第45話 アクリルは傷つきやすい?崩れ落ちる山!?
花梨ちゃんがレイアウトを考えている間に一息ついていた。海水水槽の事をちょっと聞くことに。
「日花梨さん、自宅にも海水水槽あるのですよね?10M×1M×1Mあるって花梨ちゃんから聞いたのですが、本当ですか?」
「あるよん!メッチャデカい水槽だけど、幅的には花梨ちゃんの家の水槽と変わらないと思うよん!ただ、1本で大きいだけだし。花梨ちゃん邸の水槽の方が濾過やらが4本分必要だし、水替えも4本分だしね。うちは大きいけど、1本だから水量が莫大に多いだけかなかな?今作業中の水槽をただ大きくなっただけだし。水槽って小さい方が意外と難しいよん」
「でもお金が半端なく掛かりますよね?なーんか学生が出来るレベルを逸脱しすぎてて……」
「部室の水槽に関しては、ほぼ全部花梨ちゃんの出資ですね。探偵業の報酬を回して下さってます、あと2階の私が管理している水槽は、警察や保護団体からの預かりですので預かり料名目で維持費を負担してもらってますよ」
「だねだね!資金の流れは『RO浄水器を通った水』のようにクリーンなんだよ!」
……95%クリーンである!5%は怪しい……!?
――気のせいだろうか?私は、日花梨さんの家の水槽の質問をしたような……?
「で、日花梨さんの家の水槽は……」
「……うむ!!レイアウトできた!?」
どうやら花梨ちゃんが納得いくレイアウトが決まったようである。
「よーし!ライブロック組んでいくよん!」
「……うむ!今回は、七海に頑張って貰うこととする!」
「私が入れるのですか!日花梨さんは駄目なんですか?」
……ここは日花梨さんが先陣切って入れていくとばかり……。
「……ふむ、日花梨に任せると間違いなく言ったとおりに並べない。無茶苦茶になる……」
……なんか、分かる気がする。
「了解しました。花梨ちゃん、まずはどれから入れていけば良いですか?」
「……うむ、まずは見た目が悪いライブロックでベースを作っていく……順番に渡していくから、指示通り置いてくれ!」
……花梨ちゃん自分で気に入るところに置かないのかな?むしろ指示してくれたら手渡しで渡すのだが……。
「……私では、水槽の下にてが届かないのだ!」
――危うく地雷だった!?花梨ちゃん140cm位だし。普通にこの水槽をお風呂代わりに出来そうである。
「じゃあ、花梨ちゃん指示お願いします!」
……腕まくりして準備万端である!
「うむ!ではこのライブロックから……」
花梨ちゃんの指示の元、ポンポンと手際よく並べて置いていった。予想以上にライブロックの数が多くて大変だ!120cm水槽分のライブロックとなると相当量あった。しかし、部室の水槽はこの水槽より遙かに大きい。日花梨さんの家は、ほぼ8倍以上の大きさ、奥行き・高さは倍である。とんでもなく大きい!120cm水槽は……もしかしたら部室にある水水槽の濾過槽より小さいかも。
……そして、順調にライブロックを積んでいき、調子に乗ってきた!
……七海は調子に乗ってきたのである!海水だけにビックウェー……!
――おおっと!
――調子に乗りすぎて、手からライブロック《大サイズ》が!
『ゴーン!ギギギ!!ゴドン!!』
「あああああああ!!!な、何をやってる七海!」
『てへぺろ!』
運良く、正面ではなく背面側に崩れた。傷は入ったが、正面から見えたら解らないであろう!セーフだ!
「……セーフか?背面で良かった。とりあえず、作業続ける……」
その後は、慎重に積んでいった。あまり調子に乗ると痛い目をみるのである!
「花梨ちゃんこれで完成ですかね?上手く積めました?」
「……うむ!よろしい。ちゃんと黄金比に積めている」
黄金比?って花梨ちゃんに質問すると、とんでもない事になるので割愛させて頂きます……黄金比については凄いのである!
「……よし!日花梨、ポンプ始動!」
「アイアイサー!」
日花梨さんがポンプの電源を入れた!オーバーフローに関しては、『第34話』を読めば少しは解るらしいが……『34話』とは何のことだ?
循環用ポンプが回り始めると、サンプ水槽にある水がどんどんメイン水槽に上がり始め、満水になると再びサンプ水槽に海水が循環してきた。循環が開始されると、サンプ水槽の減った水量分を手際よく海水を足した。水が循環しだすと……なんと!プロテインスキマーが一気に泡を吹いた!
「おおおおお!ちょーっと強すぎたよん!泡が噴火しちゃった!スキマーの調整難しい難しい!」
海水の水位が落ち着いたのを確認すると日花梨さんがマジックで印を付けた。印に合わせて何やら変わった機材を取り付けた。
「日花梨さん、それは何なんですか?なんか『透明な容器』の中で『リング濾材』っぽいのが『ぷかぷか浮いてますね』」
「おお!ナナちゃん!小さな円柱型の物体を観るとリング濾材と感じ出すとか水槽楽部員らしくなってきたね!ちなみに、これはフロートスイッチだよん」
……フロートスイッチ?
「七海さんフロートスイッチとは、小さいな『浮き』が付いてまして、その『浮き』が『沈む』、もしくは『浮く』と『ON』になるスイッチですね。RO浄水器に電磁弁が付いてまして、今回ですと水位が一定以上下がると『電磁弁がON』になり、自動的に水が注水される仕組みになってます。元の位置に戻ると自動的に停止します」
――す、すごい!
「凄いです!それじゃあ水が蒸発すると自動的に減った分が注水されるのですよね!」
「さっすがー!ナナちゃん分かってきたじゃん!海水水槽は、自動足し水出来ると劇的に楽安定するからね!」
「ちなみに、部室の水槽もフロートスイッチを利用してるのですよ。排水すれば自動的に注水されるのです」
「でもこれって、例えばですが、スイッチが誤作動したらどうなるのですか?」
「ふっふっふっ!フロートスイッチは2つ付いているのだよ!万が一、水位を計測しているスイッチが引っかかって上がらなかったら、さらに上にあるもう一つのスイッチが浮くようになっているのだよ!」
……どういうこと?
「下側のスイッチは沈むと『ON』で、上側のスイッチは、浮くと『OFF』になるのですよ。わかりやすく言えば、階段のスイッチですね。1階でONにして2階に上がればOFFに出来るみたいな感じです」
「さらに!なんと、この水槽にはもう一つ安全装置が付いているのだ!メイン水槽の水位が上がると循環ポンプが停止してスマホにアラートメールが届くのだよ七海君!万が一オーバーフローシステムに問題が起きたら自動停止するのだ!」
「そ、そんなことが出来るのですか!」
「……うむ!我が部のIT技術は世界一なのだ!このスマートフォンとセンサーを接続しておくと常時モニタリング可能」
「なるほど!少しスマホ見せて頂いて良いですか?」
「……うむ!我々の要求スペックに答えてくれたのだ!水槽楽部監修の一品……」
指先一つで『水替え』から管理まで出来る高性能スマートフォン?どこのメーカーかな?見た目は『愛』そっくりである。
……『GRP・グリーンリバーコーポレーション』……画面のTOPに説明アプリがあるので開いてみてみた。
1,目次
2,水質管理・水位管理について
3,位置情報システムについて
4,……項目多いな!
110,ちょっとまて!その通報前にGRPにご相談
GRPでは『ワンチャン』よりも迅速・丁寧に問題解決!まずはご相談を!交通事故でのトラブルも専門弁護士と専任スタッフによる迅速解決!
425,各種ご葬儀の相談・ご案内
不意な事故による死亡の際、即時駆けつけ対応!リーズナブルなお値段で埋葬致します。緊急フリーダイヤル0120-425-425・24時間対応致します!死亡診断書不要!
893,各種特殊武器のお取り扱い関して。
是非GRPにご用命下さい!訓練された舎弟をリーズナブルな価格でご用意。問題の即時解決、各種示談交渉・各種保険対応完備!
――アウトだよ!
「よく出来てますね……」
「……うむ!愛芽が部に寄付してくれたのだ。試験的に作ったらしいのでテストデータを取るために貸し出してくれているのだ……」
――突っ込んだら闇である!
「スマホをこのセンサーユニットに接続をしておくと、モニタリング出来るわけですね」
「だねだね!これで万事OKよん!よーし、これで設置完了だねだね!」
何とか設置は終わったらしい?あれ?ライト乗せてないような?
「あのう、ライト乗せないのですか?」
「ありゃ!忘れてた!水槽の上に乗っけるLEDタイプだから吊り下げ工事必要ないからね」
そう言うと、日花梨さんがLEDライトを出してきた!
「って!長い!!120cmはありますね!」
って……当たり前の事を言ってしまった。
「そういえば、長いね!メタハラにしようかと思ったんだけど、吊り下げ工事はだめらしい!私的にはメタハラにしたかったよん!」
「今回は生体とソフトコーラルだけなので、LEDで十分ですね。アクアリウム業界もLED化が進んでますね」
「……うむ!水草水槽は蛍光灯からLEDには難しい。海水はメタハラの特性にLEDは近い部分もあるから実現できる。有茎草はやっぱりメタハラ+蛍光灯がベター」
――日花梨さんが、LEDライト120cm×2本をブンブン振り回している!?
「あ、危ないですよ!日花梨さん!小学生ですか!」
「ナナちゃん頭堅いねぇ!そんなんじゃあ大きくならないよん!」
……なるほど、頭へ行く栄養素を胸に集めるのか!そんなこと出来るか!
「……現状不満はありませんので、脳みそにも栄養送ります」
冗談はさておき、この後はどうなるのだろう?
「……よし、水槽の準備は出来た……とりあえず放置してお昼ご飯とする!午後からソフトコーラルの投入とする!」
やっぱり放置ですか。アクアリウムは本当に時間がかかる趣味のようだ。まだ11時位なのだが、結構早めの昼食となった。
「花梨さんお昼はどうします?コンビニでサンドイッチでも買ってきましょうか?」
「……ふむ、折角なので時間もあることだし、オシャレなカフェでランチとする!」
――オシャレなカフェでランチだと!?公休なので、せめて部室で食べましょう!そして、今日は日花梨さんのバイクの後ろに乗せてもらいカフェへと向かった。




