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欲しい商品あります!!!ジャーワネット♪ジャワネットー♪夢のジャワネットTAKANA〜♪

作者: 黒豆100%パン


「テレビでも見るか」


男そう呟きテレビをつける。すると画面に大きく「ジャワネットTAKANA」と言う赤でデザインされた文字が表示されていた。



ジャーワネット♪ジャワネットー♪夢のジャワネットTAKANA〜♪



どこかで聞いたことのあるようでない、軽快な音楽とともに画面に、エプロンを来た中年ぐらいの男と、その助手とおもわしき女性が現れた。



「みなさん!ジャワネットTAKANAのお時間です!!今日も良い商品を仕入れておりますよ!!」



甲高い声のその男はそういいながら白い布で覆われた机に、一本の包丁を取り出す。柄が木でできていて、どこにでもあるそうな包丁だ。それをテーブルに置きこう説明をし始めた。



「こちらは歯型と言う包丁!ただの包丁じゃないんです!!切れ味が段違いなんです!!」



「そうなんですね〜」



助手のやる気のなさそうな相槌の後、そのエプロンのは石を取り出した。少し大きめの、ゴツゴツしたものだ。叩いてみるとコンコンと言う音を立てその硬さを示す。



「従来の包丁じゃ絶対きれませんよね?」



「え?ま、まあ」



普通の包丁を使い叩いてみるが当然ながらびくとすらしない。だが紹介している歯型という包丁を使うと、あっという間に岩は真っ二つになってしまった。助手は岩を取り出した事とそれを真っ二つにした二重の意味で驚いた表情をした。



「例えば入口が岩で塞がれてしまった!!なんてことありますよね?そんなときこれで脱出できるのです!!」



「そんな場面ないと思いますけど...」



「そしてこの包丁、お値段もお得になっているのです!なんと!8万9600円!!」



デデーンという効果音とともに赤と黄色の吹き出しのようなテロップに値段が現れる。



「まあ!びっくり!そんなお安いんですか!!」



値段と共にわざとらしい女性は驚きを見せる。おそらく値段が出たらそうリアクションしろと言われてたのだろう。



「まだあるんです!一つ購入すると何と!もう一つついちゃうんです!!」



「それはお得ですね!」



女性はそう言った後に、とても小さい声で「岩を斬るなんてどこで使うか分かんないけど」と呟いた。だがそれは聞こえなかったようで、男性は「電話番号は〜」と続ける。電話番号のテロップが現れその上には、589(ゴー早く)のというように覚え方とおもわれるルビが振られている。



「覚え方はウンバボーババンボーボンババーボです!!」



「あの...何一つ数字と、あってないんですが」



「ウババンボーーババンボーボンバーボボですよ!」



「いや、さっきと違うじゃないですか。やっぱり数字と関係ないんじゃ...」



「次の商品はこれ!!パンの袋止めるやつ!!」



そんなセリフを無視して次に出てきたのは確かに、アルファベットのMのような形をしたどこにでもある普通のパンの袋を止めるやつだった。



「ちなみの正式名称はバッククロージャーっていうらしいですよ!」



「そ、そうなんですか...」



女性の方は通販でパンの袋止めるやつが出てきてることに驚きそれ以上の言葉は出なかった。



「そ、それで!これは従来のものとどこが違うんですか?」



「同じですよ?」



「えっ?」



少し会話が途切れ、しばらく沈黙になり、下に値段と電話番号が出てきた。なんの変哲も無い、バッククロージャーを売るとはどうかしている。女性はそう思っていたが何も言わなかった。



「さて!次の商品はこちら!!放水シャワーノズル!!」



「よかった、やっとまともなものが出てきた...」



「こちら!切り替える事でいろんなものが出てくるんですよ!」



そういいシャワーノズルの頭を回転させる。カチッという音と共に出ていたものはシャワーから、レーザーに変わっていた。



「レーザーに切り替わり何でも切れるんです!!」



「レーザー...?」



シャワーノズルから出てきた白いレーザーにリンゴや煉瓦を通すと、それらはあっという間に真っ二つになってしまう。



「これで花やり中でも安心です」



「何が安心なのでしょうか...?」



「今なら一つ買おうとなんと!!」



そういい机の下から取り出したのは一番最初に紹介した包丁だった。



「この包丁をプレゼント!」



「いや1つ目の商品はダメでしょ!!」




「お値段はなんと!!12000円!」



そんな言葉を無視して再び値段と電話番号が画面に表示される。

女性ははあ、とだけため息をつき、考えるのをやめた。



「お電話お待ちしていまーす!!!」



「続いてはこれ!!超粉砕破壊装置!!」



そういい出てきたのはSFで出てきそうな銃のようなものだった。黒いボディに緑の線がデザインされたもの。



「え?いまなんと?」



「超粉砕破壊装置です!!これを打つと対象者はチリになって消えます」



「え?」



「お値段は1兆円です!!」



「え?」



すぐにテロップで値段と電話番号が表示される...のだが電話番号のところにあったのは、先ほどの数字ではなくウババンボーーババンボーボンバーボボという文字。



「いやこれじゃ番号わからないんですが」



「うるせえ」



小さなな声で男はそう呟いた。そして笑顔で次なるの商品の紹介を始めた。



「最後の商品となってしまいました!最後はこれ!!ダイホンのなんでも吸い込む掃除機!!」



「これもまた、なにかあるんでしょう?」



半分呆れ気味で女性はそう問いかける。すると男はにっこりと笑って「もちろんですとも!!」と大きく言った。



「なんと!自爆スイッチが入っているんです!!」


そう言いながら掃除機についている赤いボタンを押した。



「爆発オチなんてサイテー!!」



大きな爆音と共に画面は暗転し、少しして「しばらくお待ちください」という文字と花畑の映像が映し出された。この番組を見ていた男は



「何だこれ」



とだけ呟いた。


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