これがヴァリバルト傭兵団の珍解答っ!——⑥
怪訝な顔をして、首を傾げるカイト。
何がいけなかったのかと、うーんと唸っていると。
「伝令、伝令っ!」
早馬に乗ったユリアーネが、雪崩のように駆けこんできた。
必死な表情が、事の重大さを示していた。いつもは、下のモノに伝令を任せるのに、だ。バタバタとカイトの下に駆け寄る。
「ずっと北のハリーネルツの街からっ! そこから、伝令鳩が飛んできたっ!」
ハリーネルツとは、ここから三〇キロほど離れた自治都市。
それほどに、ハリーネルツは遠い。そこからの救援要請。それも、ヴァリバルト傭兵団に、だ。早急な用があるに違いない。
「ケモノの軍勢が現れた。それも一〇〇体ほどの軍勢が、こっちに向かってきてるっ!」
皆はその数字に、驚愕した。あれが一〇〇も、と。あの一体でも、傭兵団を蹴散らしたヤツがだ。それがこっちに向かってきているのだ。
皆が慌てている中、ラムザの大声が響いた。
「緊急招集だ。広場に、皆を集めて」
「分かった、すぐ声かけてくるっ!」
そんなバタバタとして中、カイトは呑気にポツリと言った。
「店主、逃げ遅れちゃったね」
「おめぇらに、構ってるからだろうがっ! クソっ!」
「御馳走様」
「後で、傭兵団に請求しとくからな。それまでは死んでも死にきれねぇっ!」
「はいはい」
店の戸の引っ込み、恨み言のように引っ込んでいく店主。
おそらく、店主も逃げる準備をしているのだろう。
その後、高額の請求書が届いて、ユリアーネに怒られるはまた別の話。
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