表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/72

第54話 口裂け女!

「っていうか、今でも新しく妖怪が出来ているんだ」

 しかし、鈴音は学校の怪談ブームによって、新しい妖怪が出来たというのに驚いてしまう。

「それはそうだ。最近は都市伝説と言われるものも、多くは妖怪に分類されるからな。口裂け女がいい例だ」

「ああ。日本中で流行ったっていう。赤いコートを着てるんだっけ。で、マスクをしてるのよね。で、『私、綺麗?』って問い掛けるっていう」

「ええ、その通りですわ」

「!?」

 健星ともユキとも違う女性の声に、鈴音はびくんと背中を震わせる。そして、健星と、健星のスーツの裾を摘まんでいた。

 ふ、振り向きたくない。確実にいるじゃん、口裂け女が!

「口にするから呼び寄せることになるんだ。まあいい、口裂け女、ここであった事件の犯人を知っているか?」

健星はあっさり振り向き、あろうことかそんなことを問い掛けている。鈴音はびっくりし、そして覚悟を決めて振り返った。赤いコートを着た、髪の長い女性がいる。口元にはしっかりマスクをしていた。

「ごきげんよう。お姫様」

 そんな鈴音に向けて、口裂け女が目元を微笑ませて挨拶をしてくる。

「ご、ごきげんよう」

 そんな挨拶、人生で初めてしたなと思いつつも、鈴音は頑張って笑顔で返した。すると、口裂け女が両手を胸の前で組み

「可愛いわ。立候補した時からずっと影から見てたけど、可愛いわ!」

 とテンションを上げてくる。ええっと、影から見てたって、まさかのストーカー第二弾。ユキに続いてこの人もなのか。

「おい。時期王女にテンションを上げている場合じゃない。その姫君がお困りなんだ。犯人を知らないか?」

 健星はやれやれと溜め息を吐きつつ、ちゃっかり口裂け女の慕う心を利用しようとする。本当に策士だ。

「あ、そうだったわね。知ってるわよ。この学校に通う不良君に取り憑いた陰摩羅鬼(おんもらき)の仕業よ。まあ、学校において神聖な場所は職員室ってことだったのね。ともかく、お姫様を困らせたかったみたい」

 口裂け女はそうそうと軽く答えてくれる。あっさり答えが解ったわけだが、まさかのかまいたちでもなく、学校の怪談でもない妖怪。

「おんもらきって何?」

 でもって、鈴音の知らない妖怪だった。まったく、この狭い日本にどれだけの妖怪がいるのやら。そう考えると、トラブルが続出するのも仕方がないのかも。

「陰摩羅鬼は人間の死体から漏れる気が固まって出来た妖怪だと言われている。本来は供養が足りないとそういう気が発生すると言われていて、生臭(なまぐさ)坊主のところに出るのが一般的だ。もしくは不信心な者が仏殿に近づくと出ると言われている。要するに、仏教を大事にしないと出る妖怪ってことだ。まあ、今回は勉強に不真面目な奴のところに出て取り憑き、勉強を教える者の場所を荒らしたということらしい」

 これは予想外だったと健星も溜め息を吐く。まったく、反対勢力も目に見えて反対していない連中は把握しづらくて困る。

「何だか大変そうですわね」

「大変だよ。口裂け女、お前は姫君応援派だろ。手伝ってくれ」

 こうして口裂け女が仲間に加わることになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ