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アクリル 東女子高水槽楽部  作者: 川崎タイチ
水槽楽部入部編
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第5話 二葉との初日談義

 家に帰る途中、超常現象やUMA類に!?……特に何も起こらず……普通に帰宅できた。


 家に帰ると何時も通り、愛しきツンデレ妹が……!


 ということもなく……。残念ならが一人っ子であるが、妹っぽい母親がいる。実の親ではあるが、まったく似ていない。


 パパは……。


 単身赴任中である。基本、海外への営業なので、たまにしか家には帰ってこない。

 ママは在宅ワークで小銭を稼いでいるので、四六時中家にいる。

 何日かに一度スーパーに買い物に行く位である。


 ――私の家には独自ルールがある……。


心桜(こころ)ちゃん、ただいまー」

 ママと呼んではいけないである。


 昨今の友達家族的なノリである。


「返事がしない……ただの○のようだ……!」

 どうやら自室にて仕事に没頭中らしい。ママである「心桜」ちゃんの仕事は、ドール用の服を制作する仕事?のような趣味と実益を兼ねた仕事をしている。ワンメイク物でそこそこ人気があるとのことで、二葉を連れてよくイベントに売りに行っている。


 二葉の家は、ご両親共大阪まで働きに出ていて帰りがいつも10時過ぎになる。平日の夜は私の家で過ごすことが多い。

 幼なじみで隣同士でもある関係で、夕ご飯はうちで食べて帰る。

 ただし、隣人と言っても100m以上離れているので帰り道はいつも心配している。

 HENTAIさんではなく、野性味溢れる「INOSISI」さんや田舎の脅威「TANBOの側溝」である。


 中学時代によそ見をしていて側溝にハマった経験者である。

 自転車ではまって、丁度通りすがりの夕刊配達中の人に引き上げてもらったという初体験も済ませた立派な田舎者である。


 いつものように心桜ちゃんの部屋に行き。


「心桜ちゃん、ただいまです」


「おかおかー!ナナちゃん」


 ハイテンションな「17さい+(禁)」である。ゴシック調の服を着た、ぱっと見では私より子供っぽい母である。

 私のアンティーク好きはどうやら母譲りかもしれない……が、方向性は違うっぽい……音楽バンドなら解散問題に発展しそうだが、親子なので解散の危機はない。


「夕ご飯なに?ご飯仕掛けないと思うんだけど?」


「今日は焼き魚とお味噌汁……えーとあとなにかな?」

 和食なのは解った……。


「2合だね、じゃあ用意しておくね」


 ――独自ルールその2、家事は分担する事になってる。


 これはある意味合理的でもあるルールで、二葉が私の家でお世話になってると思わせない為でもある。ルールとして心桜ちゃんが考え事である。決して家事を楽にする為ではないとのこと。


 夕食後の食器洗いは二葉がいつも片づけて帰る。二葉も私の家での労働を充てられることにより、大きい顔をして過ごせるので、とても助かっていると話していたことがあった。子供っぽいが親としての役割・振る舞いは多分どこの親にも負けてないと私は思っている。見た目以外では……の話


 いつものように炊飯器にお米をセットして、お風呂のお湯も入れておく……七海(基本・セット担当)である。


 事後処理担当が二葉ってことになる。


 お風呂といっても、キッチンにあるボタンをポチッと一つ押すだけだけど。お風呂ルールで掃除は最後に入った人が洗うシステムである。

 その際栓を閉め忘れる事案が発生するので……心桜ちゃんが……だが、栓をチェックすることだけは毎回行っている。


 家族と言っても、私と心桜ちゃん、二葉の3人だけである。


 そうこうしている間に二葉が帰ってきた。


「ただいまー」


 宿題とかも私の家で片づけて行くので、半分二葉の家になりつつある。


「おかえりー」


 このやり取りは小学生の時からだった。

 中学時代はフェンシングクラブに行ってから、家に来ていた。

 高校に入り部活動への参加になった。


「ナナ、吹奏楽部どうだった?」

「粛清されていました……まる!」

「赤いね……」

 某フニフニ動画のPVパロの見過ぎな残念女子がいた。


「じゃあ、あの新入生歓迎の時に歌ってた吹奏楽部の人は?」

「水槽学部だった……。ゴロが似せてるし、さらに言えば、吹奏楽部の部室を占拠までしたらしい」


「よくそれ許してくれてるね……そもそも生徒会との抗争のオモシロ展開じゃん!」


 アニメ脳現る……!

「首謀者の一人が生徒会長・ブラック部活部だったよ!」


「部活とは関係ないけど、今日帰りに3年生に金髪美少女がいたよ!脳内でアリスさんと命名しておいたよ!」


「でも大きいバイクに乗って颯爽と帰っていった……あと会長さんが痛バイク乗っていた」

 ……生徒会長のイメージが木っ端微塵に砕けたことを二葉と談義した。


「あの会長さんが……いいね!美少女で生徒会長でヘヴィーなヲタクとは!」


 ヲタクに対して嫌悪感とかは二葉のお陰でないけど、生徒会長のは一線を越えた感がやはり抵抗を感じないわけでもなかった。二葉とはまた違うヲタクと認識した。


 その後、夕ご飯を済ませ、いつものように二葉が食器を洗い自分の家に帰っていった。数分後、スマフォに「ピローン」っと自宅に無事帰った事を連絡するメッセージが届いた。「INOSISI兄貴」が子分を連れて歩いていたとも書いていた。


 ……最近流行の猪突猛進型暴走族は大人しく散歩中だったようだ。

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