017 ボクっ娘猫耳ロリとか·····好き
最近ヤンデレ短編を書き上げようと頑張ってる侍
ここは王城内にある訓練所。
いつもは国の兵士たちのみが使用しているが今日は違う。
中央に陣取る集団。
勇者こと俺、清水蒼流。
王女ヤミリー・ヴィール・コンスタンティン。
二人の前に並ぶ四人の男女。その中には神託者、シルヴィア・アン・ローズリーの姿もある。
「この者達が特別狂化対策部隊に選ばれたメンバーですわ蒼流様」
「シルヴィアもうんちゃらかんちゃら部隊なのか」
「うん·····よろしく、ね?」
·····にしても、各国の精鋭とか言ってた割には、
「平均年齢低くね?」
一人覗いて全員俺と同じくらいの年齢に見える。
「世界中に名を轟かせた猛者達ともなれば、容易に動けぬ立場にあることが多いですから」
だからまだ重要な職に着いておらず、国から出ても支障をきたさない彼女らを選んだということだ。
そしてもう一つ、将来有望な若手に経験を積ませる意味もある。
「じゃあ私から自己紹介させてもらうわね」
最初に声を上げたのは黄色の髪をツインテールに纏めたツリ目気味の女。気の強そうな雰囲気だ。
「ムストフから来たリリエル・ソティ・ムニエルよ。貴方の話は聞いてるわ、宜しくね清水蒼流。武器は弓、使える魔法は火・雷よ。」
背中に弓を背負ったリリエルが胸を張る。
視線を外してヤミリーを見る。再度リリエルに視線を戻す。
·····張る胸も、なかったな。
「今とんでもなく失礼なこと考えてるでしょ」
流石ハンターと言った観察眼で睨みつけてくる。こわい。
リリエルの隣でシルヴィアが自分の胸をまさぐっていた。
密かなコンプレックスっぽい。でも僕はスレンダーな女性もちゅき。いっぱいちゅき。いや、ちっぱいちゅき。
「次はオレダナ。俺の名前はキース・カルマリオン、ザクスザガン出身ダ。主に情報分析が仕事だから戦闘力は毛ほどもナイ。これから宜しくナ」
特徴的な喋り方の緑髪男。艶のある髪はなんかチャラい。
はい次。
「なんか対応冷たくネ?」
男は黙っていて欲しいね。だって男だぜ?男にここにいる意味なんてあると思うか?俺帰ろうかな。
「最後はボクだね」
さて、この子だ。
この中で唯一年が離れているだろう子。
·····ちっこい。
俺の腰程に位置する頭のてっぺんで、一本のアホ毛がフヨフヨ踊っていた。明らかに子供サイズのローブを纏っているものの、それでも彼女が着るにはブカブカで、袖などは辛うじて指先が見える程度。
深い深い青色の長髪はところどころ元気に跳ね、エメラルドグリーンの大きな瞳は見た目に反した聡明さを宿している。
皆の者、ロリだッ!!
もう一度言おう·····ロリだぁあああああッッッッッ!!!!!
これはもう脳内でおじさん達が大歓喜。不屈のジョニーも大歓喜。そのまま刑務所へゴートゥープリズンからのブレイク。
『静まれ!!』
しかし狂喜乱舞大感謝祭を繰り広げる脳内会議達は、議長の一喝によって押し黙った。
『彼女の真骨頂はそこじゃない!』
な、なにぃ!?
『見ろ!』
見る!
ロリっ子へと目を向ける。全身が雷に貫かれた。
彼女の頭には、
可愛らしい猫耳が生えているではないか。
お尻には、可愛らしい猫の尻尾が着いているではないか。
『うぉおおおおおおおお!!ケモっ娘だぁああああああああ!!!!!!!』
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
いや拙者ケモロリは·····。
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
満場一致の歓声。脳内会議は次なる行動を打ち出した。
さわさわペロペロする?
否である。イエスロリータノータッチ条約。絶対の決まりに基づき、あくまで紳士的に接するのだ。
目の前のケモっ娘が安心してくれるような穏やかな笑顔で語りかける。
「ハァハァ、お嬢ちゃん、オジサンと遊ぼうか」
穏やかな笑顔 (ねっとり) 。
「ちょ、ちょっと目が怖いよ!?」
猫ロリが恐怖を浮かべて後ずさる。
「大丈夫大丈夫。お嬢ちゃん名前は?」
「ボク?ボクは、サミだけど·····」
『ぼ、ボクっ娘だとぉおおおおお!!!?』
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
拙者ボクっ娘大好きでござる!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
うぉおおおおおおおお!!!!!!
なんと言う破壊力だ。脳内会議が全員尊死してしまった。
「急に膝を着いてどうしたんだい!?」
崩れ落ちた俺にも心配を向けてくれる。不審者にまで優しく接する、いい子や。
突然の出来事ででオロオロと対処しあぐねているサミ。
俺の前で、猫耳が動揺を表すかのようにバタついている。
だから、無垢な幼女にこんなことする俺は、間違いなく犯罪者なのだろう。
「えい」
忙しなく動く猫耳を、片手で優しく包んだ。
この日俺は、イエスロリータノータッチ条約を超えた。
「ひゃあっ!」
なんとも可愛らしい声を出すものだ。
「ここか?ここがええんか?」
「ひゃうっ·····んっ、ぁあっ!·····そこ、きもちっ·····」
予想以上の反応にもう片方の手も動員した。
毛の表面を優しく撫で、内側を軽く掻き、奥を擽ったり解したり。
「あぅんん!!そこぉ、そこ、だめぇ·····やっ、しょんなっ!····あ·····んきゅぅうううううううう!!!!」
「おーしゃしゃしゃしゃしゃ」
何故猫を愛でるのはこんなにも楽しいのか。
足の力が入らず俺の服にしがみついて体制をなんとか保つサミ、荒い息で完全に体を預けてくる。
ぐへへ、次は何処を撫で繰り回してやろうか·····。
突如、熱波が頬を撫でた。
顔を上げると、身体から炎を揺らめかせるヤミリー、そして突き出した手に明らかに何かのパワーを貯めているシルヴィアが、こちら、というかサミを物凄い眼光で睨みつけている。
リリエルとキース逃げてるんだが、俺も逃げていいかな。
「燃え尽きろ──」
「消えて──」
迸る炎。閃く白のレーザー光線。
大気が恐れをなしたように震えている。
「待って全然死ぬ」
と言っても彼女らのことだから蒼流には傷一つ付かないよう調整しているだろうが。
二つが俺たちに直撃する寸前、前方に分厚い土壁がせり上がった。
凄まじい轟音と衝撃。
カタカタと地面が慄く。
「ボクに魔法で勝つ気かい?」
灼熱の暴風に肌を焼かれ、放たれた光線が訓練所を眩く包む。まぶちい。
熱と光でろくに瞼が開けられない。どういう状況だろうこれ。
数秒、或いは数分か、土壁に身を隠して耐える。
·····ピタリと爆発音が止んだ。
恐る恐ると目を開くと、そこには悠然と佇む土の防壁。
「改めまして、ボクはサミ・二イム。魔法が得意かな。使える属性は火・水・木・風・地・光・闇の七属性だよ」
かなり遠くで、リリエルがはぁ!?、と驚愕の声を上げた。
「ねえそーりゅう、どうだい?ボクの方があんな奴らよりずっと役に立つだろう?」
土壁の向こうで、より一層の怒気が爆ぜた。
もしかしたら俺は、今日死んでしまうかもしれないぜ。