第44話 プロテインスキマー!?悪を駆除するついでに、全てを薙ぎ払う!?
『水槽の設置』『RO浄水器』『オーバーフローシステム』の配管が終わり、『アラゴナイトさん?』砂の超スーパー凄い奴を敷いたところまで進んだ。丁度、水槽に海水を入れる事になった
「『ライブロック』は海水を入れた後から入れるのですね」
「だねだね!別に先に入れちゃってもいいよん!でも、海水を先に入れておくと、『ライブロック』を入れてる最中に崩れても、水槽へのダメージが緩和できるからね!水の抵抗でゆっくりと崩れるのだ」
……なるほど、淡水水槽とはまた違うのか。
「んじゃー花梨ちゃんお願いね!私、センスの欠片もないからから!」
花梨ちゃんにレイアウトを任せるとは意外だった。海水水槽は日花梨さんって思い込んでいたから、てっきりレイアウトもするのかと思っていた。
「……うむ、ライブロックを入れていこう。七海パッキングの蓋を全部開けてライブロックの形を観察する……」
花梨ちゃんの指示で発泡スチロールの蓋を全部あげた!
「このライブロックって、水草水槽みたいに石組んでいくのですか?」
「……ふむ、淡水の石とは違い、形が歪でゴロゴロしている。上手い具合にライブロックを重ねて盛っていく」
「ああ!花梨ちゃん花梨ちゃん!トンネル作って欲しいな!」
と、トンネルだと!?
「……正確には橋?に近い物かな?……うむ!やっぱり魚が穴を通る所も一景!子供受けしそうなレイアウトの一つ。海水水槽は遊び心も必要」
花梨ちゃんがライブロックをじっくりと眺めて、レイアウトを考え中のようだ!その時間を利用して、愛芽さん・日花梨さんとで海水を入れることにした。
「愛芽さん、この海水って……袋に入ってますよ!『海洋深層水!?』って美容用のお水みたいなネーミングですが……」
「たしかに、『海洋深層水』は『美容や健康食品』で売ってますね。この『海洋深層水』は、とある海の水深800mからくみ上げたとても綺麗でミネラル豊富な海水です。極秘ルートですよ!」
極秘ルート!?……またパン屋の配達か!?海の底まで進出しておられるのか!
「さすがに、マッスルベーカリーでもこの海洋深層水は手に入らないよん!やっぱり、海はGRPだねだね!」
……『グリーンリバーコーポレーション?』
……何処かで聞いたことがあるような……無いような?
「パン屋さんに匹敵するくらいややこしい匂いがしますが……」
「磯の香りがプンプンだねだね!」
……磯臭いです!特にこのパッケージが!
『○○海からの贈り物!グリーンリバーコーポレーション』
……海なのか、川なのか、山なのかハッキリして頂きたい!
「愛芽さん……なんか胡散臭いのですが……この海洋深層水大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫ですね。借金返済の為に必死で命がけで汲んできた、素晴らしい海水ですね」
……絶対ややこしいぞ!コーポレーションとやらは!?ちょっと調べてみよう……。
「日花梨さん。愛芽さんちょっとお手洗いへ……」
「OKOK!脱糞だね!」「ウ〇コですね、濾過とか設置していてウ〇コしたくなったのですね」
――――!?小学生か!
「……もうどっちもでいいです……」
トイレに行くのは口実で、ちょっと気になったことがあった。名探偵七海はチョット気になっていたのである。最近の流れ的に、関わる団体が『胡散臭さ100%』そう、『グリーンリバーコーポレーション』……怪しい!色々水槽楽部に入ってアクア関連をスマートフォン先生に聞いてみているのだ。
「OK先生!『グリーンリバーコーポレーション』を調べて」
――『ぴこん!』
「ご利用は計画的に!『グリーンリバーコーポレーション』。海のことならお任せください!『各種マグロ漁船・蟹工船』『フィリピン定期航路』、困ったときの『ホルモン』売買から『春のスイーツ』までスムーズにご案内!って、冗談です!」
――絶対!海洋深層系のヤバい会社だ!
……株式会社グリーンリバーコーポレーション
本社 和歌山県
支社 シベリア・フィリピン・カンボジア
代表取締役『緑川 太郎』
――そっとスマートフォンをポケットに閉まった。
オカシイ……日花梨さんが一番普通に見えてきた!黙ってさえいれば最強の美少女だ。
……水槽楽部の女子力は半端なく闇に深い!
さすが愛芽さん。花梨ちゃん、日花梨さんを相手しているだけのことはある。只者ではなかった。
一寸先は裏社会である!?さっさと戻ろう。ホントにウ○コだと思われるそうだ!
「ただいま戻りました、海水入れていきましょうか」
「おかおか!おててちゃんと洗った?遅かったからやっぱウ〇コだったのね!」
「女子はいいですよね。男子と違って、全部個室ですので。水槽楽部員はやっぱり大をすると流れた先には水槽同様の濾過槽あると思うと感動的ですよね」
……男子小学生か!日花梨さんウ〇コネタ好きですよね?たしか、入部して間もない頃……訂正、今現在も2週間経ってなかった。直ぐの頃、確か濾過の話の時に『ウ〇コ』を連発されたのを思い出した。
……やっぱり怪しい、この海洋深層水。愛芽さんに聞くべきか?聞かざるべきか?
――そうだ!?
……ちょっと実験してみよう。花梨ちゃんがレイアウトを考えている所、申し訳ないのですが……愛芽さんの家って反社会性力なのでしょうか??
――テレパシーを送ってみたのだ!
「……!?うむ!何か感じる!?」
おお!通じたか!?『花梨ちゃーん!愛芽さんの家って893ですかー!』強く念じてみた!!
「……むむむむ!!!このライブロックはこっちに置くと『黄金比』になって完璧!」
……駄目か……。花梨ちゃんは私の心が読めると思っていたが。今はライブロックに集中して読んでくれないようである。
「ななちゃん!なーーにやっとるとですか!さあさあ!海水入れていくよん!」
「あ、はい。了解しました。封切ってどばーっと入れたら良いのですか?」
「うんとね、砂が舞うから発泡スチロールの蓋を砂の上に置いて、蓋をめがけてそろーっと入れるのだ!」
「なるほど……ソイルの時と一緒ですね!」
「そうですね、一度砂が舞ってしまうと、濁りが落ち着くのにかなりの時間が必要になりますので、避けられる事は避けておきましょう」
「だねだね!んじゃー入れていくよん!」
……推定、200リットル以上水槽入れた!この面積に水だけで約200キロ以上、さらにライブロックと機材入れたら相当重そうである。
「大体入ったね!ちょっと海水の比重を計るよん!あと、愛芽さん各種チェッカーで海水の硝酸塩とか計ってくださいな!問題あるようでしたら、部室から吸着系濾材も持ってくるよん!」
「おっと!プロテインスキマーの設置忘れてた!よしよし!入れていこう!」
……『ぷろていんすきまー?』って何でしたっけ?
「プロテインスキマー?って何でしたっけ??」
「超強力泡発生器だねだね!!」
……絶対違うな!
「大体合ってますね。プロテインスキマーは、海水に大量の微細な空気を送り込んでタンパク質や不純物を除去するシステムですね」
「あ!部室のあの謎の泡発生器ですか」
「だよだよ!これがそのプロテインスキマー様なのだ!」
謎の円柱の上に『UFO』が乗っている。そのUFOからもチューブらしきのが出ていた。
「これってどういう構造なのですか?」
「プロテインスキマーは本当に泡を発生させる装置ですね。中にあるポンプで大量の細かい気泡を発生させ、気泡に不純物が吸着するのです。そして上のカップ部分に泡を排出する構造ですね。石けんを泡立て続けると溢れちゃいますよね?それと似たような現象を起こしているのです」
「海水ってなんか便利な機械あるんですね。淡水では観ないのが色々あるような?」
「オーバーフローシステム自体は淡水でも使いますが、海水は粘度が高いので利用できる装置ですね。あと、水槽にこれから付けますが『水流ポンプ』もありますね」
「水流ポンプ?ですか?」
「このライブロックは、止水域が出来ちゃうと途端に大変なことになっちゃうんだよね……だから、水槽全体にランダムな水流を作って、淀みが出来ないようにするよん!判り易く言っちゃうと、水槽の中で波に近いのを作っちゃうのだ!」
……波を作だと!?
「ですね、流水ポンプを制御して水槽内の海水をランダムに流れるようにします。一定方向からずっと水を回すと、何処かでライブロックの陰とかで『止水域』が出来ちゃいますので。」
「そ、そんなにシビアな事が必要なのですか!?」
「だねだね!どうしても大きい水槽だと『止水域』が出来ちゃうよん!『止水域』に悪い物が溜まりやすいから、流れを作ってあげて、濾過槽に汚物を排出するんだねだね!」
「濾過槽に落ちた汚物を、この『プロテインスキマー』で除去するのだよ七海くん!」
……なーるほど!って、それは『ウールマット』でもいいのでは?
「ウールマットでも除去できません?淡水だとウールマットで濾しているような」
「うーんとね、ダメなこともないけど、それだとウールマット自体も濾材になって、硝酸塩が発生しちゃうんだね!硝化作用が起こる前に、『プロテインスキマー』は汚物を取り除いちゃうのだ!」
——汚物は悪さをする前に取り除くのである!
「プロテインスキマーめちゃくちゃ優秀じゃないですか!」
「だねだね!優秀すぎて困ったちゃんなのだ!なんと!海水の良質なミネラル成分までバッチリ除去するのだよ!」
――悪を駆除するついでに、全てを薙ぎ払うのである!
「ええ!それだと困りますよね!?」
「だねだね!だから添加剤を使うのだ!」
……なんかスゴいシステム……。
プロテインスキマーを設置して動作確認をした!
「……全然泡上がってきませんね……」
「だねだね!泡が上がってくるまで結構時間かかるよん!しばらく放置しておくとクリーミーな泡が吹き上がるのだ!」
……そんな兆候すらないのだが……このまま放置して花梨ちゃんがレイアウトしたライブロックを入れることになった。
――しかし、まだ悩んでいるようなので、ジュースでも飲んで待つことにした。




