大樹を下って
私達は木の内部を下っている。
何でもダンジョンボスに会わせてくれるとのこと。
「ルベち、さすがに緊張するね」
今私達が置かれている状況自体、予断を許さない状況ではある。
その上で超巨大ダンジョンのボスと対面することになってしまったのだ。
さすがのサフィでもノンビリ楽しんではいられないらしい。
「あまりピリピリしない方がいい。何かを企むなどしない限りは、彼女が害を与えることはないよ」
「ご忠告どうも」
……ちょっとぶっきらぼう過ぎたかも。自分で思ってるよりも、現状にストレスを感じているのかもしれない。
それにしても”彼女”か。
意思があって、高度な知能を持っているってことなのかな?本当に強そうなボスなんだろうなぁ。
「あの、聞いておきたいことがあるんですけど……このダンジョン内で死んだらどうするんですか?」
いい質問だよベリル!大事すぎる!
「あ~、それに関しては外の世界と全然変わんないよ~。教会で蘇生されるだけだけ~」
「この中にも教会があるんですね~」
ダンジョンの中にも教会がある。ほんのちょっぴりひと安心。
忘れそうになってたけど、私達は勇者筆頭に王都、そして多分教会からも追われている身。
もし万が一があったら当分蘇生できないことになってたけど、ここでできるなら願ってもないことかも!!
この点だけでもエルフと仲良くするべき利点になる、かなぁ。
「今度は僕からキミ達について質問してもいいかな?協力関係になるにあたって、キミ達の戦闘法を聞いておきたい。何を主体で戦うのか、武器は何を使っているのか……とかね」
う~ん、ごもっともだ。
私達はひとりずつ応える。
信心深くないからかな?蘇生のできないシスター、サフィ。
ベリルの魔法、という私達にとって数少ない誇れるモノ。
そして、攻撃面で点でなにもできないけれど、守ることだけはできる私。
凸凹三人娘でやってま~す。などと言っているとニーニョさんが聞いてきた。
「荷物の中に、とても大きな剣……布に包まれていたのがあったけれど、あれは誰も使っていないのかい?」
「あ~~、あれは……別のダンジョンで見つけたものでして、売り物にでもしようかな~、みたいなですね」
うん、違うことは言っていない。
本当に路銀に困った時には、そうして売るつもりもあるんだから。
「アブエロ様、お耳を……」
ニーニョさんがアブエロさんとこっそり話し始める。
彼らふたりの間で数回やり取りをしてから、私達にこう尋ねてきた。
「その剣、もし早く売り捌きたいのであれば、私達と取引するのはどうかな?」
……やっぱり、気づかれているのかもしれない。
あの聖剣が、特別な代物かもしれないということに……
次回、相互に探りを入れながら
どんどんダンジョンの下に降りていく一行。
そんな中、三人が拾った聖剣(仮)の真実が、わかりそうな直前で……!
「えっ、この先にボスがいるの……?」
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