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異世界転生が闇すぎたんですが ?(キレ気味)  作者: 鹿里マリョウ
プロローグ 強制転生 TO THE FIRST DAY
9/23

009 転生初日、完!!(え、まだ初日だったの?)

なかなか面白いの書けなくて遅くなっちまいました。申し訳ねえです。


それはさておいて、なんと評価を頂けました!しかもお2人も!さらにどちらも10点で!

心から、感謝を。













 みるみる内に崩落した水の天井が迫る。

 ・・・・・・死んじゃうやつじゃん。


 荒ぶる水流は、獲物を食い散らす龍を思わせる。

 怖いでござる。

 てか死ぬでござる。


 清水蒼流、最期の一句。

 ちょっ水が

    やばいやばちょま

          まじやばあっ、


    あばばっばっばばばばっばばばっばばっば(恐怖による字余り)



 頭上数十センチまで切迫する大流・・・・・・よし、諦めちゃおう。


 否定するのではなく受け入れる。これがお友達を作る基本の姿勢だ。


 自ら水に飛び込まんばかりの勢いで両手を掲げる。


 そして、水が割れた。


 水が、割れた。


 そのまま俺の体を呑み込むはずだった大水は、真っ二つに両断され見事な断面を晒していた。


 白銀の天使が舞い降りる。


「し、シルヴィア!!?」


 目の前に音もなくふわりと降り立つと、透き通った双眸をぱちくりさせ、首を傾げた。

 シルヴィアたんマジモーセ。


 安堵も束の間、左右に断裂された大流が、息を荒らげて再び咆哮をあげる。


「蒼流──掴まって・・・・・・」


 どうやら彼女は跳躍でこの場を脱する気らしい。そしてそれを可能にする強靭な脚力を俺は知っている。まあ要するに彼女に従うのが吉ということだ。


「失礼します」


 シルヴィアの背中に手足を回してしがみつく。なんだかコアラの気分だ。というかまんまコアラの体勢である。

 ・・・・・・蒼流君は格好よりも安全性を取るのです。そして体がやわっこいですね。


「・・・・・・蒼流、この体勢」

「あ、やっぱダメだった?」


 さすがに女の子にしがみつくのはアウトでした。普通に考えてアウトだよね、男として。

 シルヴィアに巻き付けた腕の力を緩める。

 しかし、それを遮ったのは他でもないシルヴィアさんだった。


「ううん、だめじゃない・・・・・・寧ろ──ウェルカム」


 大丈夫だった。嘘だろお前。

 俺が力を弱めた分、今度はシルヴィアも俺の背中を腕で挟み込む。

 離さないという意思が多分に汲み取れる力強いハグ。正直かなり痛いんですがこれ。軋んでるよ。肋がオーケストラ奏でちゃうね。


 ららららぁ〜ららぁ〜ららぅあ(錯乱)!!


 心做()しかその華奢な体(レベルMAX)がむにむに押し付けられているように思う。

 だめじゃない。・・・・・・寧ろウェルカム!

 シルヴィアたんの気持ちが分かったぜ。これはもう二人でプリ〇ュアですわってかもう水が目と鼻の先まで来てたんだけど何やってんの俺ら馬鹿すぎる。

 ふぇぇ、怖いよぉ。


 怖すぎて幼女がオーケストラ奏でちゃうね。


 ふぇふぇふぇふぇ〜ふぇふぁうふぇふぇぅあ!!


 左右に迫る流水は既に地面に衝突しており、荒々しく(ひるがえ)っている。

 数秒後には呑み込まれるであろうシルヴィアたん(コアラ付き)は、それでも異常な程冷静に、足元に転がる聖剣エクスカリバーを腰を屈めて拾う。


 こら!道端に落ちているものを拾うんじゃありません!


 シルヴィアに寄生したまま注意を口にしようとしたその時、

 シルヴィアは飛んだ。


「あばばばばばばばば」


 叩きつけられる風圧。

 頬の皮がものすんごい勢いで後ろへ引っ張られる。


 一秒後、怒れる荒波も置き去りにして、シルヴィアロケットは泉から空へと躍り出た。

 軽やかに一回転して着地。ちなみにこの一回転に意味は無い。ただちょっと酔うだけだ。


「ほっほっほっ、どうやら無事成功したらしいですな。飛び込んだ時はどうなることかと頭を痛めましたが、杞憂ですんで何より何より」


 身体ムキムキ顔シワシワな老人。体格アンバランスおじいちゃんことソイ・ソウレスは、陽気に笑いながら手を叩く。


「それにしても、その体制・・・・・・子作りですかな?」


 どうしたこのハゲ。

 抱き合う二人に何を勘違いしたのか、顎から垂れる髭を撫でながら微笑ましげに眺めてくる。

 成功だけじゃなく、性行しちゃいましたってか?・・・・・・へへ。


「・・・・・・子作り」

「反応すんなむっつりか?さてはむっつりなのか貴様?だとしたらちょっと興奮するからちゃんと言ってね」


 ホウレンソウは大切だ。お兄さんとじっくり相談しようかニチャァ。


 流石に手足の限界を感じてシルヴィアから降りる。

 しかし何故かシルヴィアの方は巻き付けた腕を解除する気はないようだ。


「かなり遅くなってしまいましたが、聖剣も手に入ったことですし王城へ帰りましょうか」


 見上げれば底抜けの美しい黒に煌く星粒が蒔かれ、満月もちょうどてっぺんに昇っている。

 儀式開始から数時間は過ぎていたらしい。

 意識すると途端に感じる疲労に息を吐き、俺の胸に顔を埋めるシルヴィアを離す。

 え?何?シルヴィアさん全然離れないんだけど。

 軽い格闘の末なんとか勝利を収め、ソウレスに続いて歩き出す。


 舗装された道を進む。行きし迷った理由は本当に謎だ。

 なんかシルヴィアさんにおててにぎにぎされるが、俺も手持ち無沙汰なためにぎにぎし返す。

 ひんやりとした感触が心地いい。


 吸い込まれそうな夜空の下、今日一日を振り返る。

 ・・・・・・信じられるか?今日ってまだ転生初日なんだぜ?














信じられねえよ・・・・・・。



小説家になろう勝手にランキングなるものを知った。なんか1日1回クリックするだけでいいことがあるらしい。怪しいですね。

下のタブをクリックすれば勝手に投票されるらしいので、よければお願いします!


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