第35話 植栽!?初めての水草水槽
花梨ちゃん、日花梨さんと紅茶を楽しみ、一息ついたあと……
「……ふむ、一息ついたのでそろそろ七海の水槽を立ち上げをしよう!」
水槽を立ち上げる?とはよく考えたらどういう意味なんだろう?ちょっと引っかかった。
「花梨ちゃん、水槽を立ち上げるって言いますが、何故立ち上げるって言うのです?」
「……ふむ、水槽って今の状態だと、ザックリ言うと何も機能していない。でも、水を入れると動き出すから?……ちょっと違うな……」
「んじゃ、私が簡単に教えて進ぜよう!!」
……日花梨さんが教えてくれるらしいが……適任者は、間違いなく愛芽さんであろう。
いない人……待てよ?
あの、愛芽さんに聞いたら駄目ですか?
「ええ!!!私じゃ不満なのかなかな!!」
……不満は無いが、面倒くさい人なので……
「この無線って、私は使えないのですか?」
「んとね、免許がいるよん!」
……なるほど……
「それじゃ!愛芽ちゃん呼び出してみるかなかな?」
……スマフォを取り出し、
「はい!七海さんどうかしましたか?」
「ちょっと!ナナちゃん!無線使おうよ!」
和歌山の電波良好である!
「あの、水槽のことで聞きたいことがありまして……ちょっといいですか?」
「あ!良いですよー、今丁度、ティータイムでしたので。水槽のことなら、日花梨さんか花梨さんに聞けば大体答えてくれそうですが……」
「だよだよ!私が教えてあげるだべさ!」
「なるほど、なんとなく察しました。それで何についてです?」
察して頂いて助かります……。
「あの、初歩の初歩のことなんですが、『水槽を立ち上げる』ってどういうことなのかと……」
「ふむふむ、水槽は生きているって表現……ちょっとおかしいかな……」
あれ?花梨ちゃんと同じような表現だった。
「……うむ、水槽は生き物なのだ……」
「七海さんが水槽を立ち上げようとしている所で、『立ち上げる』って何?って思ったわけね?」
「水槽を立ち上げるとは、今の七海さんの水槽は、ただソイルが入っているだけで何も活動していない状態、でも、水槽に水を入れると、水槽の中や空気中のバクテリアが『活動』始める。簡単に言えば、『魚を飼育できる環境作りをスタートすること』かな?」
「なるほど……水を入れて魚を住める状態にすることが立ち上げるなのですね?」
「うーん、合ってるようで間違っている……難しい……」
「そもそも、『水槽を立ち上げる』という表現が曖昧だからねー」
「だから、あまり気にすることないかなー?日花梨さんや花梨さんとどんな話したかは知らないけど、慎重になりすぎるのも失敗する元だと私は思うけど」
――ちょっと慎重に行きすぎかな……?
「とりあえず、なーんにも考えずに水草植えてドバーッと水入れたら良いと思いますよ」
「花梨さんが一つ一つ教えてくれますので」
「はい!ありがとうございます。まずは水を入れてみます」
――通話を終了し
――水槽の『立ち上げ』を開始する!
「それで、花梨ちゃん、水入れら良いのですか?」
「……ふむ、私的には先に水草の植栽から始めたい!」
「はい!では水草を植えていきます……って水草ありませんが?」
「……うむ、ちょっと待ってて水草取ってくる……」
花梨ちゃんが水草を取りに部室から出て行った。
っと思ったら、すぐ戻ってきた。
「……良い状態、七海、これを植栽するのだ」
え!?これが水草!?
「あのう……この水草が、グリーンロタラですか?な、なんか全く別物のように思えますが。葉も丸いですし……」
「……そう、園芸部のプランターで育てていた水上葉のグリーンロタラ」
――え!?どういうこと?
「この草は、プランターで育てていたのですね?この草を植えるのですか?それだと水を入れたら枯れて腐ってしまうと思いますが……」
「……うむ、枯れない。水の中に入れると、水中葉を展開して、あの水槽のようになる」
って……えええええ!?
「ま、全く別物になってますよ!こんなにビッシリとキレイに育つのですか!?」
「……いや、植えて水を入れただけでは、ならない。きちんとトリミングやピンチカットを繰り返し、『co2の添加』、『強めの光』が必要。また、成長には栄養素の適切な添加が必要」
って!滅茶苦茶難しくないですか!?
「……グリーンロタラは水草水槽の基本を覚えるにはすごく扱いやすい。何より、イッパイ増えるし、安い」
「わ、私に出来るのですか……もうちょっと簡単なのから……」
「……ふむ、グリーンロタラの生長は早いけど、すごく時間がかかる、そのグリーンロタラが繁茂した水槽を創り上げるのに3ヶ月を要した」
そ、そんなにかかかるのか!?
「……だから安心するといい。とても簡単、むしろこれが一番イージー」
――すごく高度な気がしますが……。
「まあ、ハードコーラルから比べたらイージーだねだね!」
――海水水槽はそんなに難しいのか!?
「は、はぁ……それでどうやって植えるのですか?」
「……ふむ!このプロシザース・ショート(¥7800)を使って……下葉をカットして取り除き、茎を5cm程度ににするのだ!」
――えええ!?なんか今脳みそに直接金額が通信してきたぞ!?
「うん!ただのハサミだねだね!」
「は、はあ……水草を植える前に下処理ですが……」
花梨ちゃんの手解きを受けながら、グリーンロタラの植栽前の処理を20本程した!
――七海の水草水槽スキルが1upした!
「……うむ!良い出来、これなら植えやすい」
「……次に、グロッソの処理」
「……グロッソは、まず付いている土をキレイに落とす。水洗いOK……事前に洗っておいたのでそのまま使うといい」
「……植栽しやすい量に切る。大体5、6株位を1まとめにするといい」
花梨ちゃんの手解きを受けながら、グロッソスティグマの植栽前の処理を20セット程した!
――七海の水草水槽スキルが1upした!
「これで、植栽の準備はOKですね!」
「……ふむ、次は植栽するにあたり、ソイルを湿らせるのだ!」
「……このダリヤオートマチックスプレー(霧吹き)を使い、ソイルに水を含ませるのだ!」
「百均の霧吹きの方が小さくて良いかもかも」
「乾いた状態だと難しいのですか?」
「……うむ!ソイルのレイアウトが崩れやすいのだ。しかし、七海の水槽はフラットだから崩れない」
「花梨ちゃんのお胸のようにフラットだねだね!」
――霧吹きでソイルを湿らせた!
――七海の水草水槽スキルが1up、注水スキルが1upした!?
「……よし!では植栽を始めるとしよう!!」
「……植栽は、A○Aの水草専用ピンセットMを使うと良い!」
「似たようなピンセット、ジェェェェックス!!なら1,000円安いよ!」
……。
「……グリーンロタラの植栽の手本を見せる。真っ直ぐ植えるのでは無くて、少し斜めに刺す感じに1本ずつ植えていく。」
水槽の後ろ側に植えたのだけど……。
「あのう、どれくらい前まで植えたら良いのですか?」
「……大体でいい、後ろの方に植えておけば良い。後方より前の方へどんどん繁茂してくる。真ん中辺りまで適当な間隔で植えておく」
「それじゃあ、ここら辺りへ……」
後方より、3分の1?10cm位まで植えることにして
ブスッと!グリーンロタラの植栽をしてみた。
――七海の水草水槽スキルが1up、植栽スキルが1up、A○Aグッズへの愛が100upした!
「新たなるA○A信者の爆誕を日花梨は今ここに宣言する!」
「……だまれ小娘!!用がないならさっさと地獄に帰れ!!!」
「えええ!!ちょーっと茶化しただけじゃん!」
さっきからチクチク小うるさい小姑のように用品の事にもの申していた。ちょとイラッとしていた。花梨ちゃんが怒ったのだ。
実際使ってみて、水草用のハサミとピンセットはとても使いやすかった。何よりデザインが素敵である
「花梨ちゃん、このピンセットすごく使いやすいですね。初めて水草を植えたけど、なんか簡単に植えられました」
「……うむ!このピンセットはすごく使いやすい」
「見よ!皆の衆!!これが信者同士の日常の会話であった!」
――空気が凍り付いた……そして花梨は銘刀『幸村』を……
「だから、花梨ちゃんどこから……えっと『真田丸』でしたっけ?部室にも置いてるのですか!」
……花梨ちゃんから迷刀『真田丸』をひょいっと取り上げた!
「……いやだから……なぜ取り上げる」
「前セリフ無しで抜刀する時点でバッサリ行く気満々でしょ!」
「……ふむ、危うくバッサリ行くところだった」
「日花梨さんもですよ!私たち真面目に水草植栽してるのですよ!」
「って!日花梨さんもですか!うちの部は演劇部ですか?そんな大きな草刈り鎌出してきて!」
「ナナちゃん!これはデスサイズだよん!失礼だねプンプン!」
……ちょっとこの二人には付いていけなくなった来たぞ!
「ホントに……嘘つくならもうちょっとわかりやすい嘘を……」
仕方がないから花梨ちゃんが多分演劇部から失敬してきたであろう『迷刀 真田丸』と日花梨さんの『大きな草刈り鎌』を返しに行くことに。
日花梨さんから『草刈り鎌』を取り上げ……
「七海取ったら駄目だ!!」
――ヒョイッと!日花梨さんから鎌を回収した。花梨ちゃんがスゴい勢いで止めに入って来たけど、それより早く回収した。
「な、ナナちゃん!!!なんで持てるの!?」
「あのう……私をからかってるのですか?ホントに、演劇部に怒られますよ……勝手に持ち出したら」
とりあえず、水槽の立ち上げが終わったら演劇部に返却しておこう。
「ああ、ナナちゃんこの鎌私の私物だから……返してね!」
「……うむ、この幸村は私の愛刀、返してもらう」
「ホントですか?……まあ、仕方がないですね……納得はできませんが……危ないので持ち歩かないでくださいね」
……二人に『真田丸』と『草刈り鎌』を返却した!
水槽の立ち上げから脱線したが、その後グロッソスティグマも無事植栽が完了した。
「……ふむ、よろしい!いい感じに水草植えられた」
「でも、なんか間が開きすぎてませんか?これじゃあスカスカですよ?」
「……うむ!これでいいのだ。3週間もすれば、結構繁茂する」
「え!?たった3週間でこの隙間が埋まるのですか!?」
「……その後3ヶ月で、この水槽と同じ感じに水面までグリーンロタラがビッシリ育つ、私の家で見たグリーンロタラ水槽みたいになる」
部室には『PCの壁紙風水草水槽』以外にも色んな種類の水草水槽が数本あるが……
「3ヶ月で他の水槽みたいになるってことですか?」
「……うむ!このメイン水槽も半年程しかたってない」
「早いのか遅いのか判りづらいですね……」
「オオバナサンゴさんは『数cm』大きくなるのに『数ヶ月』かかるよん!珊瑚の成長から比べたら水草は早いねぇ!!」
「……水草水槽は日々成長を楽しむのも醍醐味!夏休みのアサガオの絵日記みたいにすくすく育つ。あと、グリーンロタラの葉の形状が少しずつ変化していくのも楽しい」
「あ!グリーンロタラの葉の形状変わるのですか!」
「……うむ!『丸い葉』が『十』の形に変化するぞ!」
今後の成長が楽しめそうだ!
「……よし!七海注水を開始するぞ!」
「それじゃあ、バケツでどばーーーーっと!!入れちゃおう!!」
「……日花梨もう家に帰れ……」
ついに花梨ちゃんが日花梨さんに飽き飽きしてきたようだ!
「あの?バケツで入れたら駄目なんですか?」
バケツや何かの容器で入れないでどうやって水を入れるのかと思った。
「……ふむ、ドバッと水を入れたら、折角レイアウトした水草とソイルがグチャグチャになる」
「え?先に水を入れなくてよかったのですか?」
「……植栽は水を入れてからでもいいけど、水が入っていない状態の方が植栽しやすいのだ。注水の準備する」
花梨ちゃんはキッチンペーパーを取り出した!
「え!?キッチンペーパーですか!?」
「……うむ!これを前景草のグロッソに上に敷く、そして霧吹きで湿らせる」
花梨ちゃんからクッキングペーパーを受け取り、適量を切って前景草の上に敷いた。
そして霧吹きで敷いたばかりのペーパーを十分に湿らした。
「こんな感じでいいですか?」
――七海の水草水槽スキルが1upした!
――注水スキルが1upした!
――料理スキルが1upした!
なぜ!?料理スキルが上がる!?
「……よし、いい感じ。それじゃあ、このシャワー付きホースで水を入れるのだ!ただし、そーーーーーっとだぞ!そーーーーーっと!今敷いたペーパーに当てるようにそーーーっとだ!」
……そーーーーーーーーーーーーっと!水を入れた!
すこーーーーーしだけ水が濁ったかな?
「……ふむ!合格少々の白濁りはこのソイルなら普通」
――七海の水草水槽スキルが1upした!
――注水スキルが1upした!
「これで水槽の立ち上げは終わりです?」
「よーーーし!じぇぇぇぇぇっくす!のらーくらくふぃるたぁぁ!!の電源入れるよん!!!!!!」
日花梨さんがハイテンションである!
「……うむ、フィルターの電源入れる」
「あっと!その前に、らくらくフィルターに呼び水入れ入れする!」
呼び水をフィルターに入れると……
「それじゃあコンセントにブスッといっとこう!」
水槽台の後ろに丁度コンセントの差し口があったので……
……ブスッと!
……ゴゴゴゴゴゴ!じゅるじゅじゅじゅじゅ、ジャーーー!
……音が消えた!
「おけおけ!水が循環しだしたよん!」
――七海の水草水槽スキルが1upした!
――濾過スキルが1upした!
――GEX愛が10upした!
――日花梨のGEX愛が10アップした!
――花梨のGEX愛はアップしなかった!
「……七海、フィルター回して減った分の水を入れる」
減った分を足して注水が完了した!
「あの……これで」
「……無事、水槽立ち上げ完了!」
「なんか……地味というか……この後どうするのですか?」
「……一週間このまま放置」
ええ!?またお預けですか!?
――水槽は時間をかけてじっくり楽しむらしい!




