第3話 アンティーク!?
いろいろな形の「ハサミ」と「ガラス細工」がまるでアンティークショップのお店で売っているかのような輝きを魅せていた。
「先輩・・・ハサミとガラス細工は凄く美しいです・・・何に使うのですか?」
逃げるようにこの場を立ち去るつもりだったが、見たことない道具に目を奪われてしまった・・・。私は、幼稚園児のからアンティーク調雑貨には目がない…人生と言っても過言では位アンティーク好きで、小学校入学のお祝いで買ってもらう学習机とかも、おばあちゃん家に置いていたアンティーク調デスクをねだるくらいだ。私のアンティーク魂に触れてしまったのだ。美容師のタマゴでもこの部にはいるのだろうか?水槽とは無関係っぽい道具だけに思わず訪ねてしまった……。
「あ、それね……」
あれ?もっと「ドドドド!」とさっきみたいにウザい位に解説が飛んでくるかと思いきや……。
「私って、漢は黙ってG○X派!ロ○ボーイ派なんだよね~決してエイト様ではない!」
よく分からない単語が返ってきた…あと会長はもちろん女性である。どうやら○○派とかがあるらしい。吹奏楽部でも大きく分けて…ホントに大きく分けて…「打楽器」、「管楽器」、「弦楽器」、「鍵盤楽器」とある。それに似た感じのいわゆる「○○専門」的な事が水槽にも存在するであろうと察した。
「それ触ったら駄目だからね!部長の花梨ちゃんの私物だから。あとブチ○されるよ!」
どうやら部長の花梨ちゃんの持ち物らしい。
「あれ?会長が部長さんでないのですか?たしかセンターでボーカルされていましたよね?」
「ちがう!ちがう!私は2年だし、部長って何処でも3年がやるものだしね」
うちの学校の生徒会長が2年の「神畑 日花梨」なのは、それはそれは日本海溝のように深ぁぁい事情があり……ただ3年生で誰も立候補しなかっただけらしい。
「花梨ちゃんのアクアリウムの軍資金の出元にはグレー過ぎるかなかな……。並んでいるアクアグッズは全部で数十万するからねー。それに海水水槽も花梨ちゃんのだし」
「す、数十万ですか!?ペットショップにそんな高いのあったかな……?」
「花梨ちゃんが来たら聞いてみるといいよ?とは言え、今日はお仕事だから来ないけど」
どうやら花梨先輩はバイト?らしい。
「七海ちゃん、とりあえずこの用紙にクラスと名前書いてね」
……はっ!
入部届がどさくさ紛れに出てきたのである。
「か、書きませんし入部もしません!」
「あ、そういうよくあるラノベ的流れいいやら、今日の所はパパッと書いておこう!どうせ、流れ的に水槽学部に入ることになるって!」
「あと、その道具の持ち主の花梨ちゃんは部員以外とは話してくれないよ!部員になれは触ったり愛でたりとかOKになる特典付き!逆に、部員の前だけはそれはペラペラと喋ってくれるよ!」
何だか解らないけど、あの素敵なハサミとガラス細工に関して聞くには、「この部に入る」が条件らしい。もう一つ解ったこともあった。サインするまで帰る事ができないのも理解した。入店したら最後買わないと帰れないアレである。
「わ、私、吹奏楽部に入ると決めているので!……これで失礼します!」
帰ろうした私に対し……。
「うちの学校、吹奏楽部は無いよ?紛らわしいから、花梨ちゃんが粛清したからね!」
え!?……粛清って……。
「ちなみに、水槽学部の部室は元吹奏楽部の部室でもある!」
「元々、理科準備室が部室だったけど、手狭になったので去年ここに引っ越ししてきたのだよねぇ」
「それは血で血を洗う激戦で……」
この部の部長さんはただならぬ人っぽい……しかし、ハサミとガラス細工がとても気になる……!
「あのぅ……後日部長さんが部活に参加されるときにもう一度来ます!」
そそくさと、水槽学部の部室から何とか脱出をした。
「花梨ちゃんは明日来るから!……絶対来てね!お菓子用意しとくから!」
去り際に……部長さんが明日来るということも聞こえた。何としてでも1年生新入部員を入れたい意志はとても高いようだった。
次回は登場人物紹介を挟みます
※第3話は初期の表現力が乏しい部分が多い内容でした。
大幅に改変を致しました。