第55話 ほのぼの名水探偵事務所でのひととき(2)
「花梨ちゃん、キャンプ道具お持ちなのですか?」
「……うむ!水槽楽部のキャンプ道具は、ガレージで預かっている。既に去年1年間で10回以上慣行しているぞ!」
……そんなにキャンプ行ってるのか!?
「それじゃあ、かなりのベテランさんなのですね!」
以前話したときに……確か……
――『我々水槽楽部は『火気・刃物・鈍器・薬品』の取り扱いのプロフェッショナル』だ!』
っと言っていた気がする。キャンプ道具のことです!
花梨ちゃんとガレージに移動し、中に入ると、バイクが2台置いていた。いつもの花梨が乗っているバイクである。バイクの近所にはメンテナンス用であろうと思われる『赤い大きな道具箱』が置いている。バイクを置いている逆側の壁には……
「キャンプ道具イッパイありますね!!」
「……うむ!私のもう一つの趣味でもある!ネイチャーアクアリウムの師でもある先生は写真家でもあったのだ。大自然を眺め・感じ、そして写真で切り取るように、水槽で再現していたのだ!」
「……私は元々アクアリウムからではなく、東京で観た写真展から入ったのだ。アクアリウム愛好家には色々なパターンがあるが、私のような人も最近増えつつある」
――私は……吹奏楽部に入ろうとして巻き込まれましたよ!?
「花梨ちゃんは写真も趣味なのですか?……っといってもカメラ観たことないですけど」
「……私の父が『売れない写真家』兼『イマイチぱっとしない探偵』なのだよ」
……売れない写真家とは……
「……なので、父と一緒に写真展とかによく行ったのだ!今は……」
――パパはお星様になったのである!
「……母のアシストで世界を飛び回っている……『売れっ子プロ写真家』なのだ……」
――パパー!!死より厳しい現実が!?『妻は売れっ子写真家』『娘は高野山で名の通っている探偵』……
「な、なかなか厳しい現実ですね……」
「……うむ……」
「花梨ちゃんってどっちに似てるのですか?」
「……間違いなく母親似なのだ!っというより、父は日本人だからな……母親の血がかなり多い……」
……確かに……ハーフなのに髪が『プラチナブロンド』に近い『金髪』だ。
「花梨ちゃんって結構白い方の『ブロンドヘアー』ですよね?」
「……ふむ、母の血筋がフィンランド人だからな……DNAが色濃く出たのだろう……」
――日本語しか話せませんが!
「……だが、キャンプや探偵業などは父から受け継いだ事だ。特に、キャンプに関しては本を執筆しているくらいだからな……売れてはいないが……」
「花梨ちゃん、今回は水槽楽部員だけで行くのですよね?これだけの荷物を持って行けるのですか?」
「……ふむ、これ全部は持っていけない。だが、快適装備は可能な限り持って行くのと、採集したヤマト隊長を輸送するBOXも積んでいく」
「この中から……必要な道具だけをバイクで運ぶのですね?……って!私がバイクに乗れないのじゃ……」
「……問題ない。今回もフォツァで行く!フォツァは『S660』より荷物が積めるのだ!」
……S660?そんなバイクがあるのだろうか?とにかく、『バイクにキャンプ道具』を積んで行くのは理解できた。
「キャンプ道具積んでいくのはいいですが、花梨ちゃんのバイクと愛芽さんのバイクは荷物積む箱?付いてますよね?日花梨さんはリュックサックとかですか?」
「……ふむ、日花梨のバイクにも相当積めるのだよ!日花梨は『私のR3が!!!』って毎回叫ぶが、容赦無く積むのだ!」
「え!?あのバイクに積めるのですか!?」
「……うむ!煙突付きの薪ストーブをR3に積んでいく!」
……ま、薪ストーブだと!?
「……薪ストーブ……通称『初めての薪ちゃん///』優しく入れてね……という薪ストーブがある……が、ちょっと多き過ぎるので、水槽楽部の工作員が製造したこの『コンパクトに折りたためる薪ストーブB4ちゃん』を持っていく!」
――色々と突っ込み所満載ではあるが、突っ込んではいけないのだ!
「ホントにコンパクトですね!B4の大きさに……なーんかひっかかるのですけど?」
「……ふむ、類似品に注意なのだ!」
――絶対こっちが『類似品だ!』やはり秘密工作員は怪しいぞ!
「……次に、テントだが、このワンポールテントを持っていく!なんとポールがフォルツァのシート下に入るのだ!テントとタープは私のバイクのシート下に積んでいく。トップボックスには、食材をなどを入れていくのだ!」
「愛芽のNINJA400はフルパニアだから、何でも積んでいけるから、主に調理器具・寝袋などを一纏めにして積んでいくとする!」
……たしか、愛芽さんのバイクは立派な箱が3つ付いていた。結構積めそうである。
「あ!奈良ちゃんも誘って良いですか?」
「……ふむ、勿論、水槽楽部員だからOKだが……来てくれるのか?」
……1週間以内に何とか説得をしてみよう……!
「GWまでには何とか!説得してみます!」
「……念のために、1人用テントも積んで行くとする!」
「そうなると、5人になりますが、テント入れます?」
「……ワンポールテントはとても広いから大丈夫、8人まで余裕で入れるぞ!残念なのはワンポールテントがスノピでないことだ……」
……すのぴ?
――花梨ちゃんのガレージにあるキャンプ道具をよく見たら、ほぼ2つのメーカーしかないようだ!花梨ちゃんは……やっぱり……。
「花梨ちゃんってブランドに拘ってます?」
「……ふむ、気のせいだ!」
「でも、この……フレームより、ホームセンターの方が――」
「七海!ユニ……は国産のとても良い商品だ!ライフレ……とかと一緒にしてはダメだ!」
――ジト目を決めてみた!!間髪入れずに突っ込みが飛んできたのである!
しかし、高校生に不向きな財布や鞄を見せびらかせるよりはイイと思った。実際、この手の実用する物はよく出来ている。花梨ちゃんは高くても良い物を選ぶんだろうと思った。
……その後、GWのキャンプ道具の整理を行った。キャンプギアの種類の多さに驚きを感じたが、必要な道具だけを選別して持っていくとのことだ。
花梨ちゃんや『水槽楽部の全員』で行くのが楽しみである……?あれ???そういえば……
「花梨ちゃん!とっても重要なことを思い出したのですが……、水槽楽部の顧問って誰ですか!?」
――そう、水槽楽部の顧問と一度も会った事がない……。
「……ふむ、生徒会は教員と独立された組織、顧問がいたら先生の言いなりのお飾り的存在にしかならない。生徒会とは、生徒の代表であり教員の操り人形ではない、だから我が校には生徒会顧問はいないのだ!」
――!?
……何という説得力のある内容だ!!!って、それは……
「そ、それって、水槽楽部は独立のアサシン・レンジャー部隊って事になりませんか?」
「……何を言っているのだ……七海は……我々は断じて何処かの公安のような存在ではない!」
「花梨ちゃーん!大門前でシード事件だよん!って……あ!ナナちゃん居たんだった!?」
――っと、言った瞬間!日花梨さんが『忘却の金槌』を取り出し
――私の頭を……『ピコン!』
「……あのう……日花梨さん……」
「よし!花梨ちゃんナナちゃんの記憶、前後15分は大丈夫!丈夫!今回は本気でマズいかもかも!花梨ちゃん急ぐよん!」
……何を言ってるんだ……この人は……。
「日花梨さん……こんな『ピコピコハンマー』で記憶は飛びませんよ?」
「な、な、七海!?『忘却の金槌』で殴られて記憶があるのか!?」
「……あのう……花梨ちゃん……こんな柔らかい素材で殴った程度で記憶飛んだら、芸能人みんな記憶なくなってますよ……」
「あ!?ちょっと殴るの弱かったのかなかな?もう一発!!」
――私の頭を……『ピコン!』
……そろそろ、知らないフリをするのも疲れてきた……。
「……あのう、そろそろお昼の準備ですね?日花梨さん戻ってこられたのでしたらお昼の準備始めますね……」
「……うむ!よろしく頼む!、日花梨と私は少し『野暮用』で出かける、お昼チョット過ぎると思うが、待っていてくれると嬉しい……」
「はい、わかりました。愛芽さんが戻って来たら準備始めますねー」
「んじゃーナナちゃんチョット行ってくるよん!」
――2人は凄い勢いでガレージから飛び出て行った。
「風紀委員の事件も、『幸村』の事も、『日花梨さん』の事も、私には知られたくないって事かな……」
――器用貧乏は本当に『めんどくさい』と、自分自身で思った。
アクアリウムからほぼ脱線しておりますキャンプ回ですが、花梨ちゃんは水草水槽を創作する上でキャンプは必要な体験の一つと位置付けています。花梨ちゃんの水草水槽への憧れや想いは、父親と一緒にキャンプや写真展を行た時の体験や出会いによって創り出しています。
今後の展開で、花梨ちゃんが水草水槽を愛するようになった展開、日花梨が海水水槽に拘るのか?など過去のエピソードも執筆していきます。
あと、少しだけ花梨ちゃん主人公のお話の内容を含んでいます。




