不幸中の幸い!
……イタタタ。気を失っていたみたい。
あんまり時間は経ってないみたい。よかった。
ふたりは……私の大切な友人達は……
倒れたままの姿。依然変わらず。
まざまざと見せつけられる現実。
──守れなかった。
冒険をしていれば不幸なことだってある。
皆で運が悪かったね~って慰めあって、少し置いて笑いあって……
ダメダメ。今どうするか考えないと。
正直、今すぐ教会に連れていって、ふたりの元気な姿が見たい。
私自身大ダメージを負っちゃったから厳しい。
それに……
まだあの人達がいたら?見逃してもらえる?
怖い。話ができるとも思えない。
……そういえば『せーけんを探す』って言ってたっけ。
探す……聖剣?
そんなバカな。
私のような平凡な人にとっては、聖剣なんて御伽噺でしか知らない。
そんなとてつもなく凄いモノがこんなダンジョンにあるわけない。
でも問題はそこじゃない。
彼らがまだこのダンジョン内にいるかもしれないのが、恐ろしい。
私は足を引きずり、魂の抜けた仲間ふたりも引きずり、隠れられる場所を探す。
もう倒れちゃった方が楽……
そのうち拾われて、気づけば教会で目覚めているはず。
なんて考える余裕もなく、ひたすらに探す。
無我夢中で探した先、やっとのことで小部屋を見つけた。
「あった……っ!」
ほんの少し緊張の糸が緩んだ。
急に私達の身体が消えていたら、怪しまれるかもしれない……
今更気づくものの、戻る気力なんてない。
「お腹……空いたな……」
こんな時でもお腹が空くものなんだなぁ……
なんて適当なことを考える。
イヤなことに気づいた。
隠れられたはいいモノの、結局空腹で倒れてしまうかもしれない。
こんなダンジョンの奥で倒れてしまったら、誰にも気づかれないのでは?
まだ気を緩ませている場合じゃない。
自分の持ち物、サフィとベリルの持ち物、ひとつずつ確認する。
ロクなものはなかった。
──どうしようもない。
諦めとともに顔を上げる。
「こんなのあったっけ……」
気づかなかった。
この部屋に宝箱があったなんて。
今回のダンジョン攻略は完全に失敗。
でも報酬ゼロにはならないで済みそうかも。
「ラッキーラッキー!中身は何かなぁ?」
そう自分に言い聞かせる。
こうでもしていないと泣きたくなっちゃうから……
こんな目にあったのだから、ちょっとくらいイイモノが貰えても罰は当たらない。
期待半分、諦め半分。
私は宝箱を開けた。
「これは、武器?剣かぁ。売れたらいいな……あっ」
脳内がクリアになる。
私は勇者の言葉を思い出した。
次回、勇者パーティに襲われた三人娘。
ルベリーが逃げ込んだ先に見つけたモノ。
それは……
「これってもしかして……聖剣!?」
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