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4-3.3人であれば入っても良い

■解説

 この話の前のタイミングで、リタ(マルグリット)さんとガティネ家の間で、

 正式に領地譲渡の協定を結んでいます。

 大雑把には、

 リタ(マルグリット)さん(ラスカリス家)が、

 ”今後永久にカステルヌの町の領有権を主張しない”かわりに、

 リタ(マルグリット)さんがカステルヌの町を利用することは可とするという内容です。


 今までも町を利用していましたが、これ以降は逃げ隠れせずに利用できるようになっています。


--------


”おぬしらと3人であれば入っても良い”


ようやく許可が出た。

魔女様は洗って差し上げようとすると嫌がるのに、何故か3人で入れば構わないと言う。

だが、3人で入れる風呂なんて貴族の家でもなかなか無い。

リタ(マルグリット)の家にも無かった。


なので、そもそも普通は売ってない。

……と思ったが、ちょうど良さそうな大きなたらいが町で売っていたので買って来た。

※たまたま置いてあったものです


一瞬で森に持って帰ることはできたが、男手が無いここで移動は少々困難だった。

そして、何より、この大きなたらいを満たす湯を用意するのは、猛烈な重労働だった。


「魔女様、水を運ぶ魔法は無いのですか?」


「そのようなものがあれば使ってる。

 わしの魔法はあまり役に立たぬものが多い」


まあ、確かに。生活で使っている魔法は少なそうだ。


……………………

……………………


「魔女様、準備ができましたよ」

3人は家の中で服を脱ぎ、ぞろぞろと風呂まで歩く。

リタ(マルグリット)はこういう光景は見たことが無かったので、妙に感じる。


「魔女様はどうして3人でなら入る気になったのですか?」


「わしはずっと一人で住んで居って、子供の時以来、女の体を見たことが無いのじゃ」

「ん?」

女の裸が見たいから??


「それに、わし一人だけ裸で体を洗われるのは好かぬ」


それはわかる気もする。

リタ(マルグリット)は慣れているが、慣れていない者は落ち着かないと聞いたことがある。

リタ(マルグリット)自身の気持ちとしては、裸で一緒に風呂に入るというのは慣れない。

でも、このほうが合理的だとは思う。


「こうして入って思ったのですが、一緒に入ってしまった方が楽ですね。

 お湯の準備は大変ですが」


服を着て他人の入浴の手伝いをすると、リタ(マルグリット)はだいたい服がびしょびしょに濡れる。

裸であれば、そんなことを気にする必要が無い。


※何人も同時に入れるような量の湯を用意するのは非常に大変なので、

 頻繁に入る貴族は、少ない湯の量で一人が入れるようなバスタブを持っています。


「おぬしらの乳は、わしの乳とそんなにかわらぬようじゃな」

「どうしたのですか?」

「わしは若い女の裸など見たことが無かったのじゃ」

「魔女様の体は、特に変わったところはありませんよ」


「少し乳が平たいような気がしておったが気のせいであったか」


元々個人差が大きい。

それに、リタ(マルグリット)も比べる機会も無いので、ぱっと見で普通だと思っただけだ。

比べれば、魔女様は多少小さ目ではあるが、”平たい”と表現するほど差は無いように思う。


「魔女様は胸も可愛らしいですよ」

「そうか? ならば良いのじゃ」

「?」


……………………


「では、魔女様のお体と髪を洗いますよ」

「およ?」

(およ?)


「おぬしらは良いのか?」

「わたしたちは頻繁に洗ってますから、まずは魔女様をきれいに洗っちゃいましょう」

「それでは、わしが洗われるのと変わらぬではないか」

「そうですか?」


「一人で洗えるわい」

そう言うので、少し静観していたが、やはり手が届かない部分はちゃんと洗えていない。


「首とか洗い残しがたくさんありますよ」

「およ?」

(およ?)


手が届きにくそうなところをリタ(マルグリット)が洗っていく。


「うむ。洗ってもらうのも良いものじゃの」

「わかってもらえましたか」


「次、頭お湯かけますよ」

「およ?」

(およ?)


少しずつお湯をかけて髪を濡らしたが、どうもおかしい。


「おかしいですね。髪がほぐれません。

 カリーヌ、どうしてかわかりますか?」


カリーヌも、変だなとは思った。

あちこちで髪同士が複雑に絡み合って、毛玉のようになっているようだ。


しばらく髪の手入れをしないと、絡んで取れなくなることがある。

それがあちこちで起きてしまっているようだ。


「髪が複雑に絡んでいるようです」


「どうすれば、ほぐれるのでしょう?」


これをほぐすのは、非常に難しい。

そもそも髪が多すぎる。


「散髪もした方が良いと思いますし、切ってから再度洗いましょうか」


「それでは、今日はこのまま洗って流しますね」

「わしはこれでかまわぬが」


「どっちにしろ、髪は切った方が良いと思います。髪が重くありませんか?」

「今ものすごく重いぞ。日頃から凄く邪魔だとは思って居った」

※髪の量が多いので、濡らすと凄い重さになるのです


……………………


魔女様を洗ってひと段落と思うと、やっぱり来た。


「お嬢様、()()()()()()()()()()()()()()


「しっかり洗ったばかりだから、今日は自分で軽く流すだけにしておくわ」


「お嬢様、()()()()()()()()()()()()()()


「今日は自分で軽く流すだけにしておくわ」


「お嬢様、()()()()()()()()()()()()()()


()()()()()が繰り返される中、遂に魔女様が突っ込みを入れる。


「おぬしら、何故同じことを繰り返しておるのだ?」


「なんと言いますか、防御的な意味で」

「わしには難しいことはわからぬ」


どこに難しい要素があるのだろうか?

今の状況を見れば一目瞭然だと思うのだが。


()()()()()()()()()()()()()()()()


「はい。今日はあまり乗り気では無いのです」


そう言ったのだが、カリーヌには思い切り無視される。


「お嬢様、お体を……」


「あの、自分で洗えるところは洗っていただかなくても……」

普通に抵抗する。


「心配しなくても、きれいに洗って差し上げますから」


いや、心配しているのは、過剰に洗いたがるところなのにと思う。


カリーヌは、魔女様の体を洗っているときには、あんまり真面目にやって無かったのに、リタ(マルグリット)の体は洗いたがる。やっぱり変態なのだと思う。

※カリーヌさんは変態と言って差し支えないと思います。


仕方なく、譲歩はしたが、なんだか気まずい。

特に今日はカリーヌも裸だし、ますます気まずい。

魔女様にも見られてるし、凄く気まずい!!!!


「のう。わしも洗ってみたいのじゃが」


魔女様の助けが入った。


「では、魔女様はカリーヌの体を」

自分はさっさと終わらせてカリーヌに……と思ったのだが、


「わしはリタ(マルグリット)の体を洗ってみたいのじゃ……」


何故!!!


「ありがたいのですが……」


「わしを変態と罵ってもらっても構わぬ。わしは洗ってみたいのじゃ」


カリーヌのいやらしい手つきを見て、魔女様まで……

魔女様は思ったより変態なのかもしれない。


拒否されると思うが、言ってみる。

「それでは魔女様、背中をお願いしてもよろしいでしょうか」

「まかせるが良い」


あれ? 背中で良いの?

魔女様は乳に凄く執着があるので、てっきり乳を触りたいのだと思った。


「どうじゃ、どのくらい擦れば良いのじゃ?」

「もうちょっと強い方が良いです」


魔女様は変態では無かった。

ただ、魔女様はカリーヌの体は洗わなかった。


……………………


「では次は、カリーヌの体を洗って差し上げますね」

「はい。そう言っていただけるのであれば」

「いつもじっくり洗っていただいていますので、

 今日は特別にじっくり洗って差し上げますね」


これで、じっくり洗われる気まずさが少しでも伝われば……と思ったが、リタ(マルグリット)はさっきの仕返しにとカリーヌの体をわざとじっくり洗ったのに、カリーヌは喜んでる感じで、なんだか損した気持ちになった。

”これじゃ、私が変態みたいだ”と思い、げんなりした。


でも、魔女様がカリーヌの体を洗いたがらず、リタ(マルグリット)の体を洗いたがった理由はわかった気がした。

洗われて喜ぶ変態を洗うのは、なんかちょっと損した気持ちになる。


私は心が狭いのだろうか?


……………………

……………………


その後も、魔女様の洗髪のために、何度も3人で風呂に入った。

大きなたらいで風呂に入るのは相変わらずの重労働だが。


※この頃にはパイプで川の水を引くように改良しています。

 初期の半分も手間がかからないくらいまで改善しています。


何度も町に通い、ハサミやらブラシの通りが良い洗髪剤を買って、ようやく、まともに魔女様の洗髪ができた。

髪が絡まっていて、洗ってもゴワゴワが取れなかったのだ。

だいぶ切って、洗髪剤で何度も洗って、ようやくブラシが通るようになった。


手入れせずに伸ばし放題にすると、こうなってしまうのだろう。

魔女様は特に、髪が多い。


ザクザク切られた毛を、うまく切り揃えて、なんとか形を繕った。

その甲斐あって、奇跡の変化を遂げた。


どこぞのお嬢様という感じだ。


「凄く良い! 思った通りです。

 魔女様、とってもかわいらしいです」


磨いてピカピカにした鏡を見せる。

「どうですか?」


「こ、これがわしか!

 わし、可愛いのう? 惚れそうじゃの……」


と一瞬テンションが上がったのに、急にテンションが下がる。

「うむ」


「何かご不満な点でも?」


「よく考えたら、わしはわしには抱きつけぬ!!

 わしはよくわかった。

 わしがかわいくても、わしには得が無い!」


「ええ? そういう結論になるんですか??」


リタ(マルグリット)はちょっと驚いた。


でも、魔女様が可愛いとリタ(マルグリット)は嬉しい。


「魔女様が可愛いと私が嬉しいです!」

カリーヌも便乗する。

「私も嬉しいです!(塩)」


「およ?」

(およ?)


「リタ(マルグリット)はわしがかわいいと喜んでくれるのか?」

「はい。もちろん」


「およ?」

(およ?)


「そんな……わしは、わしは、わしは、喜んでもらえるのならわしも嬉しいのじゃ」


「はい。だから、魔女様が可愛いとみんなが幸せなんですよ」


「そうか。わしが誰かを幸せにすることができるのか?」


「はい。魔女様は自覚が無いようですが。

 人を幸せにすることができるのですよ」


「わしが誰かを幸せに……」


魔女様は、どういうわけか自分は悪い魔女で人を幸せにすることはできないと思い込んでいる。

そして、誰よりも、人を幸せにしたい、誰かの役に立ちたいと思っている。

たぶん、長年隠れ住んできたという生い立ちに原因があるのだとは思う。


リタ(マルグリット)は、ちゃんと魔女様が人を幸せにできるということを知って欲しいと思う。

魔女様は、リタ(マルグリット)の言葉を聞いて喜んだ……とは思うが、妙なことを言いだす。


「わしは……腰がヨレて風呂から上がれぬ」


「なんでですか!」


()()()()()()()()、なんとかしてくれ」


何故か急に、()()()()と騒ぎだす。

急に血の巡りが良くなってしまったのだろうか。


「では、私に掴まってください」


「うひー! 乳が触れる、だめじゃ、だめじゃ、腰がヨレる」

「魔女様暴れないで!!

 あと漏らさないでください、お湯用意するの大変なんです」


※このあと2人共、風呂の外に倒れて泥だらけになりました


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