことです。


 最近、ゆうじくんと仲良くなりました。ゆうじくんは転校生で、運動もできて頭もいい、ハイスペックな子です。なのですぐなかよくなれました。初めは僕とりゅうじとゆうじくんとで遊んでいたんですけど、この前りゅうじが「ゆうじのこときらい」って言い始めちゃって、それを聞いたゆうじくんが「俺、しぃちゃんと遊んでたんだけど」って。そこで、ケンカになっちゃって。

 間にはさまっちゃった僕はどうすればいいのか、まったくわかりません。

 僕は、ゆうじくんもりゅうじも大好きです。二人とも友達で、ゆうじくんとは親友。僕にとって、付き合いの長いりゅうじは大親友です。まだおとまり会もするし、とても仲が良いと思います。

 僕がゆうじくんと仲良くなれたから、りゅうじとも仲良くなれるかなって思ったのがよくなかったのでしょうか? 会わせるのは、やめたほうがよかったのでしょうか。


 好きだったゆりちゃんもいつの間にか転校してしまいました。僕は、ゆいいつの相談相手もうしなってしまったようです。

 ゆりちゃんの転校はとても悲しかったです。でも、いつかまた一緒に遊ぼうねと言って、わすれないでねと言ってお別れをしました。寂しいけれど、ゆうじくんとりゅうじがいるから大丈夫だと思っていました。


 どこからまちがったんだろ? といつも考えます。初めはゆうじくんもりゅうじも仲良さげだったのに、いつからか、仲良くなくなっちゃった。

 僕にとって、それがとても悲しいし、辛い。今だってほら、泣きたくなってます。


 ずっと、ずっと一緒に遊んでるものだと思ってました。

 これから先ずっと仲良くやっていけるんだと思ってた。

 でも、このままいったら、もっと仲良くなくなっちゃう。

 僕、どうしたらいい?

 僕、何したらいい?

 ゆうじくんとも、りゅうじとも、ずっと一緒にいたい。

 楽しく毎日をすごしたい。ゆうじくんがくわわったらもっと楽しくなるかもしれない。

 ……それだけだったのに。

 なんでこうなるんだろう。

 なんでうまくいかないんだろう。

 なんで、なんで。

 わかんない。


 大人の僕が、答えを知ってるといいなと、強く思います。



 二つ目は、両親のことです。


 夜になると、お父さんはお母さんのことをいじめます。いじめはよくない。先生はよくそう言います。でも、お父さんはそう言われなかったのか、お母さんが泣いても、悲しんでも、やだって言っても、笑っていじめつづけています。

 僕に見せつけるように、お父さんはお母さんのことをいじめます。

 何が楽しいのかわかんない。やめてって、いやだって、お母さん泣いてるのに。どうしてやめないの? 前にそれを言ったら、お母さんは「気持ちいから大丈夫」って。大丈夫じゃないじゃん。泣いてるじゃん。そう言っても、あいまいに笑うだけでした。

 お父さんは、お母さんにするように、僕の体をさわります。僕は気持ちが悪くて、でもたまにゾクッとすることがあります。でも気持ち悪いと思う。僕のちんちんをさわってくることもあります。でも大体は、おしりの穴に手を突っ込んで指をバラバラに動かすだけです。気持ち悪くて、やめてっていうけれど、やめてくれない。お母さんもこんな思いをしてると思うと、余計につらくなります。


 僕はどうしたら、ここから抜け出せる?

 大人になっても、こんな生活をつづけているの?

 そんなのやだよ。苦しいよ。

 お父さんは、お母さんと僕のこと、きらいになっちゃったのかな。きらいになっちゃったから、お母さんと僕のこと、いじめるのかな。

 お父さんがきらいになっちゃうようなこと、しちゃったのかな。すききらいしすぎちゃった? いたずら? お父さんのことを、僕がいやになっちゃってるから?

 わかんない。わかんない。

 知らない。知りたくない。


 最近、お父さんとお母さんが、夜によくケンカをしています。

 ベッドの上で、お父さんがいじめてるんじゃなくて、リビングで、むずかしいことを話しています。

 この前、トイレに行こうと起きたら、お父さんとお母さんが「りこん」について話していることを知りました。

 お父さんとお母さんが、仲良しじゃなくなっちゃった。

 僕がわるいのかな。僕が、お父さんのこと、すきじゃなくなっちゃったから?

 でも、お父さんがいじめてるのがわるいと、思う、けれど。

 あんなに仲良しだったのに、あんなにやさしくしてくれたのに、なんでこうなっちゃったんだろう?

 ずっと、仲良し家族でいられると思ってた。

 ずっと一緒だと思ってた。

 家族じゃ、なくなっちゃうのかな?

 そんなの、悲しいよ。

 お父さんと、お母さん、どっちかとは会えなくなっちゃうんでしょ?

 そんなの、さみしいよ。


 お父さんのこと、すきじゃないよ。

 お母さんのことも、いやだと思う。

 それでも、大切に思うのはおかしいこと?

 家族でいたいって思うのは、へんなこと?

 こわいよ。こわいよ。いやだ。くるしい。

 なんで、仲良しじゃなくなっちゃうの?

 ずっと仲良しでいればいいじゃん。


 つらい。くるしい。さみしい。たすけて。


 いつか、いつか、ここからぬけ出せたらと、強く思っています。

 いつか、今じゃなくてもいいから、いつか。

 大人の僕が、それを叶えられているといいな。



 三つ目は、自分のことです。


 僕、スカートはいてみたいと思うことがあるんです。ピンクの服きて、学校でかみの毛むすんでみたい。女の子みたいなかっこうして、どこか、遊びに行ってみたい。

 でもべつに、女の子になりたいわけじゃない。

 けど、男の子でいたいっていうわけじゃない。

 思えば、昔からそうだったのかも。ライダーかめんよりもプリティキュアリズムが好きだった。青も好きだけど、ピンクも好き。リコちゃん遊びをするのも好きだった。男の子の友達よりも、女の子の友達のほうが多かった。

 僕には、ちんちんがついてるし、おっぱいもない。かみも短いし、ほかの人からみれば、ちゃんと男の子。ランドセルだって黒だし、本当は青がかっこよかったから、そっちがよかったんだけどね。ピンクでもよかったんだけど、お母さんが「ピンクは女の子のだよ」って言ってた。こまった顔してた。

 僕、ちゃんと男の子だよ。女の子みたいにかわいくないし、ちっちゃくもない。ライダーかめんも好きだし、おにごっこも好きだし、男の子と遊ぶことも好き。

 でも、でもね。僕、男の子でいたいわけじゃないんだよ。プリティキュアリズムも好きだし、お人形さんごっこも、おままごとも好きだし、女の子と話すことも好き。

 だからといって、女の子になりたいわけじゃないの。

 女の子も好きだけど、はつこいはかいとくんだった。かっこよくて、僕にやさしくしてくれて、運動ができる、男の子だった。


 わかってる。へんな子だって。

 わかってる。男の子が男の子を好きになっちゃいけないんだって。

 わかってる。わかってるんだよ。


 でも、男か女かって、そんなに大切なこと? って、たまに思う。

 言い訳かもしれないけど、でも思うんだよ。

 でも、大人にとっては、すごく大切なことなんだよね。

 きょ年までは体育着に着がえるとき、男の子も女の子も教室で着がえてたのに、今年からは、バラバラ。女の子が先に着がえて、男の子があと。こうごに着がえてく。

 なんで? って先生に聞いたら、男の子が女の子の体を見ることはいけないことなんだって教えてくれました。

 それくらい、大切なこと。


 あ、これをお父さんたちに言っちゃったから、僕のこと、嫌いになっちゃったのかな?

 きもちわるいって、思われたのかな。

 「そんなことないよ」って、言ってほしかっただけなのに。

 うまくいかないな、なんでだろう。


 ねぇ、どうしたらいいと思う?

 僕って、やっぱりへんでしょ?

 へんじゃなくなるには、どうしたらいいの?

 ピンク好きなのも、かみをのばしたいっていうのも、かくせばいいの?

 「好きなものは好きでいていいんですよ」って、先生が言ってたのに?


 大人の僕が、ふつうでいられていることを、ねがっています。





 今、すっごく苦しいよ。すっごく辛いよ。悲しいし、さみしいよ。

 みんな、僕のこときらいになっちゃったみたい。

 そんなかんじがするんだ。

 ねぇ、大人の僕は、今何してますか?

 幸せになれていますか?


 遠い未来の僕が、幸せでいられていることを、しんじています。

































P.S.ジャヌプはまだ買ってる? ピースオブワン、もう終わっちゃった? 気になるなぁ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。