第59話 いざ行かん!川湯温泉のキャンプ場!巨大オニギリだと!?
4月のドタバタ劇も終わり5月に入った。日中に日差しも厳しくなってくる季節が始まった。
――日やけ対策は万全である!
……お日様がまだ出ていないのである!
――AM4:25
いくら何でも早いでしょ!水槽楽部の朝は無茶苦茶早いのである。朝練がある双葉とてこんな朝早くには起きない。
「おはようございます花梨ちゃん。5月と言えども・・・・・・朝4時半は寒いですね」
「……うむ!これ位が丁度良いのだ!あ!ゴールデンウィークが終わったら、免許の勉強を始めるように!」
「え!?もうそんな時期ですか?」
「……うむ!16歳になったら試験が受けられるので逆算すると6月末から合宿だ!」
……ちょっと気が早いと思います!
「……あと、乗りたいバイクの選定だ!全ての費用は『名水探偵事務所』預かりとする!」
なんか、無茶苦茶なご都合設定に感じるが……。
「あのう花梨ちゃん、バイクに関してですが、心桜ちゃんが全額出してくれるので大丈夫ですよ」
「何!?ママさんが全部出すとは……普通は反対するものだぞ?……」
不思議そうな顔をしている……当の本人である私も信じられない。
「うちの教育方針と言いますが……何を言っても反対されないのですよ。逆に反対されないから色々考えるんですが」
「……ふむ。私の親とも若干ではあるが似たような考えた方だな。うちは完全に放置プレイ状態だが……」
そうえいば、花梨ちゃんの所も自由に生活を送れているようである。逆に言えば、自由とは全ての責を自分に降りかかってくる。自由が効く・要望が何でも通るとかは、意外と大変である。
「花梨ちゃん、川湯温泉のキャンプ場に行くには一度『高野山』寄っていくのですか?日花梨さんが居ないようですが……」
「……ふむ、日花梨とは道の駅『龍游』で合流予定になってる。愛芽は『すさみの水族館』から来るから、川湯温泉で合流となってる」
そして、私と花梨ちゃんは『私の家』からスタートである。花梨ちゃんは昨日は私の家にお泊まりしたのである。……なんか隔週に私の家に居る気がする。
「ということは、私達が一番遠いのですね」
「……うむ!だが、一番最初に出発するから、皆同じ位に到着予定だ。あと、奈良はバスと自転車とのことだが…・・・どのルートで来るかは知らないぞ」
「奈良さんは、大体お昼前には着いているとのことですよ」
ほぼ現地集合である!
「……うむ!では出発するとする!」
その後、2時間程のんびりと龍神に向けてタンデムツーリングをした。
途中にある道の駅などで休憩しながら走っていると……。
「な、なんか!巨大なオニギリ坊やの看板が!……なんて所にあんな看板を……」
大自然溢れる山間のど真ん中に『超巨大立て看板』が立っている。
「……ふむ、『日本一のヤッホーポイント』なのだ。吊り橋を渡った先にあるが……」
「……受け流す方向で……」
「……うむ!それが賢明」
……時は、まだ朝7時である。朝靄が若干かかる中、『なんたら主』が出てきそうなくらい山深い道路を進んでいると、ド派手な『ゆるキャラ』の立て看板が建っていた!なんて何を考えているのやら……和歌山がすることは時に『時代を先取りしすぎ』て理解に困ることがある。良い一例である。今では『あたりまえ』になってる『アニメ』とのコラボだが……ブームになる5年以上前に『コラボポスターや立て看板』を立てたりしていた。
「やっと時代が追いついてきましたね……」
「……うむ、和歌山の自治体は先進的過ぎて時代に合わないのである。あのオニギリ坊や……先取りしすぎたな……公僕共の怨霊の住処になって居るぞ!」
地域活性化の為にご尽力頂いた方々には申し訳ないが、大自然にドーンと建てなくても……
順調に龍遊に向けて走行していると……。
『ヴァァァァァァン!』
――とても治安が悪い音が……バイクっぽい音が近づいてきて……
『ズキューーーン!』
――って!?目茶苦茶早い!?
すれ違った時に、『ピース』された!
「花梨ちゃん!今ピースしてきましたよ!お知り合いですか?」
「……ふむ……知ってはいる……龍神の『主』だ!」
――間違いない!『暴走族の親分だ!』
「てか、こんな田舎なのに治安悪いですね!暴走族とか!何考えているんですかね?」
――チラッとだけど……気のせいならいいのだが、『知り合い』のような気がした?
「……彼女は龍神の主だ!カワサキのH2だな。相当速いぞ!!空も飛べるらしい」
……いい迷惑である……。
「アッタマオカシイとおもいますよ!ここ一般道ですけど!」
「……ふむ……」
少し間を置いて・・・42.5秒差位位だが
『ヴァァァァァァン!』
――とても治安が悪い音が……バイクっぽい音が近づいてきて……またー!?
『ズキューーーン!』
――って!?またまた目茶苦茶早い!?
すれ違った時に……って!?キャンプ道具満載で『ホムセン箱』まで乗せてる……とっても見たことある『痛バイク』が走り去った!
「って!今の日花梨さんですよね!!!」
「……。イヤ……キノセイダ!」
……っと花梨ちゃんが誤魔化そうとしていると後ろから追いかけてきた!?
……インカムから『ピピッ』と音がして……。
「おおお!花梨ちゃん!ナナちゃんオハオハ!」
「お、おはようございます……朝から何やってるのですか!?」
「……だ、だれだ!?貴様のような暴走行為をする部員はいないぞ!」
「えええ!?花梨ちゃんなに良い子ぶってるのかなかな!」
「スカイライン走ってたら、『龍神の主』が追い抜いていったから追いかけてたよん!てか、無茶苦茶早いんだけど!」
……いやいやいや!いくら速くても『過積載』状態のバイクでは追いつけないでしょ!むしろ42.5秒差位で追いついていたこと自体尋常じゃないですが……。
「あのすれ違った人って『有名人』なんですか?」
「……うむむ、正体が判らんのだ……なんか龍神の亡霊的な存在……」
「そそ!わっかんないんだよね!バイクが停まっている所を観たこともないし、かといって、毎週土曜日の朝走ってるんだよだよ!」
「判っていることは、『女性』ってだけだよん」
――え!?女性!?……なんか『知り合い』の確率が更に増してきたぞ・・・・・・。
「うーん、なーんか知ってそうなんですけど……思い出せない!」
「……なぜ……七海が知っている?そっちの方が不思議だ!」
「花梨ちゃん、日花梨さん『あんな馬鹿なことする人』はやっぱり知りません!川湯温泉へゆっくり行きましょう……」
――朝っぱらから何やってるんだが……なーんか知ってる気がするが……。
「……うむ!水槽楽部のスピードメーターは最高60km/時とする!高速道路では最高110km/時とする!……」
「花梨ちゃん……それ無理あるんじゃないかなかな?」
水槽楽部……改め、水槽楽部でもある生徒会キャンパーのツーリングの旅は、日花梨さんが早めの合流し、川湯温泉を目指すのであった。




