第42話 公休で水槽ざんまい!?コミュニティセンターへ出張!?
昨日、タマゾン川ネタばかり何回も繰り返し終了したのだが、帰り際に、
「……七海、明日は公休で水槽部の校外活動の日となる。朝は部室に集合……」
っと、花梨ちゃんに言われたのだが……水槽楽部が『公休』とか貰えるのだろうか?っと思った。
……密かに『皆勤賞』を狙っている真面目学生の私である!中学時代もインフルエンザで休んだが、皆勤賞だった。『公休』と『インフルエンザ』はノーカンである。大手を振って休めるのである。『公休』扱いになるならとても嬉しいが、そもそも、公休になるような活動をしているとは思えないのですが……。
そして部室へ早々に登校した。校外活動が気になっているわけじゃなく、私の水槽がどうなっているか見たいからである。部室に入ると、まだ水槽の照明の電気は入っていなかった。10時にスイッチが入るようにセッティングされいてる。遅くても18時に下校するので、下校時間に合わせてライトが消えるようになっていると日花梨さんが解説していた。
……よって朝は照明が消えている。
真っ暗ではなく、中を確認できる程度の明るさは窓からの光で十分確認できる。
私の水槽を一人でゆっくり眺めたのは、もしかしたら初めてかもしれない。まだ水草だけの水槽だけど、やはり私の担当となると『特別に見えてくる』のも不思議に思えた。周りはトンデモなく綺麗でメンテナンスが行き届いているが、やっぱり自分が関わった水槽の方が愛着がわくと実感できた。
……そろそろお魚を入れたい!……が来週月曜に『ミナミヌマエビ』という『アクアリウム界の海老様』に出動して頂くらしい。その際、アクアリウムを続けるために、とても重要なことを教えられるとも……。その際に1つ付け加えて言われたことがあった。
『たとえ、どんなに全力を尽くしたとしても、落とすときがある』と、付け加えて言われた。だから、私たちは『失敗して覚えろ』
とか『ネットで調べろ』とかは言わないと。
水槽を眺めながら、昨日との違いがハッキリ判るほど葉の形が変形を始めていた。さらに、茎と葉の間から新たな茎が出てきたりとたった二日でここまで伸びるのかと驚いた。グリーンロタラとグロッソは見た目は全く違うが、タイプは一緒のようである。付け加えるが、グロッソスティグマは葉は変形しないらしい。グリーンロタラは誰が観ても判るレベルで変化している。どちらも有茎草とのこと。
……しばらく水槽を眺めていると、ドアの開く音がした。
「おはおは!ナナちゃん!早いねー!」
「おはようございます、日花梨さん。いつも早いですよね?高野山からバイク登校……何時に起きているのですか?」
どう考えても、時間がおかしい。いつも私より早く登校しているので疑問に感じていた。登校時、バイクで毎日追い抜かれているからである。
「朝、7時位かなかな?」
……ってどう考えてもこの時間に登校無理でしょ!?仮に超特急で朝の準備をして出発したとしても8時に学校に登校は不可能だ。
「あのう……高野山からここまで『30分』とかで登校とか無理ですよ!今『8時10分』ですよね!?」
「うーん、それに関しては秘密かなかなー?花梨ちゃんが教えていいって許可してくれたら、教えてあげるよん!」
――とても久々ではあるが、水槽楽部のバイクは時速50kmである!!
「……ふむ、奥の院にあるゲートを使って七海の家の近所にある竈山神社に出られるのだ!」
……またまたご冗談をドヤ顔キメて言われても困るのですが。あと、お寺から神社にワープと自体も、仏教施設から神社へと矛盾している。
「花梨ちゃんおはようございます。さすがにその話は無理がありすぎですよ!」
――オービスの撮影用フィルムは常に切らしております!
「時速300キロで走れば写らないのだ!」
……ドヤ顔である!
「250ccの花梨ちゃんのバイクで300は出ないかなかな!私のR3なら425キロでるよん!」
「まあ、私が乗れば、自転車でも『死にゴー』キロ出せるけどね!まあ、『死神の特権って奴だねだね!」
日花梨さんもドヤ顔である!え!?今死に神とか言ってた!?中二病拗らしたぞ!?
「……私のZ250はスプロケ変えて加速重視型だから、最高速度130キロが限界……しかし、龍神で戦うには十分なスピード」
「あのう、お二方、道路に立ってる看板の最高速度ってご存じですか?」
「……ふむ、水槽楽部は、独自に安全運転を意識して一般道では50kmを終始徹底している!」
「だねだね!水槽楽部のバイクのスピードメーターは50km以上出ないのだ!」
——水槽楽部のバイクのスピードメーターは時速50km以上は出ないのである!
「……知らないこととしておきます」
「……うむ!世の中には触れてはいけない不可侵領域があるのだ!」
そろそろ、今日の校外活動の事を聞かねば……
「バイクのスピードメーターも気になりますが、校外活動は何処へ行って何をするのですか?」
「……ふむ、コミュニティセンターに頼まれて水槽を1本立ち上げる」
「だねだね!今日は私が主人公だ!」
——主人公は私です!
「何で日花梨さんなのです?って、海水水槽ですか!?」
「……うむ!今日は一般受けが良い海水水槽をコミュニティセンターのロビーにと頼まれたので設置しに行くのだ!」
「そんな大役を一女子高生がやっちゃって良いのですか?」
「むしろ、和歌山のJKが地元のコミュニティセンターで水槽管理!とか地方紙の一面にバッチリだよん!」
——どうして、学生の力!?的なのに頼るか……。
「それで、コミュニティセンターって何処にあるのですか?」
「……ふむ、学校の隣だ!」
「……隣!?学校の隣にコミュニティセンターってありましたっけ……」
「あるよん!あのデッカイ三角屋根の建物だよ!」
——あ……あった。確かにアレは何かは知らないけど大きな建物がある。アレがコミュニティセンターとは知らなかった。
「……図書館もあるぞ!貸しホールで色々な教室も毎日開催されている」
「全く知らなかった……。毎日観てるなの建物がコミュニティセンターだったのですね」
「……うむ!教室からもバッチリ見える!あそのロビーに海水水槽を設置しに行く」
「んじゃー準備していくよん!」
海水水槽を立ち上げるのは判ったが、準備?とかしてたかなと。日花梨さんと花梨ちゃんと一緒に2階のバックヤードに上がった。
「ナナちゃん!発泡スチロール持って来てねー」
花梨ちゃんと一緒に発泡スチロールの容器を持ってバックヤードの中に入ると。
「ナナちゃんこっちこっち!このライブロック受け取ってねん!」
って!?石だ!磯の香りがふんだんに漂う石だ!?
「えええええ!この石持って行くのですか!?」
「だよだよ!これがライブロック!このライブロックで海水水槽は全ての濾過サイクルを行うよん!」
「……うむ!海水水槽はこの石で全て解決する!」
何かのスマフォゲームのようだ……!石を購入して投下して解決!って
「こ、この石……そんなにスゴいのですか?」
「すっごーいよ!ホントに。この『ライブロック』でアンモニアから亜硝酸塩に分解して亜硝酸塩を硝酸塩に分解、そして硝酸塩を窒素に分解しちゃうんだから!濾過サイクルをこのライブロックがすべてするのだ!」
まさに万能な石である!この「ライブロック」を入れると濾過が完成するとは。
「この『ライブロック』を」入れるだけで本当に良いのですか?なんか不思議で仕方がないのですけど。この前から濾過について色々聞いてるだけに……」
「駄目だよん!この『ライブロック』は濾過であり、微生物の住処であり、レイアウトの土台となるベースみたいな物かなー?」
「海水水槽の濾過はちょーっと特殊なんだよん!淡水水槽では絶対に出来ない裏技的なことができるんだねだね」
「淡水と海水では大きな違いがあってそれを利用するシステムを使うのだ!」
「海水は淡水から比べると粘度がとても高いのだよだよ。その粘度の高さを利用して、水中に含まれる汚物からアンモニアがでる前に取り除くことが出来るのだ!」
「あのう……それって濾過で出来るのではないですか?普通にあの綿みたいなので?」
「……ふむ、アレは物理濾過だな……確かに水中に漂う個体はある程度引っかかる……しかしそのままにしておくと当然アンモニアが発せいるのだ。アンモニアが発生する前に取り除くには一日の間に相当な回数取り替える必要がある……現実的でない」
「え!?じゃあ、あの綿必要無いのでは?」
「……ふむ、極論で言えば、濾過が仕上がれば無くても維持できる。糞を無機物にまで処理してしまえば、水草水槽なら肥料になる」
――な、なんですと!?
「でもでも、海水水槽はそれが出来ないのだ!……違うな……出来なくもないが、それだと珊瑚が育てられないと言った方がいいかなかな?」
「珊瑚が生きていける水は、かなりキレイな水でないと駄目だよん!」
「専門用語的に言うと、『チッソ・リン酸』が高いと駄目ってこと。特にリン酸は珊瑚にとっては猛毒だよん」
「……うむ。『チッソ≒硝酸塩≒魚の排泄物』で『リン酸≒魚の餌』等で増えるのだ。だが、水草水槽をアクアリウム初心者の七海に進めたのは、チッソ・リン・カリウムを水草がある程度は吸収してくれるから、比較的安定しやすいからだ水草自体も濾過の一部となる。でも水槽内の水は汚れ続ける」
魚を飼っている以上……絶対水が汚れるってことになりますよ!?
「それだと、絶対水が汚れていきますよね?いつか崩壊しちゃいますよね!?」
「……その通り、だから水を替えるのだ!汚れた水を捨ててキレイな水を入れれば常にキレイな水なのだ」
え!?それってずーっと水替えすれば濾過装置要らないのでは?って思ったけど、水道代が変態的料金になる……って速攻気づいたの言わないでおいた。
「海水水槽のハードルが高いのは維持するのがお金使わないと一気に難しくなるからだよん!その一つに水替え。海水の元結構高いからねー!淡水と違って蛇口から出てこないのだ!」
「……うむ。濾過を大きくするのは水質安定化の為なのだ。バランスが取れるようになれば水替え回数も少なくてすむ。水草水槽や海水水槽は濾過や生態系バランスが仕上がれば、究極、添加剤と蒸発した水を足すだけで維持できる」
「その為のライブロックなのだよ!七海君!あ!ちなみに今持ってるライブロック1個で5000円はするよん!」
――!?
石はとっても高いのだ!!!!!!!詫び石をヨコセ!!
「って!このライブロック全部でどれだけの資金かかってるのですか!」
「あーえっと、425ドルだよん!今回の海水水槽立ち上げにあたり、42万5千円預かっているよん!」
半端なく高い!?私のお小遣い14ヶ月分だ!?って私のお小遣い多い?
「――あっ!ええ?42万ですか!?そんなに必要ですか!」
「うーん、足りないから私の個人所有の用品も持って行くよん!」
――どうなってる!?この部のお金は!?
「……七海、コミュニティーセンターに行けば解る。それだけの規模の水槽を立ち上げるのだ」
磯臭い高級な石を発泡スチロールの容器に詰め込んだが……これで4万以上するとは……。恐るべし海水水槽!?
「あ!言い忘れてたけど、この量を正規ルートで買うと10万はするよん!」
……お、重い!?
……重いライブロックを大量に1階へ運び荷車でコミュニティーセンターへ出発した!




