気を取り直して、いざダンジョン!
今回の目的地、街から見える一番大きい山の中腹に辿り着いた私達。
とりあえず休憩中……
「ふぅ。歩くの疲れる……」
普段から魔導書館に籠っているベリル。
「あたしは別にいいんだけどさぁ、たまには馬車とか乗ってみたいよね~」
常日頃、街を駆け回るサフィ
馬に乗ったり、馬車を借りたり、もちろん私も憧れている。
なんなら皆よりも欲しているかもしれない。
だって防具重いもん!
「ダ~メ。知ってるとは思うけど、ああいうのって高いんだから」
「馬車代に全部消えちゃいそう……」
「そういうこと」
「はぁ~。勇者様パーティに憧れちゃうな~」
「とりあえず目の前のダンジョンに集中っ!」
──洞窟系のダンジョンは好きじゃない、虫系モンスターが多いんだもん。
「ベリりん、こっちに明かりちょーだい!」
「うんっ!」
火球に照らされたモンスター達をサフィが叩いていく。
「サフィ前に出すぎ!勇者様の真似しないで!奥からもう1体きてるよっ!」
「ありがとっ!エイッ!」
いつもより突っ込みガチなサフィを抑えながら、モンスターを倒していく。
そうこうして最後のモンスターを倒し切り、そいつが落とした核を拾う。
この魔物の核がダンジョンの報酬。人間社会のエネルギーとして高く売れるのだ。
私の大事な生活費になるのだから、忘れずに拾わないと。
「よゆーよゆー♪」
サフィが自身に回復魔法をかける。ベリルは辺りを照らしながら周りの警戒中。
……私は何をしてるのかって?
良く言えばベリルの護衛。悪く言えばモノ拾い。
「ホントありがとねぇ、私ボスの前くらいでしか仕事ないから……」
「いいのいいの!よく言うでしょ?テキザイテキショー、だっけ?」
「ベリルちゃんに守ってもらえると、安心できるから……///」
ギュっと握られた手を握り返す。ベリルよ、あざといぞ。
「休憩いれとく?慣れてきたし、まっすぐボスの間に行ってもよさそうだけど……」
「あたしはいけるよっ!」
「ワタシは……作戦確認したいし、ちょっと時間ほしいかな」
「了解!今のうちに荷物の整理とかしておこっか」
ボスを前にして、ひと休みひと休み……
私達はリラックスの時間を設けた。
──結果として、この判断が良くなかった。
「……以上!一気に火力を集めて倒す!」
「んっ、んっ、んく、ふぅ……ん、準備できたよ」
「今日こそボッコボコにするぞ~?」
扉を開けると、そこには岩を纏ったドラゴン。
「まずは耐えるよ!」
私達の基本陣形、三人集まって……
私が前で耐えて、サフィにヒールをもらいながら、ベリルがけん制。
「そろそろいい!?」
「次の後スキで反撃……今っ!」
ドラゴンからの攻撃が緩まったこのタイミングで一斉攻撃!
ベリルの氷魔法で動きが鈍ったところに、スクロールと爆弾岩を使用!
「あいつ、立ち上がろうとしてる?ブレスしてきそうかも!」
「んんっ、んくっ。はぁはぁ……邪魔、する、立たせないっ」
「たたみかけろー!」
ここから先は未知の領域。
ドラゴンの体力が少ないと踏んでの押し切りプラン。
後ろ脚が折れるドラゴン。あと、もう少し。
「勝てる!」
誰かが言った。
次の瞬間、辺りが光りだす。
ドラゴンが最後に自爆するつもりなのか?
違う。
影が前に伸びていく。光が後ろから迫ってくる。
「……ッ!」
目の前が光に包まれる。
念願のボス撃破を前にして、唐突なハプニング。
目を開けるとそこには
ボスドラゴンのだと思われる巨大な核と、地に伏せる仲間達。
「あれ?生きてるんだ?」
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