第39話 大パニック?第1回役員会!?
春の陽気と眠気と戦いながら授業を乗り越え放課後まで何とか乗り越えた。
……問題はここからである。
愛芽さんから、役員会議を実施するから副会長として参加するようにと言われていた。新年度の恒例行事とも言えることだが、堅苦しい行事ごとのひとつでもある。
会議室への足取りが重い……。
会議室のドアも重い……!って、鍵が閉まっていた。
「お疲れさまです。川崎さん」
……奈良さんも役員会議に参加して頂けるようだ。
「あの、ドアが開いて無くて……」
「鍵なら、愛芽さんが持っていると思いますよ。朝から資料を用意していたみたいなので」
……その後1分も経たない間に愛芽さんが来た。
「七海さん、奈良さん、お疲れさまです。会議室開けますね!」
愛芽さんが会議室のドアを開け中に入ると、既に資料等セッティング済みだった。
「愛芽さん何から何まで任せっきりですね……生徒会長は」
正直、今の生徒会は愛芽さんが守っている、この学校をまとめているのも愛芽さんのように思えてきた。
「いえいえ、私は所詮『裏家業』ですよ。日花梨さんには適いません」
そのようには思えないのだが……。
「どうして、愛芽さんが生徒会長にならなかったのですか?とても適任だと思うのですけど……」
「そうね……生徒会長ってやっぱりカリスマ性が必要と思うからね。私はそう言うの苦手なので」
「その点で言えば、七海さんは生徒会長としてとても魅力的な素質を持ってると思いますよ」
実際、私も中学時代は『生徒会長』だったわけだが、特別何をしたって事もなかった。
――訂正、一つだけ前期・後期の二期をかけてやったことがあった。
校則を変更したのだ。学校の校則は生徒と教師の双方が認めれば変えることが出来る。校則に明記していないのにも関わらず、先生側が勝手に決めたルールでの横暴があったからだ。単に正義感を振りかざしたわけでも無い。時代に合っていない事だったから、時代に合わせて校則を変更しただけだ。
『携帯・スマートフォン』の扱いに関してである。
みんな持っているが、学校へは持ってきてはいけない。しかし、帰り道で不審者・事故があればどうするのだって事である。私は、『携帯・スマートフォン所持を許可』『学校敷地内では所定の場所に入れ電源OFF』という校則を追加した。田舎特有の事情があるからどうしても携帯の所持は親御さんからの要望の数も多かった。
……学区が広すぎる。片道自転車で30分かけて登校する学生もいたからだ。3年間で『ヒヤリ・ハット』などよくある。イノシシとかに襲われたらどうするんだと!助けなんか来ないぞ!!通学時の事件事故を盾に所持を認めさせたのである。
先生が毎日登下校通学路に立たせ全生徒が安全に帰るまで見守りするか、『携帯』の所持かで天秤にかけたさせたのである。もちろん、部活終了、土日の部活終了も含めてのことである。
――それ以来、私は鬼の七海様と呼ばれたのである。
追い込み方が正義の味方ではなく、『悪代官様』のようだと……とても不愉快です!
実際、生徒会が本気になれば校則を変更することは可能なくらい実権があるだ。
過去のことを色々考えている間に、各委員長・クラス委員長が集合していた。
先生方も着席され……役員会議がそろそろ始まりそうだが……。
――日花梨さん来てないぞ!?
「あのう……日花梨さんは?……」
……小声で愛芽さんに訪ねた。
「いつもこんなもんです。そろそろ来ますよ」
……ちゃーんと活動してくれるんだろうか?
……とその時、である。
――ドアの開く音がした。
「皆様、おつかれさまです」
――!?
「今日はお集まりいただきまして、ありがとうございます」
「放課後の新入生の対応や、新年度の関連でお忙しい中、お集まり感謝致します」
「東高校の生徒会長をさせて頂いております神畑です」
「一年生の方は、ウォーキングイベントお疲れさまでした、皆様の協力のお陰で、無事事故も無く終えることが出来ました。新任の先生方も至らない部分が多い生徒会メンバーですが、ご協力よろしくお願いします」
――誰だあれは!?
「それでは、第一回の役員会議はじめさせて頂きます。まずは生徒会から、今年度入学された一年の川崎七海さんが生徒会副会長の任を受けていただきましたので、まずはご挨拶よろしくお願いします」
――全くの別人ではないか!!!!!!!
「七海さん!七海さん!」
……小声で愛芽さんが呼びかけてくれた。
「あ!はい!あの……」
――無難な挨拶をし、
「――ということで、3年間よろしくお願いします」
「そして、もう一方、書記として、寿 奈良さん。寿さんは、去年までお世話になりました前会長の明日香さんの妹さんになります。お姉様同様に生徒会役員として協力頂けることとなりました。それでは奈良さんよろしくお願いします」
……って!!!中身別人だぞ!!日花梨さん!!
――っとツッコミ入れたい衝動が!?
「ご紹介いただけました、『寿』です……」
――奈良さんも無難な挨拶を終えた。
「ありがとうございます。それでは、引き続き進行を緑川さんよろしくお願いします」
「それでは、今年度の行事予定からご説明させて頂きます」
……その後、愛芽さんの進行で無事役員会議は終了した?
日花梨さんはその後ただ座っているだけだった。
……何やら怪しい目線が多いが……どうやら日花梨さんを見つめている女子が多い気がするが!?
――百合か!?ゆりの花なのか!?
可憐なる生徒会長を見つめる女子か!?
……まあ、黙っていたら間違いなく美少女だが……水槽楽部での素行を知ってしまった私的には『ナシ』だな。
各選抜の委員長を流し観していると……おい!若干1名ほぼ寝ているぞ!?って双葉か!?
――そして役員会議は何も問題が起きず終了となった。
当初予定通り、愛芽さん仕切りで難なくこなせた。
「愛芽さん、お疲れさまでした。さすがですね。上手くまとまりましたね」
「いえいえ、七海さんもありがとうございました。」
「奈良さんもお疲れさまです、これからも生徒会一緒によろしくお願いします」
「……嫌よ!生徒会は、水槽楽部のメンバーで何とかなさい!あと、気安く下の名前で呼ばないで頂けますか?『川崎』さん!」
……奈良さんと『水槽楽部の溝は日本海溝より深いのよ!』って事が判った。
「奈良さん、七海さんは水槽楽部員ではありますが、生徒会がメインです。出来れば、仲良くして頂けると助かります」
「現に、今回の役員会議も主要メンバーとして出席して頂いてますし、先日のウォーキングイベントも誰よりも早くゴールして生徒会のお手伝いをして頂きました。生徒会としての活動していただくためには、七海さんの協力は不可欠です」
――間違いなく座っていただけです!……あと、イベントの時はさっさと終わらせて遊びに行くつもりでした!
「……まあ……去年いなかったね……ごめんなさい、生徒会役員として、よろしくお願いします川崎さん」
「はい!よろしくお願いします。奈良さん!」
……返事は返してくれなかったが、名前で呼ぶのはOKしてもらえたと考える事にした。距離は縮める事は出来なかったが、離されることと、誤解をされずには済んだので奈良さんと水槽楽部の問題は、時間をかけて慎重に進める必要があると判った。
……それよりも……。
「あー疲れた!疲れた!生徒会長なんでやらないとイケナイのかなかな!!」
いつもの日花梨さんが帰ってきた!
「すごい猫かぶりですね……日花梨さん……」
「ええ?だって!普通にすると、愛芽ちゃんに怒られるからだよん!」
……なるほど……逆アイドルパターンですね!
「そもそも、日花梨さん、殆ど最初の挨拶だけであとは座ってニコニコしてただけでしたよ!」
「いえ、そうお願いしていますので。あれ以上喋ったら集中力が切れて大変なことになりますので」
……なるほど、愛芽さんは相当な策士です。
「んじゃー!ナナちゃん、部室行くよん!」
そうだった!昨日立ち上げたばかりの水槽を見に行かねば!?
「七海さん、部室へ先に行ってもらって結構ですよ。書類片付けたら、私もすぐ行きますので」
――ここはお言葉に甘えて……。
「いえいえ、私も生徒会のメンバーですので、書類を片付けてからにします」
「真面目さんだねだねー!」
日花梨さんはもっと生徒会長としての自覚を持ってください!
――その後、愛芽さんと今日の会議録を纏め、第一回会議は終了となった。




