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アクリル 東女子高水槽楽部  作者: 川崎タイチ
夏休み 新潟聖地巡礼編
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第06話 可憐な彼女が暴走行為!?柊 シズク


 ごまさんスカイタワーに到着した『管楽器専門に屋外での演奏を専門に行う吹奏楽部』全員がキョトンとしていた。


 龍神スカイラインをホームとする『楽部員』全員が一瞬でぶち抜かれたからだ。

 ――あえて言うが、この物語は『アクアリウムを愛する者達』のストーリーだ。

 ――ただ、コーヒーを飲みに42km程先にある自販機に来たのだ。


「あ、あ、あ、あんた誰だ!なんでそんなに速く走れるのかなかな!」

 珍しく日花梨ヒカリが動揺していた。


「……ふむ、ここは公道だ!マン島ではないぞ!」

「……制限速度は遵守することとする!」

 ――法令を守っていないであろう「吹奏楽部員」が説教を始めた!


「あ、あれ!もしかして七海ななみさん?ですよね!」

七海ななみさんもバイク……乗ってたの!?」


 七海ななみとシズクは知り合いだった。

 彼女との出会いはクラスメイトだから深くなった訳ではなく、アクアリウムの知識を豊かにするために図書室に本を借りに行った先で仲良くなった。

 シズクは図書委員でもあり『東高校の書籍関連全般』を管理している。

 彼女は『先生・PTAも一目置く程の天才』だった。

 今年の教科書の選定や授業で使う課題図書のリストアップも彼女が行った。


 ――生徒会より信用も実績が上ではないか?

 しかも、学年二位の成績でもあった。


 だが、一位は七海ななみだ。

 水槽楽部……生徒会のメンツは七海ななみの功績で紙一重で守った。


「って!シズクちゃんバイク乗れるの!」

 しかも直4ビックワン!である!新車で100万オーバーだ!

 女子高生がホイホイ買えるバイクではない。

 案の定『吹奏楽部……もとい……水槽楽部』の小悪党共はいい加減な事を言い出す。

花梨カリン姉さん見て下さいJKが100万のバイク乗ってますよ?」

「……うむ、間違いない!あんな純粋な顔をしているくせに『援の助の交』をやっているのだ!社会の闇を見た!」

「JKがそんなエッチぃことしたらダメダメかなかな!」


 小悪党三人の方が悪態をしている気がするが……。


花梨カリンちゃん達!言っても、私のバイクも100万超えてるし!」


「……な、何だと!?七海ななみも『援の助の交』をやっているのか!?」


 七海ななみは小悪党三人にジト目をキメた!

 

「あははは……まあ、女子高生がポンポンと買えるバイクじゃないよね……」

 シズクは苦笑いとしている。

「ボルドールは印税で買いましたよ?」


 水槽楽部の想像を遙か斜め上を行く真っ当な方法で購入していた!

 小悪党三人は「そそくさと」バイクに跨がり高野山の方へ消え去った!


 ――観よ!負け犬達の逃げ足の早さを!

 レブチン走行をキメていた『管楽器専門の吹奏楽部』は、とてもとても静かに帰って行った。


「あの人達って……生徒会の皆さんですよね?」

 表は生徒会、裏は水槽楽部員である。

 シズクは裏の顔を……生徒会の闇を観た事になる。

「あ……まあ……ちょっとおふざけが酷い人たちで……」

 生徒会の活動中はとても真面目だからギャップが酷い。

 七海ななみは水槽楽部側なので生徒会活動中の三人の方が違和感がある。


「でも、でも、七海ななみさんがバイク乗ってるって意外……でした」

 驚くのも無理もない。公道デビューして二日目だ。

 水槽楽部のメンバー以外で乗っているところを見られたことも話したことも無かった。

 ――シズクと七海ななみに意外な共通点が出来た。


七海ななみさんはこれから何処か走りに行くのですか?」

「私はこれから温泉に入って帰ろうと思ってますけど……ご一緒します?」


 そういえば、心桜が既にいなかった。ぼっちになった七海ななみは迷うことは無かった。


「あ、タオル持ってないけど……売ってるかな?」

 七海ななみは入浴セットはさすがに積んできてなかった。

 最近は高野山に毎週のように来ている為、花梨カリン邸に私物を置いているからだ。


「丁度、貸せるタオルあるから大丈夫!」

「ホントに!じゃあ借りていいかな?」


 七海ななみとシズクは龍神温泉へ行くことになった。


 ◇

 

 七海ななみ達はインカムのペアリングをして一路『龍神温泉』へ向かう。

 花梨カリンたちに一応メッセージを飛ばしておいた。


「どっちが先頭走る?」

 シズクは道中前をどちらが走るか聞いてきた。

 七海ななみは少し……考えた。

 後ろを走行すると一瞬で『点』にされそうだが、かといって初めて走行する道の先頭を走るのも弱化怖い。


「……実は公道デビューして二日目!」

 公道デビュー二日目で龍神を攻めているのだ!

「ええ!……ホントに……!」

「……じゃあ、私がリードするね!」


 ――百合の花がつぼみを――。

 っと思ったが、シズクにはその気配すら無かった。

 文学少女とは思えない位に龍神側の強烈な峠道を華麗に下っていく!

 無駄な動きをせず、シャープにメリハリのあるライディングを華麗にキメた。


 ――『人馬一体とは』を魅せ付ける!


七海ななみさん運転上手いですね!とても二日目とは思えませんよ?」

 シズクは七海ななみのライディングをサイドミラーで確認しながらペースを合わせて走っていた。

「そうかな……けっこう……怖いかな?登りはそうでも無かったんだけど」


「でも、七海ななみさんが……バイクにね……ホント意外!」

「アクアリウムが趣味ってのも意外だけど」


「……それは私も思う……バイクもアクアリウムも多分この高校来なかったら……」

「シズクちゃんも意外だけどね」


 最近、シズクに魚と水草の図鑑の紹介をお願いしていた。

 11月の文化祭迄に間に合う為の準備も一緒にする事になっていた。

 展示する場所を『図書室入り口』の場所に『比較的簡単な』アクアリウムを置く事になった。

 水槽は幅90cmの淡水水槽で、『CO2』を利用しない方法での維持管理出来る条件とした。水槽楽部の面々が立ち上げている水槽の数々は女子高生が『実現不可能なレベルの材料と財力』が必要になるからだ。


 シズクには和歌山に自生している水草が無いか専門書などで調べて貰ったりもした。

 この件に関しては、カボンバとマツモ神、アナカリスなら簡単に手に入るが、水槽に入れるとなると色々と問題が発生するから現実的ではないと忠告された。


 そもそもだが、シズクに和歌山で採れる水草や生体を題材にした水槽の設置を断れた。

 地元を〇〇的な出し物は何より面白くない。

 学生の自己満足で終わる悲惨な事になると忠告された。

 その手の水槽なら日本一和歌山の生体を題材にした水槽を取り扱う『カニとエビの水族館』という最強の水族館が和歌山に存在する。

 地元愛に満ちた水槽を設置するならば、『最強の水族館』の職員に『おっ!』と言わせる程の内容を用意しろと注文された。

 シズクに遠回しに『図書室入り口につまらない水槽は置くな』と警告されたのだ。

 人に観てもらいたいなら『魅力を伝達出来る』作品に仕上げなさいとも言われた。


 設置にあたり、シズクの許可を取り付ける企画でするようにと注文されたのだ。


 水槽設置の一件があってから七海ななみはシズクに対して『友』として接するようになった。七海ななみは上辺だけをすくい取る『油膜取り野郎』的な友達はあまり好きじゃなかった。シズクは『嫌な事もきっちり自分の言葉で言える』人物だと思えたからだ。


 顧問がいない水槽楽部としては、心地の良い『釘を刺して貰えた』人物だ。


 今日のシズクとの出会いを大切にしたいと七海ななみは思った。

 シズクとマスツーリングを20分程龍神温泉まで楽しめた。


 そして、到着した七海ななみは、シズクのタオルを借りて「日本三大美人の湯」を美人のシズクと入る事になった。

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