第51話 風紀委員が風紀を乱す!?そんな事より水槽だ!
先週金曜に『ミナミ』ちゃんと『クルスちゃん』が私の水槽に『コケ対策部隊』として仲間入りをした。さてどうなっているのか土日の間『ふんわりと』気になっていた。普段はホームセンターなど通り過ぎるところだが、出かけたときについつい『アクアリウムコーナー』に立ち寄って観ていた。
まず気付いたことが色々とあった。部室で使っている用品がホームセンターでは無かった。どれも『若干安め』に感じた。しかし、浅い知識で用品を揃えてみると、高校生のお小遣いでは無理だった。
……いつか私も部屋に水槽を置こうと思いだしている。
あと、『水作エイト』安かったので、魔改造した『水作エイト』をとりあえず愛芽さんに教えてもらいながら1つ作ってみようかと考えている。
……実は1つ買ってきているのだ!カバンに1つ入れてきたのである。放課後、生徒会室で色々と教えてもらおうと思っている。
頭の片隅で『アクアリウム』の事を考えながら自転車でいつもより早い時間に登校をしていた。現在、『朝の挨拶週間』という生徒会ではよくある行事中である。部室に始業前に立ち寄りたいところではあるが、挨拶週間は予鈴まで拘束される。
学校の駐輪場に到着すると、丁度愛芽さんがバイクを止めていた。
「おはようございます、愛芽さん」
「おはようございます、七海さん。生徒会の挨拶週間お疲れさまです」
愛芽さんも生徒会書記の役割として『挨拶週間』に参加してくれている。私的には生徒会長は愛芽さんの方が向いてそうだが……そして、日花梨さんは……って!バイク止まっている!?
……あれ?校門で日花梨さんと会わなかった気がする……部室か!?
一日ぐらい手伝って頂きたい!
そう思いながら校門に歩いて行くと、『風紀委員』と一緒に立っている見覚えある人が!
「おはようございます。日花梨さん。今日は手伝ってくれるのですね。てっきり先週同様に部室でゴロゴロしているのかと思っていました」
「おはようございます、川崎さん。部室でゴロゴロ?何のことでしょうか?先週は生徒会長として先生方の対応しておりましたが……」
――!?
日花梨さんの背後から何やら『ヒソヒソ声』が!
……《風紀委員モブA》「……何あの子?神畑会長の事バカにしているの?」
……《風紀委員モブB》「……川崎って言ったよね?……名前三回覚えたわよ!」
……《生徒会モブM》「……ああ、川崎ね!コネで副会長になって神畑会長にすり寄る『プラナリア』のようなクズね!」
……アクリル水槽楽部『風紀委員』によるイジメ編スタートDEATH!ギャギャギャ!
――聞こえてますよー!モブ『A・B』あと!生徒会モブMって!緑川 愛芽!!!絶対、『プラナリア』って水槽の厄介者でしょ!って『プラナリア』とは何だ?
事案が発生しそうである。
「何を言っているのでしょうか?川崎さん。ささ!生徒の皆さんが登校していらっしゃいますわよ!」
淡々と朝の挨拶を終えた……が、それにしても日花梨さんの人気は半端なく凄かった。金曜までは、登校してくる生徒の殆どは目すらイマイチ合わしてくれなかったが、日花梨さんが居るだけで皆キラキラした目で挨拶をしてくるのだった。
日花梨さんは確かに『東高のミスパーフェクト』であるが……私はどちらかと言うと『危険なフレーバーの香り』がプンプンと感じる……。
……ちょっと二羽から借りたラノベの悪い影響が出ているようである!
違和感ある日花梨さんを監視しながら、粛々と挨拶を済ませ『予鈴』が鳴った。
「皆さん、お疲れさまでした。引き続き明日もよろしくお願いしますね!」
日花梨さんがシメの挨拶をして本日は終了となった。
「お疲れさまでした日花梨さん、明日も来てくれるのですか?」
「いえいえ、明日は少し用事がございまして、予鈴までには登校できればと思っております……申し訳ございません川崎さん」
……《風紀委員モブA》「……はぁ!川崎何言ってるのよ!神畑会長はお忙しいのよ!そんなことも判ってないのかしら!さっきからお姉様の事『イヤラシい目つき』で見つめていたわよ!」
……《風紀委員モブB》「……会長の事、さりげなく『下のお名前』でお呼びしてましたわね!自分の立場を判っていらっしゃるのかしら!トイレに入ったら汚物ぶっかけてやるわよ!」
……《生徒会モブM》「……ああ、川崎ね!コネで副会長になって花梨さんにすり寄る『ヒドラ』のようなクズね!」
――聞こえてますよー!モブ『A・B』あと!生徒会モブM!絶対『ヒドラ』って水槽の『ヤバい奴』でしょ!って『ヒドラ』とは何だ!?あと、日花梨さんから花梨ちゃんに変わってますよ!
風紀委員が風紀を乱す発言してどうする!あと、日花梨さん明日『ブッチ』する気満足ですか!多分『挨拶が飽きた』のだろう……後半結構適当だった。
「風紀委員の皆さん、お昼休みにでも生徒会室に来てくださいね。今日までのお礼に食後の紅茶でもご馳走致します」
どうやら風紀委員にはご褒美が出るようだ……!それより、日花梨さんの方が風紀委員A・Bに近いから聞こえていそうだが……。日花梨さんはその手の話は絶対嫌いそうなイメージだった。私の勘違いだったのだろうか?
明日も『朝の挨拶』あるので出来れば穏便に進行して頂きたいのである。
……それよりもだ!お昼休みに『部室の水槽』を見に行かねば!一気に茶色いコケが出ていた水槽が気になって仕方がない。花梨ちゃんは『……ふむ、先生に任せておけばOK……』と言っていたが……早くお昼休みにならないかなと思いながら『HRの本鈴』を待った。
水槽のことを考えながら……授業が進み……
――っと意外とアッサリ昼休みのチャイムが鳴った!
二葉には申し訳ないが、今日は教室ではなく、部室で昼食を取ることにした。二葉も一緒に部室で……っと思ったが、凄く敬遠された?二葉曰く『別棟からは……漆黒の闇に飲まれし悪しき霧が出ている!?』などと意味不明な事をおっしゃっており、遠慮すると言われた。
高校1年生は中二ではないぞ!
部室に向かう最中、風紀委員モブA・Bをすれ違い……すれ違いの際に……
……《風紀委員モブA》「……何あの子?一人で昼食?きっと便所飯よ!」
……《風紀委員モブB》「……ププ!お似合いだわ!神畑姉様に近づいた罰よ!私達は姉様と昼食よ!」
っと聞こえた気がした!そう、『聞こえた気がした!』のである!花梨ちゃん自称直伝の読心術である!
日花梨さんは私的には『危険な香り』がするのだが……。時々日花梨さんの視線で背中が凍りそうな時がある?気がする。9割9分寒い親父ギャクである!私への態度より、風紀委員2人の方がなんとなく気になった。
まあ、どうでもいいこと……『水槽の確認が急務である!』
そそくさと部室に移動した。昼休憩に部室には花梨ちゃんが居るようである。
「お疲れさまです。花梨ちゃん」
「……うむ!のほうのうぬふおおおみ……」
まずは口の中の食べ物を飲み込んでからいいですよ!
「……ゴクリ。七海も部室でお昼?」
「はい!私の水槽が気になって、水槽眺めながらお昼にしようかなと」
花梨ちゃんはとても美味しそうな『サンドイッチ』を食べていた。手作りのようだ。私もお昼を食べよと思っているが、まずは水槽の確認をした。
「おお!茶色いコケ全部無くなってますよ!花梨ちゃん」
「……うむ!くのくおこおおくこけここぬい……」
「花梨ちゃん!飲み込んでからでいいですよ!お行儀悪いです!」
「……ゴクリ。むむ!このサンドイッチが美味しいのが悪いのだ!」
そして、またサンドイッチを食べ出した。確かに美味しそう!誰が作ったのだろうか?花梨ちゃんはサンドイッチ伯爵とバトル中なので話しかけないでおこう。
水槽を眺めると、せっせと『ミナミ先生』と『クルスさん』が『ツマツマ』『モフモフ』していた。それよりも気になったことが……。
「花梨ちゃん、一週間で水面までグリーンロタラ伸びてますよ!」
……あ!話しかけてしまった。
「……うむ!もぐぐこのうおろふじこ……」「……ゴクリ。うむ!放課後、初トリミングの作業とする!」
――!?
ついにあのステキなハサミが使えるのか!?
「あ!はい!あのA〇Aのハサミ使ってするのですか?」
「……うむ!もちろん!ゾーリンゲン製のハサミはとてもシャープに切れる。切れ口がキレイなほど、その後の成長にもプラスになるのだ!」
……これは楽しみだ!『放課後お茶タイム』改め『放課後トリミング』である!
水槽を眺めながら『心桜ちゃんお手製弁当』を食べ、花梨ちゃんと何気ない会話をしながら昼休憩を過ごした。放課後がまた楽しみである。初めて買ったアクア用品の『My水作エイト様』を水槽楽部の部室に置いておいた。
……私も少しずつだけど、アクアリウムが楽しく思い始めた……。
――この時は、生徒会室で日花梨さんと『風紀委員2人』とで『何があった』知るよしもなかった……。




