幼馴染の暇つぶしを手伝ったら天職がみつかった
幼馴染のモカは、病弱だ。
とにかくよく熱を出し、学校を休む。
でも、そんなモカ…とにかく元気なときは、めっちゃ笑うし、運動も大好きだ。
「どう?今日は、行けそう?」
「熱あるからムリだよって、お母さんに言われた。最悪」
モカが口を尖らせて布団を被った。
「つまんない‼︎どっか行ってパァーッと遊びたい‼︎出かけたい‼︎」
「元気になったら、行こうぜ。モカの好きなところ」
「うん…わかった。いってらっしゃい」
「うん。行ってくるよ」
オレなら、学校休めて大喜びだけど…モカは、そうじゃない。
モカ…暇だろうなぁ。
休み時間、楽しそうにメイクの話をしている女子をみながら、オレはモカのことを考えた。
昔、よくモカとおままごとしたっけなぁ。
モカは、お日様の下でおままごとが大好きだったんだよな。
でも、すぐ熱出すからってあんまり外で遊べなかったっけ。
…
モカが、せめて少しでも外に出て気分転換できたらなぁ。
なんかいい方法は、ないかな…
天井を透明にする⁉︎
…
眩しくて眠れないか。
…
あ、景色の写真集とか売ってたな。
帰りに本を買っていってあげよう。
学校の帰り道、さっそく本屋へと向かった。
景色景色…
景色の本を持ち、レジに向かおうとしたそのとき、なんだかとっても可愛らしい絵本がめにとまった。
丁寧にかかれた、ひとつひとつの小物たち。
お菓子屋さんの陳列されたお菓子たちの絵。
この瓶には、きっと飴が入ってる。
あ、これはチョコレートだ。
絵本なのに、ずっとみていられるくらいひとつひとつがかわいい。
すげーな、この一ページをかくのにどんだけ時間をかけたのだろう?
みていてとっても楽しかったし、あっという間にときが過ぎていた。
そして、いつのまにかその本も購入していた。
すごいなぁ。
モカにも学校に行けない日は、こんな本があればいいのだけど…
モカは、恋愛本が好きだ。
基本ハッピーエンドの漫画を何周もしている。
でも、それも飽きたって言ってて…
モカがドンピシャでハマる本を、とにかく探したけど、なかなか難しい。
…
うーん…
うーん…
…
部屋にあるミニホワイトボードに、どんな本がいいか書いているうちに、なんか…
なんか…
ひとつの話が出来上がりつつあった。
試しに、オレがはなしをかいてみた。
モカが好きな展開になるように、はなしをよせて、よせてと。
完結してないけど、モカが好きそうなはなしが途中までできた。
こんな本を誰かがかいてくれていると助かるが…
でも、やっぱりそんな本がいまだに見つからず…
またモカが体調を崩したとき、オレは景色の写真の本しか、用意できなかった。
「オレさ、モカが退屈しないようにモカが好きな本探したんだけどさ、なかなかないんだよな。」
「そうなの。でも、この景色本を読んで脳内旅行するから大丈夫。ありがとね」
モカの一生懸命な笑顔に、オレは思わず自分のかいたはなしを、送信していた。
送る気なんか、全くなかったけど…
なんか、あんまりにもその笑顔が…かなしそうで、オレはとんでもない行動をとってしまった。
「あ、つまんなかったら削除して。てか、つまんないだろうから、みなくてもいいから。オレ、絵が描けなくて文章でごめんな。じゃ、学校行ってくるね」
「うん、ありがとう‼︎読むよ?ありがとう‼︎なんか、読む前からワクワクする!」
って、喜んでくれたモカ。
モカ…
モカは、優しいな。
「早く元気になれよ」
「うん!」
オレは、そのまま学校に行ったんだけど、モカから連絡が来ていた。
(めっちゃ面白い‼︎続き読みたいから明日も熱出しちゃおうかな)
ってきていた。
面白いって言われたら、そりゃ嬉しいだろ。
調子にのって、オレは続きをかいた。
そして、モカが休みの日に続きのはなしを送信した。
最近のモカは、熱が出ると嬉しそうで回復も早いんだと、モカかあさんが教えてくれた。
そんなある日、珍しくオレが風邪をひいた。
そしたら、モカがとある大きな封筒をオレにくれた。
「これ、わたしが学校行ったらみてね」
と。
なんだろうと、数秒まって少ししてから封筒をあけると…
⁉︎
オレがかいたはなしを、モカが絵を描いてマンガみたいにしてくれていた。
えっ⁉︎
めっちゃ絵上手くね⁉︎
さっそくモカに連絡すると、読むの早いって言われたけど、モカの声が嬉しそうだった。
それからオレたちは、よく二人でマンガをかくようになって、今じゃ大人気作家だ。
「キスシーンって、かくの難しいな…」
「じゃあ、実際にキスしてみたらリアル感湧くかも」
「そうか♡」
「そうだよ♡」
チュ〜♡
イチャイチャしながら、毎日楽しく仕事をしている♡
おしまい♡




