ヤなやつら
「ね~勇者~、次はどこ行くぅ~?」
「う~ん、また聖剣について聞き込みから、かな☆」
「はぁ、また最初からか……」
ここは冒険者ギルド、勇者パーティにの為に用意されてある最高級の客室。
勇者と戦士と魔導士、三人が気怠そうに今後の指針について話し合う。
そこに勇者パーティ最後のひとり、僧侶がやってくる。
「勇者様、教会の方から報告がありました。どうやら先ほどのダンジョンにいたあの、名も知らぬパーティですが……」
「三人仲良く教会送り?たまたまあそこに居たのが運の尽きよね~」
「いえ、どうやらふたり分の蘇生しかされていないそうで……」
「なに?」
場の空気が凍り付く。
「そ、そんなわけないじゃ~ん!だって勇者の特大魔法を食らってそのあと……あっ!戦士!あんたが手加減したでしょ!?」
「なっ、俺のせいにするつもりか!?手加減なんか全く……」
「じゃああんたの攻撃力が低すぎるせいじゃないっ!」
「うるせぇ!お前は何もしてねぇくせに文句言うな!」
言い争うふたりを横目に、難しい表情を浮かべる勇者。
「かの者が根も葉もないホラ話を言い広める可能性があります。勇者様、いかがいたしますか?」
「それは、困っちゃうねぇ」
「ならば、いつも通りこちらの方で処理の方を……」
「いや、それはまだいい。一度彼女達の元に直接出向こう。ボクが直接お話をしに行こうと思うよ☆」
「?直接で向かわれるとは珍しいですね。勇者様がご足労をおかけする必要はありませんのに」
「ボクと戦士の攻撃を耐えた、あの女戦士に少し興味が湧いてきたからね☆心配はいらない。万が一にも、ボクが逆恨みで殺されることはないさ☆」
「勇者様の仰せのままに」
僧侶は1歩引いて、勇者の決定に従う意を示す。
そして未だに口論を続ける魔導士と戦士の仲裁に入った。
「あの娘達を巻き込んでしまったな……」
彼の独り言は、誰の耳に入ることもなかった。
「くしゅん!」
「どしたのルベち?風邪でも引いた~?」
「ん~、そんなことない、と思うけど……」
誰かにウワサでもされてるのかな?
まったく、陰口は程々にしておいてほしい。傷つくもん。
「結果、出たよ……」
「お、なになに~?」
今後の活動、もとい勇者としての旅路について会議している。
……なんて高尚なことはしていない。
ダンジョンでのいざこざは一旦忘れ、呑気に女子トークに華を咲かせているのである。
「サフィちゃんは……仕事運良好、勢いのまま動くべし」
「お~!冒険の方かな!シスターの方じゃないよね?……他は他は!?恋愛的なのは?///」
「えっと……待ち人、来ず」
「そっかぁ」
一緒に頑張ろうね、サフィ。
「ルベリーちゃんの方は……金運、ナシ」
「……え?お金のことそれだけ?」
「うん」
「そっかぁ」
サフィが肩に手を置いてきた。その同情の目、やめて。
「えっと待ち人は……あっ」
「えぇっ!?」
サフィの表情が急に曇る。とりあえず私も勝ち誇った顔しながら続きを待つ。
「待ち人、すぐに現る。注意せよ。……だって」
「へ?」
次回、ノンビリ女子会をしていた私達!
ベリルが最近覚えた占いで遊んでいると、どうやら私にも転機が訪れるみたい!?
……なんか不穏な空気?
「な、なんでここにあなたが!?」
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