教会に焦点を
──あれから私達三人は各々エルフ族の為に動いて、早一月ほどが経った。
始めは『騙された』といった気持ちもないわけではなく、少しの間警戒を解くことはできなったけど……
エルフ族は私達を丁重に扱ってくれた。
「ベリルさんの魔法上手です!けど、この本に書いてある理論を組み込めばもっと出力が……」
「わっ、わわ!こ、これ……見せてもらってもいいん、ですか……!」
「ハイ、あたしの勝ち~!いや~、手合わせの相手してくれて助かる~!」
「くぅ~、なんでシスターがこんなに素手で闘えるんだよぉ……」
「ルベリーさん。あなたはこの剣を扱えるようになるべきだ、よければ僕達が稽古つけることもできるよ」
「私でも使えるようになれるんですか!?」
なんて感じで、私達はダンジョン内のモンスター討伐を手伝いつつ
レベルアップの機会も与えてくれた!
生活するにしても、イイ感じに援助してくれたおかげで
冒険者生活を始めてから、今まで一番優雅な暮らしができていたかもしれない……!
無事、わだかまりも解けエルフ族と共存し始めることには成功したが
肝心のダンジョンボスの呪い(仮)については進展もなく……
このダンジョンから出る算段は全くついていないのである。
「そろそろさ、賭けに出てもいい頃だと思うんだよね」
今日もそろそろ寝よっか~、というタイミングでサフィが唐突に話し始めた。
「急にどしたの?エルフの子供達とギャンブルでもしてるの?」
「違う違う、そーじゃないよ~!ここにいるのも結構楽しいけどさぁ……そろそろ出ないとじゃない?」
「あ~、そろそろ本格的に調査するか、脱走しちゃうか……ってこと?」
「そゆこと~。だってさ、ベリりんのお母さんも心配じゃん?」
「……ぅ、うん」
「そうだよねぇ、ずっとここにいるわけにはいかないもんねぇ……」
正直脱走するのは気が引ける。
仲良くなれたわけだし、なんだかんだ身を隠すこともできたしで、エルフ族には恩がある。
けどこれに関しては、やっぱり三人の多数決で……
「じゃあどうやって忍び込む?」
「ワタシの魔法で、忍び込む……とか?」
あ、なんだ多数決取るまでもなく全会一致だったみたい。
「あ、最近またダンジョンに潜り込んだヒトいるらしいじゃん!そのヒトならきっと大丈夫じゃない?」
仮に教会に何か不穏な流れがあるとして……
まだそこに染まってないヒトならきっと相談しても大丈夫……なはず!




