新潟編 第01話 新潟聖地巡礼の為に……!カツラを飛ばす!?
唐突になるが、七海は『海楠ドライビングスクール』のロビーにいる。そしてロビーには、見事な『水草水槽』が置いていた。
――『寄贈 東高校水槽楽部』
花梨が寄贈した水槽のようだ!
七海がどうして教習所に居るのかと?
「4番の川崎さん、二輪教習も午後から学科ですね」
「あ、はい。よろしくお願いします!」
「学科はPM1時からですので、それまでに教習所に戻ってきて下さいね?」
技能教習はノーミスでクリアーして終了してしまっていた。残すは学科のみとなった段階だ。午前の技能が終わっているため、七海は時間を持て余していた。
「あのう……普通二輪の教習コースって誰も使ってないですよね?」
「そうですね、合宿は川崎さんだけですからね。通学の方の教習もキャンセル入ってましたね」
「練習……させて貰ったらダメでしょうか……?」
「あ、いいですよ!GRPの『緑川社長』には『VIP対応』するようにと仰せつかっておりますので……ですが、学科だけは皆さんとお願いします」
――GRPとは『緑川 愛芽の父』の会社のことだ。
七海は『プロテクター』を装備し、二輪のコースで練習を繰り返した。卒業検定は通っているので、反復練習をして技能を鍛えていた。
ちなみに、この物語は『バリバリな伝説』でもなければ『バクレツなオン』でもない。
『水槽楽部である!』
七海は『苦手なスラロームの練習』を繰り返していた。
――パァァァン!!ギュイン!ギュイン!
……七海はスラロームの表示タイムを見上げた。
「……4,3秒か……」
「あーー!これじゃあ、日花梨さんと花梨ちゃんに置いて行かれるぞ!」
既に、教習所のコース内レコードをたたき出しているようだ!
その様子を見ていた教官が七海に話しかけて来た。
「川崎ちゃん!あんた何と戦ってんの?スラローム4,3秒って既に教官のテクこえてるで!」
「あ、いえいえ、戦っている訳ではないです……多分なんですけど、水槽楽部のメンバーは、このスラロームを4.25秒でクリアーしているはずなんで……」
「おいおい……川崎ちゃん、そんな記録出てたらワシら覚えてるで?」
七海は日花梨なら『4.25秒』でクリアーしていると思っていた。
「え?日花梨さん……あの、うちの学校の『神畑さん』と『名水さん』ってここの卒業生じゃないのですか?」
「ん?カミハタ……?ああ、名水探偵事務所の『探偵ちゃん』と『おっぱいネーちゃん』か?」
花梨は……まあ良いとして、『JKにオッサンがおっぱいネーちゃん』はほぼアウトだ。
「ええ……その問題児2人ですが……」
「あの2人って、飛び込みで取ったはずだぜ?」
「な、なんですと!免許センターで一発ですか!?」
……絶対……無……免……許で練習して取得しただろう!と勘ぐってみた。
「あの2人は次元が違うからなー」
どうやら花梨ちゃんと日花梨さんの事は教習所でも有名らしい。七海は質問方法をチョット変えてみた。
「花梨ちゃんと日花梨さんってバイクの運転スゴく上手いですよね?」
「ああ、上手いな……人間離れしている位に……だから、あの2人に付いて行こうなんて思わないことだ。セーフティードライブやな。だけど、川崎ちゃん十分上手やから。普通は4.3秒とか出せないで。それ以上は飛んで死ぬで」
その後、七海は教習所コースで練習をミッチリ行った。午後からの学科も消化して夕方になった。
「……さて……始めますか!」
七海は教習所の事務所にある用具倉庫から『バケツとホース』を持ち出してきた。
……受付にある『水槽のメンテナンス』をする為だ。
「……ホント、この水草水槽キレイにレイアウトされてますよね?」
受付の姉さんが七海に話しかけてきた。
「ええ、花梨ちゃんの力作ですので、私がちゃんとメンテしないと!」
七海は、愛しの花梨ちゃん水槽のメンテナンスを頼まれていた。
「今日は、水替えするのです?」
「いえいえ……今日はグリーンロタラの『ピンチカット』して枝分かれの促進させますね。あと、切ったロタラは禿げている箇所に植え直しします」
――ハゲという単語に……教習所の受付は凍り付いた!?
「ゴ、ゴホン!」
――校長が咳払いをした!
……教習所の校長は『見事なまでのアデ……アート……ズラである!』
「そろそろ、前景草のキューバパールグラスもキレイに『カット』しちゃった方が良いんですけどね?」
「あ、あの、どうしてです?キレイに繁っていてイイと思うのですけど?」
「そうなんですけどね……でも、このまま行ったら、ボコって『根元から浮いちゃって』再度『植え直し』にとかになっちゃいますね!」
――『ブゥゥゥウ!!ゴホゴホ!』
……事務員の一人がお茶を豪快に拭いた!
「浮いちゃったら、今度は『ミニヘアーグラス』にしちゃいましょうか?ヘアーグラスってホント『植毛』みたいなんですよ!」
――初夏の候、海楠ドライビングスクールに『絶対零度級』の冷たい吐息を七海は感じた!
「あれ?今日は冷房よく効きますね!7月入ってから暑い日が続いてますから……」
七海は、その後も水槽をネタにした悪意無き『<痛根>の一撃!』校長に与え続けた!




