第7話 水草の草原!
無事入部を済ませ…勢いで入部してしまった…。
が!アリスちゃん改め、金髪美少女の花梨先輩の部に悪い部はない!と確信し、水槽楽部入部決定である。
何か言いたげな日花梨先輩を気にしないでおこう…。
吹奏楽部改め、水槽楽部員となったので、今日からお世話になる部室へと入っていった。
昨日も驚いたが、入って正面にある大水槽の草原水槽が目に付く。
「花梨先輩がこの水槽を作ったのですか?」
「…この部室の水槽は部員全員で育てているの」
「ここの部員、みんな自分の育てたいのは自分の家でやってるかな」
「なるほど…じゃあ、このパソコンの壁紙みたいな草原は…」
「!?…確かに…X○の壁紙みたいではある…けど」
「この水槽はね、ヘアーグラスという水草を使った水景で、岩組レイアウトって言ってね、幅240㎝、奥行き60㎝、高さ60㎝で、約860リットルの大容量の水槽を利用したネイチャーアクアリウムっていうの」
「幅もとても広いけど、奥行きが60㎝あることによる遠近法を利用したレイアウト感がこの広大な草原をイメージするには必要なんだ!」
「ただ大きい水槽を用意したらできる…ってわけではなくて、ライティングにも拘っているの!」
「このライトはメタハラと言って…ああ!メタハラってね「メタルハライドランプ」って言ってね、より太陽光に近い感じを出すためにこのライトを使っているの。この水景なら蛍光灯の方がよく育つんだけど、点光源のメタハラを使ってるんだ。」
「メタハラを使うと魚の陰影が出て、より魚の発色や形が…」
「あああ!先輩!ちょっ、ちょっと!待ってください!何を言ってるのか判りません(汗)」
…花梨先輩は水草?の水槽の事となると暴走することだけはわかった。
やはり地雷しかなかったことも再確認出来た。水槽の事にさえ触れなければ、無口の金髪美少女である事もわかった。
「…この部に入部したって事は、この水槽のメンテナンスは七海もすることになる…」
いきなり落ち着いて語り出した。
「は、はあ…こんなにキレイな水槽のメンテって必要なのです?」
疑問にも思った事は多々あるけど、お魚を飼育した事は大抵の人は経験しているだろう。
…そう、「夜店で貰った金魚の悲劇」とあえて語ってみようかと。
子供の頃(今でも正確には子供ではあるがここでは小学生低学年位の事を指す)とあえて語ってみるが、夜店の金魚すくいで手に入れて喜んで家で飼育するパターンである。しかし、その結末は大抵、金魚を飼育を始めるが緑色の水槽になり、放置し、最終的にその金魚は天に召されるパターンが多々多い飼育経験である。
と言っても、メンテナンス自体週1回程していたら、その金魚は多分数年以上元気で生き伸びて玄関の靴箱の上とかで長生きするパターンも多い。大抵、そのパターンは親が世話をしている事が多が…。
「…まあ、金魚の水槽も突き詰めればはっきり言って、この水草水槽より高度な技術が必要だけどね…。」
!?ってやっぱり私の心読まれてる!?
「…別に水槽のメンテって言えば、みんな家で飼ってた金魚の事思いだすから…読心術なんて使わなくても大体顔色読めば気づく…。」
…心読まれてる!?ってのを読まれた!?
「花梨先輩は…人の心を読む…事できたりします?」
「…。職業病みたいなものよ…一応、探偵やってるから。」
花梨先輩の表情が曇った気がしたので、それ以上は聴いてはいけない気がした。普通の女子ではない事だけは何か感じ取れるが、その領域には入る資格がないっと感じがしたが正しい。重い雰囲気になりそうな時に…。日花梨先輩が…
「花梨ちゃん!水槽の話で盛り上がるのはとーーーっても楽しいけどけど!チ○ーム便の荷物片付け始めるよー!」
「…七海、荷物をバックヤードに運ぶの手伝って…」
花梨先輩が私の事を可憐に呼んでくれた…!
「は、はい!ってこのダンボールの山全部ですか!?」
「そうよ…まあ、箱の大きさだけで、中身なんて殆ど軽い物ばかりだから。」
「そうそう!ほぼ梱包材だらけだからから!楽勝楽勝!…だ・け・ど!」
「箱はぶっ壊さないで、ちゃーんと畳んで保存してね〜!この箱はリサイクルするん!」
っと日花梨先輩がノリノリで支持してきた。
「バックヤードって言っても、2階だけどねー!後ろじゃない(キリッ)」
…春なのに今日の部室はとても寒かった。