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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

吸血百合

作者: はる

「今日は何するの?フォトナ?マリカ?あつ森?」


「え...どうしようかな...あつ森がいいかも...」


「おっけ」


お友達の家にお邪魔して2人でゲームをして遊ぶ事になりました。今日は気分であつ森です。私はSwitchを持っていないのですが、友達のアリナちゃんが親切にも貸してくれるのでとても有難いです...


「アリナちゃん!この魚の影ヒレついてる!レアじゃない!?」


「それサメじゃん!まって釣竿持ってる?」


「もってない...」


「あー、1回そっちいくわ」


アリナちゃんはとてもゲームが上手なので、私が下手でも色々教えてフォローしてくれます。


「陽葵、隣いいかな」


「うん、いいよ」


アリナちゃんが私の後ろに回り込んでコントローラーを私の手ごと握りました。


「サメ釣る時は「ひゃっ..!!!!」


「あっ、ごめん...近いよね...」


アリナちゃんが耳元で囁いたのでびっくりしてつい変な声が出てしまいました。恥ずかしい...何か言わなきゃ...えっと...


「ううん、大丈夫、少しびっくりしただけだから...そのままでいいよ」


「...おっけい...........あのさ陽葵、」


「どうしたの?」


「血、吸わせてくれないかな...」


「.........え?.........え?」


あまりに突然の事で頭が追いつきません。今、アリナちゃんは血を吸わせてと言ったのかな...え?つまりどういう...冗談で言ってる顔...でもないし...


「私、少し前吸血鬼になっちゃってさ...何でかは聞かないで欲しいんだけど、その...今陽葵の首とか肩とか見えて、その...吸いたくなっちゃった...」


「......ほんと?」


「ほんと」


どうやらアリナちゃんは嘘を付いている訳では無いらしい、ということはわかりました。アリナちゃんは私の目に真剣に応えています。目......そういえばアリナちゃんの目がさっきからほのかに紅く光っています。呼吸も少し荒くなっているみたい...事態は思ったより差し迫っているのでは..!?!?


「いいよ...吸っていいよ...」


「待っ ...陽葵!?流石にそれは適応力高すぎじゃない!?」


「だってアリナちゃん、今すごく苦しそうだもん...」


「な...バレてたのか...」


「それで、血ってどうやって吸うの?」


「首の根元とか肩とかにかぶりついて吸う」


「いかにもって感じなのね...」


「いかにもやで」


「じゃあほら、早く吸ってよ」


私はブラウスのボタンを外して肩が見えるようにしました。


「ま、まって、私の方の心の準備が...」


「どうしたの?はやく吸わなきゃ...アリナちゃん苦しそうだよ...」


「いや!えっと!あの、ね!すごく言いにくいんだけど、吸われるとその、かなり気持ち良くなってしまう...みたいで...」


「痛くないだけいいと思う...」


「そういう問題!?陽葵の適応力がさっきからすごいな...」


「ほらはやく、おいで..??」


「...はっ...」


私が笑って両手を広げておいで~と誘うと、アリナちゃんは唾を飲んで目を開いて何だかもう耐えられない、そんな表情になりました。私は素直に綺麗だなと思いました。アリナちゃんは綺麗な顔にブロンドの髪をしていてそのままでも可愛いのに、紅く目が染まって苦しそうに過呼吸になって取り乱している姿は、さっきからとてもすごくすごく可愛いと思っていました。アリナちゃんからなら何をされても許せてしまう、そんな気がします。すると次の瞬間、アリナちゃんが私に飛びかかりました。


「ごめんっ!!陽葵!!無理..!!噛むね...!!!!」


「いいよ...大丈夫だから...」


ベッドのサイドを背もたれにアリナちゃんを抱き締めてきゅっと目を瞑ります。柔らかくて暖かくて、いい匂いがすると思った時には、私の首元にアリナちゃんの牙が入り込んでいました。


「意外と痛くない......」


きっと牙に麻酔みたいなものが入っているんだろうなと勝手に推測しました。それからしばらくはアリナちゃんが血を飲み込む喉の音だけが部屋の静寂を満たしました。

そして違和感はゆっくりと、確実に私の中で大きくなっていきました。違和感、つまり身体が少しずつ痺れて暑くなって、痙攣してしまうのです。初めての感覚で怖くなって、アリナちゃんを抱き締めて安心しようとしました。けれど、お腹の奥の方でドクンと暖かいものが拡がっていく感覚がしてもう限界でした。


「アリナちゃ...ん..!!、ぁ...はな、して...!!!」


アリナちゃんは応えてくれません。ただこくこくと喉を鳴らして私の身体をぎゅっと掴んで離しません。その間にも痺れが身体を回って、ぞくぞくが止まらなくて、アリナちゃんが身体を捩らせたりぎゅっと抱きついてきた衝撃で我慢できず大きく痙攣して身体を跳ねさせてしまいました。


「あ゛っっ...っ、...♡♡」


視界が明滅したのを最後に私はただ小さくよく分からない声を出して痙攣を続ける事しか出来なくなりました...


___________________


「........ぷは......ぁ......んあ!?!?陽葵!?!?!?ごめん!!!大丈夫!?!?しっかりして!?!?」


「ッ......ぁ...♡」


「だめだ...完全に向こうに逝っちゃってる...ごめんね陽葵......私夢中で血を吸い続けちゃったみたい......」


(下...凄い濡れてぬめぬめしてる...着替えさせなきゃ...ていうか私も着替えなきゃ...え!?もう18時..!?どうしよう...丁度明日学校お休みだし泊めて行くしかないよね...)



____後日談、私は目が覚めるともう朝で、アリナちゃんと布団を揃えて眠っていたみたいです。アリナちゃんは申し訳なさそうにまたゲームをして遊ぼうと帰してくれましたが、正直昨日何があったのか憶えていません。ただ何かがあった事はアリナちゃんの表情を見ればすぐにわかるので、またお家に遊びに行って確かめる必要があると思いました。





























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