第52話 風紀委員が病院送り!?そんな事よりトリミングだ!
退屈な授業を終え……ホントに長かったよ!初トリミングが出来ると思うと、授業に集中できなかった。
集中できなかったと言えば、『風紀委員A』が午後の授業中に救急車で運ばれたらしい……。
――まさか!?日花梨さんがヤッチマッタノカ!?
どうやら貧血との事だが……日花梨さんとの『秘め事』でも想像して『花から赤い液体を噴射』でもしたのであろうか?後で日花梨さんに何をしたか確認してみよう。水槽楽部に居る時の日花梨さんとは別人のようである。
あと、『風紀委員B』も早退していくのを教室の窓から観ていた……。
――『はやる気持ちを抑え』て生徒会室へ立ち寄ることにした……が、行く途中で日花梨さんと会った。
「ナナちゃん!おつおつ!生徒会室へ行くのかなかな?」
「あ!はいちょっとだけ寄って行こうかなと思ったんですが」
「ああ!!ダメダメだよん!奈良ちゃんにも言ったのだけど、今日は空調の修理で立ち入り禁止よん!」
「そうなのですか……?それだと奈良さん困りそうですが……」
「だねだね!ちょーっと奈良ちゃんには……悪いことしちゃったカナカナ?」
……どうやら生徒会室は入室禁止らしい……?
――っと納得するわけがない!『風紀委員A』が救急搬送され、『風紀委員B』が早退をした。絶対、生徒会室で『何かがあった』はずである。あと、日花梨さんの雰囲気が危ない感じがする……!ちょっと釘を刺しておこう。
「日花梨さん、私は強くはありません。ですが、弱い人を蔑ろにする事は、一番嫌いなことです。風紀委員の2人は、心が弱い人だったと思います。もし何かをしたのでしたら解……」
その時、『ぽん!』っと肩を叩かれた!
「……七海、本当に良い子……でも、それは勘違い。日花梨は何もしていない。むしろ助けようとした」
……私の肩の上に置いた『小さな手』から、とても『陽だまり』のような暖かさを感じた!
「へへへ……ダメダメだったよん!」
「……ふむ!やっぱり風紀委員2人は手遅れだったか……諦めて部室に行こう……今日は生徒会室は出入り禁止とする!」
何を話しているのだろうか?だが、『ここから先は』踏み込んではイケナイのだと本能で察した……。っと納得するわけが……よりも!水槽のトリミングである!
立ち去る私と花梨ちゃんの背後で『日花梨さんが何か』をしている気配を感じた……。振り返ってはイケナイ気がした。
……そんなことより……生徒会室で『魔改造された水作エイト様』を、再度研究したかった!私のエイト様を魔改造する為の参考にさせて欲しかった。奈良さんと水作エイトの話が出来るかなと思ったが今日は諦めることにした。
若干心残りではあるが、メインディッシュの『水草のトリミング』が待っている!
花梨ちゃんと部室へ行くことにした。そう言えば、花梨ちゃんと『別棟』ではなく、『校舎で会う』のは初めてな気がした。学年別で階が分かれているからだろう。
別棟の部室に到着すると、愛芽さんが2階のバックヤードから手を振っていった。
「七海さん、花梨さんお疲れさまでーす。七海さんの水槽に入れるお魚用意してますよー。よかったらトリミング後にでも入れちゃいますかー?」
「……むむ!少し早い気がする!」
……って!私の水槽に入れるお魚は選べないのか!?
「あのう、花梨ちゃん、私の水槽に入れるお魚ですが……私が選べないのですか?」
「……!?その発想はなかった……」
「ああ!いいんですよ!私は、花梨ちゃんが選んでくれたお魚が私の水槽に最適だと思いますので!」
「でも、実際、最初に入れる熱帯魚って『カラシン』が多いのですよね。うちの部のバックヤードには色々な『カラシン』がいますので、七海さんが気に入った子を入れると良いと思いますよ。あと、部室のカラシンは関西のアクアショップより種類多いですよ」
2階のバックヤードの窓から愛芽さんからアドバイスが花梨ちゃんのフォローをしてくれた。
「……うむ!今回は、部室の『カラシン』を投下するとする!その前にトリミングだ!」
そう、お魚の前に待ちに待ったトリミングである!
部室に入って私の水槽を観ると、お昼休みより伸びている気がした。
「花梨ちゃん、凄いスピードでグリーンロタラ成長してません?」
「……うむ!1週間に一回はトリミングが必要!」
……そ、そんなに成長早いのか!?
「……ではトリミング開始する!七海このハサミ使うといい!」
花梨ちゃんからハサミを渡されたが……なんだこの異形過ぎるハサミは!
「花梨ちゃん!このハサミ無茶苦茶S字に曲がってますよ!刃先も持ち手部分も!」
「……うむ!これがウェーブシザーだから!試しにグリーンロタラを好きな場所からカットしてみるといい」
ではでは……長く伸びたグリーンロタラをカットしてみることに。一番長く伸びた1本を上の方をカットしてみた。
——『シャキーン!』
——!?
無茶苦茶スパッと切れた!?ほぼ無抵抗でグリーンロタラを切った!?
「……ふむ、七海そのスピードと位置では今日中に終わらない……お手本を見せる」
ハサミを花梨ちゃんに渡すと、『シュルンシュルン』っと3回転させ……
——『スパーン!』
水面から底面の丁度半分くらいの高さから一気に『バッサリ』とカットした!?
「えええ!そんなに深いところからカットするのですか!?」
「……うむ!1ヶ月ぐらいは『かなり刈り込む』。そして枝別れを促進して密度を上げていくのだ!有茎草はカットしたところから枝が2本でて2倍の密度になる。だから、一回目のトリミングは、かなり下からカットするのだ!」
「な、なるほど……不思議過ぎる……カットしたことから枝の本数がふえるのですか!?」
「……うむ!だから結構下の方からカットしても問題ない。あと、『グロッソスティグマ』との境界線辺りはさらに低く刈り込んでおくといい」
花梨ちゃんの指導の下、トリミングを行った!
——七海の水草水槽スキルが10UPした!
——七海の斬撃スキルが10UPした!
……斬撃スキルって何!?
——七海水槽が、ほぼ丸裸状態になった!
「あのう……花梨ちゃん、ホントにこんなに刈り込んで良かったのですか?」
「……うむ!これでいい!ここまでカットしておけば、一気に密度が上がる」
「……よし!引き続きお魚選びタイムとする!七海、2階のバックヤードに行く!」
ーーーーーーー
花梨ちゃんと二階のバックヤードへ久々に入った。
バックヤードでは、愛芽さんが水槽のメンテナンスをしていた。具体的に何をしているかは判らないが、水換えではなかった。
「トリミング終わりましか?お魚の準備は整っていますよ」
「……うむ!七海好きな『カラシン』を選ぶといい……」
好きなのと言われても……選ぶほど種類がいるのだろうか?
――って!?イッパイ居た!
色々なカラーリングの『カラシン』が数本の水槽に入っていた。水槽の中でも仕切り板のアクリル板で区切られていて色別に仕分けされていた。
「カラシンって色々な種類いるのですね……これ殆ど同じ種類なのですか?」
「そうですね、右から『グリーンネオンテトラ』『ネオンテトラ』『カージナルテトラ』『イエローファントムレッドテールテトラ』……」
……って!何種類いるんだ!?
「それで、我が部の20種類位目のカラシン、最強の『ゴリアテタイガーフィッシュ』ですね。生息地では1メートルオーバになるカラシン最強ですよ、この大きさ42cmで大体なんと!42万オーバーですね。水槽に手を入れて噛まれたら、一生ハンディー背負う事になりますのでご注意を。伊達に『旧約聖書』に登場する『巨人兵士』から名前を取っているだけのことはありますね」
……って、デカし怖い!!『ゴリアテタイガーフィッシュ』……目があったら食べられそうです!『旧約聖書!?』やべー奴がいるぞ!コイツは『なぎ払える』のか!?
「あ!ちなみに、ゴリアテタイガーフィッシュはダメですよ?後日水族館に出荷予定ですね。水槽でここまで大きいのは珍しいですね。あと、価格は私が勝手に言ってるだけですので」
いや入れないし!そもそも私の水槽30cmです!
「……よし!水槽楽部自慢のCRF48から選ぶがいいぞ!七海」
48種類って!?部室のカラシンは20種類位だと思いますが!?
「……むむ?ヤバイグループでお友達の龍神峠46のが良かったか?」
龍神峠46って!絶対ローリング族だよね!既にお魚とも関係なくなってるよ!どっちも危険な香りしかしません!
水槽に合いそうなお魚をとりえずは選択することにした……。
「この赤い尾ひれの透明なお魚とかどうでしょうか?」
……お魚の名前覚えていません!
「……ふむ、ダイヤモンドラミノーズテトラか!いい選択。水草水槽にはピッタリだ!あと、1階の
部室にいない魚を選んだのも評価する!」
「……七海さん経典読んできてませんよね?答えが優等生過ぎですね」
経典?てなんだ!?
「あ、あのう……経典って何でしょうか?」
「……!?七海!まさか水槽ジャーナルを読んでいないのか!!」
「……土曜日は私の家で『水槽ジャーナル第1巻』から『最新刊250巻読破会』ならびにレポートの執筆とする!!金曜日は七海の家に泊まって、朝一で高野山へ行くとする!」
え!?また高野山ですか!?気軽に行くところではありませんよ!……花梨ちゃんは毎日高野山へ帰ってますけど。
「では、お魚は『ダイヤモンドラミノーズテトラ』ですね、いつ入れますか?花梨さん」
「……ふむ、2回目のトリミングの後ぐらいが良いかなと考えている!」
「了解しました!では念のために5匹ほど隔離しておきますね」
来週には私の水槽に『ダイヤモンドラミノーズテトラ』が仲間入りだ!
今週土曜は花梨邸へ再び訪問することになった。金曜に二回目のお泊まり会もすることになった。今回は愛芽さんも高野山へ一緒に行くことになった。
あと、GWの『ヌマエビ先生採集キャンプ!?(仮)』の準備と打ち合わせもする事になった。




