一難去ってまた一難……
「あの……い、命だけは……」
──予想外のダンジョン規模、そして最初からモンスターに囲まれているというサプライズを受け、早々に撤退した私達三人。
だがしかし、自分達の荷物の下へ戻った瞬間、風を切るような音が足元から聞こえてくる。
これは矢だ。矢が地面に刺さっているではないか。
私達は誰かに狙われている。そしてこれは動くなという警告に違いない。
「だ、誰!?勇者め、わざわざ追ってきたっていうの!?」
サフィが声を震わせながら問いかける。
ベリルは杖を握りしめ、私は盾を構え直し、いざという時に備える。
遠くの木の裏からふたつの影が動き始めた。
あんな遠くから弓矢を正確に。これは、だいぶマズイことになったかも……
ダンジョンに目をくれず、ひたすら歩みを進めていればと今更後悔する。
ふたつの影が近づいてくると、ようやく違和感を覚える。
「……?待ってふたりとも。アレは……街から追ってきた人達じゃないかも」
ベリルが杖の構えを解く。
そ、そんな油断しちゃっていいわけ?なんて思いつつとりあえずベリルの言葉に従ってみることに。
するとどうやら相手方にも意思が伝わったようで……
「驚かせてすまない。少女達よ」
「何分、この湖に人間が近づいてくるなんて珍しくってね」
長身で、金色に輝くサラサラの髪、尖った耳とす青く澄んだ瞳の色。手に持っているのは弓矢。
そう、彼らこそが……
「も、もしかしてエルフ!?」
こんなタイミングでまさかのエルフと邂逅!半ばウワサ話程度にしか信じていなかったエルフを実際に目の当たりにし、驚きやら興奮やらでいっぱいいっぱいだ。
ただ私達に呼応してくれたのか、敵対する様子はなく、非常に穏やかな様子が見て取れる。
「それでは改めて、エル・ニーニョと」
「エル・ニーニャ。よろしくね」
こちらのお二方はどうやらエルフの兄妹らしく、キデンス公国と商いをしてきた帰りらしい。
私達が住んでいた王国は、エルフとの関わりはほとんどなかったけれど、お隣ではそこそこ交流が図られているらしい。
そして戻ってきたところ、私達の荷物がダンジョン前に放置されてあったのを見て、様子を伺っていた、とのこと。
私達の方も、一応勇者パーティや国から追われている、ということだけ避けつつ……
冒険家であること、ダンジョン入ってみたこと、すぐに引き返したことを伝えた。
なんて談笑している最中、私は思いついてしまった……
なんとかして、エルフの村の場所について聞き出せないかと!
あわよくば滞在させてもらえないかと!
次回、初めて見るエルフにちょっと興奮!
敵対する必要がなくなり、胸を撫でおろす三人。
ここで会ったも何かの縁として、エルフのふたりと親交を深めることに
「意外とアッサリ行けちゃった」
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