激しい戦闘の後で――①
静かな暗闇に意識がゆっくりと沈んでいく。
身体を包み込んでいる毛布に、カイトは程よい温もりを感じていた。疲れが溜まっていたのか、地べたでもひんやりしていて気持ちがいい。
(って、地べたで寝てるんだっけ?)
朧げな頭で、カイトは今を振り返る。
(たしか……ケレンを救出して……それでえーと、避難した市民たちとは離れたから……僕たちは――)
『ここらへんで、休憩を取ろうか』
『そうですね、もう夜も耽ってきましたし』
眠そうに馬に揺られるカイトに対して、ラムザははっきりと答えた。
確かに、そろそろ落ち着いてもいい頃合いだ。
シモーネからも、十分離れた。公道を馬で駆けって、あの燃え盛っていたシモーネも見えなくなった。森の中から、動物や虫の鳴き声がささやかに鳴り響き、先ほどの喧騒とは無縁だ。
『じゃぁ馬を隠して、森の中へと身を潜ませるよ』
『えっ、どうして森の中へ? この公道で寝ればいいじゃん?』
率直な疑問を、ケレンはカイトにぶつけた。
それに対して、カイトは素っ気なく答えた。
『さぁね』
『おいコラ、子供には優しくしろって言われたなかったの?』
『ユリアーネか……こっちは疲れてんの。後、なんでわざわざ来た』
『子供が取り残されいるって聞いてね。私だけじゃなくて、もっといるけど?』
『ん?』
カイトは重い瞼を何度も擦りながら、周囲を見回した。
五〇じゃない。一〇〇近くの隊員たちが、馬に跨って集まっていた。最初にシモーネへ乗り込んでのが
五〇だから、どんどん途中で増えていったのが分かる。
『……なんで?』
『最初の五〇が、一目散にシモーネへ行ったでしょ? で救出後、追手に追われていると思ったのが三〇ほど、それから逃げ出した後で物資が必要だなと思ったのが、三〇。後の三〇は何となく心配だなぁと思ったからかな。私もその一人だし』
『馬鹿。見捨てればいいのに』
『一番乗りした人が、その中でも一番バカだと思いまーすっ!』
『クソ眠いしダルい』
考えようとしたら、カイトの脳みそが拒否した。
物凄く愚かでバカらしい。
ヴァリバルト傭兵団の主戦力三〇〇、副戦力一〇〇。対して、ここにいるのは、一五〇ほど。およそ三分の一は馬鹿でどうしようもない。こんなんでやっていけるか。
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