第57.5話 パンドラの箱!?秘密結社名水同盟!?
七海や水槽楽部の皆との『水槽ジャーナル』お泊まり会が終了し、七海を無事家まで送り届けた。
帰ったフリをしてもらい、愛芽に私の家に戻ってくるように指示を出しておいた。ついでに、黒龍会の龍も招集するように頼んでおいた。
――秘密結社名水同盟の極秘会議である!
「……ふむ、皆、集合したな……」
「お疲れさまです、花梨さん、メンバー全員揃っています」
「姐さん、久々の集会だな!今回は何を話し合うのだ?場合によっては『ちなまぐさい息』事になると覚悟した方が良いのか?」
「……うむ!計画の遂行には、命を落とす危険もあり得る。ならびに、秘密裏に行動をし、対象の自宅に侵入、ミッションを達成する必要がある。今回の対象は、日花梨だ!」
――場の雰囲気は一気に凍り付いたのが肌で判った。それだけ今回の任務はとても重要でかつ、実行にあたり大きなリスクを伴う為だ。
「マジかよ!姐さん!!さすがに死神である日花梨の嬢ちゃん相手となると、うちの組の舎弟は使えねーぞ!」
「うむ!今回の任務遂行に辺り、『死人・怪我・精神持っていかれる』などの事故があってはならない!我々結社のトップのみで密かに実行する!」
「なるほど、対象が日花梨さんとなると、一筋縄ではいきませんね。肉体は人間ですが、死神です。人間が相手して勝てる相手ではありません。任務実行は慎重かつ迅速に行う必要があると思います」
「最悪の場合だ、姐さんが『幸村』で対抗してもらっている間に任務を完遂することになるだろう。愛芽姐さんと俺が実行することになるだろう」
「……うむ!見つかった時は、私が『イージスの盾』となる作戦で行く!!」
――本番の実行にあたり、日々の反復練習が結果へと導くのである。
「でだ、実際、秘密工作にあたりブツは準備できているのか?」
「そのことに関しては、私から説明を」
「まず、秘密工作に辺り、最初の難所である『鍵の解錠』ですが、合鍵を入手出来てません。ご存じの通り、起きている間はスキが全くない日花梨さん相手に『鍵』を盗みだし、複製をして戻すという行為そのものを実行できる人などこの世にはいません」
「ピッキングで鍵は開けることになりますので、作業時間を少し頂きたいです。ピッキングが完了したら、あとはボルトを外す作業です」
「ああ、それに関しては『サービスマニュアル』でボルトの径は判明している。エアーインパクトで『パーン!』っと一発で行く!」
「!?なに!?そんな大きい音を出したらきづかれるだろが!?」
「姐さん、鍵のピッキング作業を開始した時点で、死神の嬢ちゃんにはバレてますぜ!なら、作業時間を最速を目指す方が任務完遂できますぜ!」
「……ふむ、その通りかもしれないな」
「……で、仮に任務完了したとしても、日花梨が自分で元通りに戻す事も想定しなければならない」
「花梨さん、その対策もバッチリ出来ています。GRP特製のハイパー強力『ネジロック剤』を開発しました」
「仮に、ネジを外そうとしても、フレームが曲がっても取り外し出来ないロック剤です」
「うむ!準備は完璧のようだな、それで『例のブツ』の仕上がりはどうだ?」
「はい、先日ホームセンターコー〇ン海南店にて一流メーカーのブツを購入済みです。私自ら工作を行い、完璧な仕上がりになっています。本体との接合強度を増強させるために、同店舗にて10mmの板を購入、お客様工作室の機材にて精密にカットしてきています」
「……うむ!首尾は順調のようだな!」
「龍、サイドの部品はどうだ?」
「姐さん、トップのフレームに接続するためのE22の汎用ステーを仕入れ済みですぜ!愛芽姐さんのネジロック剤を使って取り付けたら二度と外れないぞ!」
「……うむ!よろしい!」
「……我々とて、このような惨いことをしたくないのだが……日花梨が『我々が提示した条件』を頑なに『ソフトタイプの取り外しも簡単な』タイプでも拒むので仕方が無い。取り外せないように強力に付けてしまうことにする」
「そうですね、日花梨さんの『アレ』は日花梨さんが使っていますが、花梨さん名義ですからね」
「でもいいのか?姐さん。死神の嬢ちゃん怒らせたら後々面倒なことになるぞ!パッパラパーでも一応神様なんだからな」
「……うむ判っている!所詮西洋の死神、ここ高野山では日花梨の力など我々、真の『悪の結社』の敵では無い!死神でも紙コップであろうと、我々の意思を曲げることなど出来ないのだ!」
……時は流れ……
……某日深夜……
「龍、愛芽。準備はいいか?」
「姐さんOKだ!」
「花梨さん、OKです!」
……迷彩服を身に纏い、日花梨宅のカーポート前に集合した。
「よし、日花梨が寝ているはず。奴も人に憑依したために夜寝る必要があるからな。では作戦を実行する!」
……下調べで日花梨の『YAMAHA R3痛車カスタム』は庭のカーポートに置いている事は確認済みだ。
慎重にR3の前まで侵入をした!
――日花梨はまだ気付いていないようだ!
「……よし!作業にとりかかる!」
……すまない日花梨、これもGWのキャンプツーリングのためだ!
「R3キャリア&パニア取り付け開始!!」
「おー!!」「おー!!」
――愛芽が手際よくタンデムシートの解錠作業を開始した!!
……日花梨の家の中から何やら声がする……!
「な!な!ななな!!何事かなかな!!私のR3に触ってる人がいるよん!」
――さすが神である!自分の愛用のバイクに接触した時点で気付かれたのである!
「龍さん!タンデムシート取れた!!ボルト外して!」
――早い!バイクに触れてから『2秒』で取っ払った!
「よっしゃー!速攻!!!」
――『パーン!』『パーン!』 『パーン!』『パーン!』
――さらに早い!タンデムシート外してから『4秒』で全てのボルトを取っ払った!
ボルトが外れたのを確認する間もなく、速攻リアキャリアとサイドパニアステーを愛芽が乗せた!?
キャリアを乗せている間に、ボルトにGRP特製の超強力ネジロック剤を『塗り塗り』した!
――『パーン!』『パーン!』 『パーン!』『パーン!』
一発でハンドトルクで規定トルクで各部ボルト締めを完了した!
なんとここままでの作業時間が15秒である!
――家の中から日花梨が怒濤の勢いでバイクのある庭に向かってきている!!
ドドドドド!!と床を蹴る足音が刻一刻と近づいてきているのだ!!
「あと23.5秒だ!」
――日花梨が庭に来るまでには『42.5秒』かかるのである!
日花梨の行動や能力は、何故か『425』になる法則が発動するからである。
4.25秒で到達できないのであれば、42.5秒である。もしくは4.25分と算出されるからだ。
――龍と愛芽が取り付けたステーにアイリスオオヤマ製『ホムセン箱』とサイドパニアE22を手際よく取り付けた!!
「よし!完了だ!残り十秒だ!撤収!!!」
「ラジャー!」「アイアイサー!」
愛芽と龍、私は全力全開で日花梨宅の庭から離脱した!!
——日花梨がR3のあるカーポートにパジャマ姿で現れて……
「な、ななな!!!わ、私のR3が大変な事に!!!なってるよん!!」
——我々、秘密結社『過積載クラブ』の完璧な仕事である!
今回のお話は花梨ちゃん視点でのサイドストーリーでした。
高野山でのお話は、エシテンシャルシードの要素が少しだけ含まれています。




