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アクリル 東女子高水槽楽部  作者: 川崎タイチ
水槽立ち上げ編
32/77

第30話 星空の海・月夜の細流、そしてお風呂にまで!?

 夕食が終わり食器を洗い終わったが、お風呂に入るにはちょっと早い時間であった。



花梨カリンちゃん、そろそろお風呂にしますか?」



「……ふむ、その前に2階へ行こう。見せたいのがある」



 そういえば、ここの2階はまだ行ってなかった。しかし、予想は出来る範囲だ。花梨カリンちゃんの部屋や寝室が1階にはない。



「わかりました!!」



 そういえば、日花梨ヒカリさんがいなかった。



日花梨ヒカリさんはどうしたのですか?」



「……帰った……今日は深夜アニメがある日だからさっさと帰って仮眠すると言ってた」



 ……本当にアニメオタクなのか!?何でもありな人である。双葉ふたばも平均的スペック持ちだが日花梨ヒカリさんが極度のアニオタとはさすがにズレを感じた。



 二階に上がると部屋の扉がが3つ程あった。そのうちの一つの部屋に入った。部屋に入ると女子の部屋っぽさがある部屋だった。花梨カリンちゃんの部屋なのだとすぐに判った。花梨カリンちゃんの部屋の中にも……



花梨カリンちゃんの部屋にも水槽あるのですね」



「……うむ!丁度30cmのキューブ水槽。七海ななみの水槽と同じサイズ」



 ……正直、驚いた!!



「こ、この水槽……確かに部室の私の水槽と同じサイズ……」



 水草のみが入っている水槽だった。底面手前にはとてもとても小さな葉の水草が1cm程の厚みのある絨毯のようにビッシリと育っていた。中景から後景にかけては、緑色の十字の葉と赤色の葉がランダムにドーム型に綺麗に育っていた。ワンポイントに緑の濃い少し大きめの葉の水草が植えられていた。そして水草からは沢山の気泡が水面に向けて炭酸飲料のように吹き上がっているのである。



 とてもとても小さな魚が10匹ほど泳いでいた。メダカのように見えるが全く違う種類っぽい魚だった。



「……この魚は『アフリカンランプアイ』メダカのように見えるけど全く別の種類」



「あの部室と同じサイズですよね?なんか大きく見えます!」



「……遠近法を使っている……手間を低く、奥にかけて徐々に高くすると奥行き感が出る。あと、自然っぽく見せるための法則も使ってる。前景の水草『キューバパールグラス』から中景の水草の境目とか。構図を少し離れてみるといい」



 水槽にかじりつくように観ていたが少しだけ距離をおいてみた。



「……全体を見ると大体だけど、『黄金比』に石と流木を置いてその間に水草を植えている。あと流木と石を上手く組み合わせて、前景と中景と後景を切り分けてる」



「……このワンポイントに植えている「アヌビアスナナ」は境界線に植えている。光の当たり方を表現するために葉の色が濃く暗めの水草を使って明暗を付けている。明暗を付けることにより、より色鮮やかな『グリーンロタラ』の色を引き立てる」



 まさに小さな世界だ。小さい水槽でも工夫次第では大きい水槽にない魅力的な水槽が出来るのだと花梨カリンちゃんは教えたいのだろうか?あと、美術の時間で習った『遠近法』『黄金比』を使ってるのには驚いた。アート的水槽?



「美術の手法を使ってレイアウトしてるのですね。花梨カリンちゃんは本当に水草水槽を愛してるのですね。アクアリウムって魚を飼育する趣味かと思ってましたが……」



「……ふむ、私はどちらかというと水草メインでやってるからね。魚メインなら愛芽アンナが専門、彼女の水槽は魚を適切な環境を構築して育てる事がメイン。それもアクアリウム」



「両方を両立するって難しいのですか?」



「ふむ、可能と言いたいところだが、それは出来ないのだ。何故なら生きているから」

「魚が生きて行くには必ず必要な要素がある。それは人と同じで食べる必要がある。必ず食物連鎖が水槽内で起きる。だから難しい。日花梨ヒカリが言ってた『ヤマトヌマエビ』は最高の生き餌ってのもその通りで少し大きめの魚になってくると、小さい小魚や海老を食べる」



「食物連鎖ですか……。意外でした、餌あげていれば大丈夫なのかと思ってました。水族館とかだと、サメとサバとイワシが一緒に泳いでいるとか普通にあるので」



「……水族館のサバもイワシもサメに食べられてる……サメがお腹がイッパイなら食べられない。七海ななみの言っていることは合ってはいる」

「餌自体も動物性の素材で出来ている高タンパク質。沢山の魚を入れるのは沢山餌が必要になる。大きい魚を入れるとそれだけ大きな餌が必要になる。そうすると糞や食べ残しが多くなって濾過が追いつかなくなって水が汚れるから」



「……実際近所の川に見に行ってみよう。今から」



「い、今からですか!?危なくないですか!?」



「……うむ!大丈夫外は意外と明るい」



 さすがに危ないと思いますが・・・。とりあえず川に行くことになった。



 1階に降りて、玄関からではなく裏口から出た先に。



「……家の裏に川が流れているのだ!」



 確かに、危なくはなかった。普通に家の明かりが届くところに比較的ゆったりとした細い川が流れていた。



「……水槽で魚を飼うことが難しい理由……」



 正直、何が何だか判らない……魚は……泳いでいるか確認できないし。



「……これだけ綺麗な川でも魚を目を凝らして探さないとイケナイくらい魚は泳いでいない」



「はい……大きい川でも小さい川でもパッと見ただけでは魚は見つけられません」



「……うむ。それでいい。それが答え。」



 ????判らないです……。



「……魚一匹あたりの生息面積の事、例え大きな水槽でも、この細い川の水量や濾過能力からすれば、コップの中で魚を飼う程の体積の差がある。」

「仮に川にコップ一杯の餌を投じても然程さほど影響がないが、水槽に同じ量の餌を入れたら次の日には水槽の水は汚れ、魚に悪影響が出る。」

「そして魚は死ぬ。水が汚れれば、当然、水草も死ぬ、その死骸が水を汚しさらに生体が死んでいく。」

「だから、水槽のサイズによって、その魚が生きていける数や大きさ種類に注意する必要がある。しかし、アクアショップでは『商品』として魚を売る必要がある。どうしてもキャパシティに近い数を一つの水槽に入れる事になる。」

「小さな水槽に沢山の魚をビッシリと入れると、例え水が綺麗だったとしてもストレスで調子を落とし死に至る事もある。」



「……少し説教っぽくなった……要約すると大きな水槽で少しの魚で飼う方が安定するって事」



「ぼんやりですが、判った気がします。アクアリウムって元々自然にある生き物ですから。この小さな川から比べても水槽ってとても小さな入れ物ですね……」



「……うむ!水槽は魚にとっては、とても小さい家なのだ」



「……七海ななみ、空を観てみるといい」



 ――!?



「キレイ!!」



 ――まさに星空の海だ!?



「……うむ!高野山の夜はとても明るい……」



「なんか、私の家も結構田舎ですがここまでキレイでないですね」



「……ここは標高も高くて光害になるような建物がない。空気も澄んでいて星もキレイなのだ」



 アクアリウムとは関係ないと思ったが、この星空はいい思い出になった。



「……夜はとても重要な要素。アクアリウムでも、特に水草水槽は夜が必要になる。水草は夜に成長するのだ」



 夜空はとてもキレイでここに染み混んだ……が、さすがに寒い!?



花梨カリンちゃん、そろそろお風呂にしましょう。体も冷えてきましたし」



「……ふむ……確かに天気のいい夜はとても冷える。お風呂にしよう!」



 花梨かりんちゃんとのお風呂に二日連続で入ることとなった。



 お風呂場は、探偵事務所兼リビングの奥手にあった。少しビンテージ風建物なので……まさか五右衛門風呂とか薪を焼べるタイプのお風呂ではないか?と期待半分・面倒くささ半分で構えていた。


「……七海ななみ、建物は古いが、水回りはリフォーム済み。お湯張りボタン押してくる。あと、お風呂は自慢の自動洗浄モード付き」


 そういえば、トイレも最新だった。驚いたのは水の消費量だ、恐ろしく水を必要としない設計の最新式だった。食器を洗ったが、よく考えたら食器洗い機もあった。流し台の蛇口も最新の蛇口だった事も思い出した。


「……水は大切にしないと、水槽用の水替えの水量が多すぎて水道メーターがグルングルン回る」


 このリビングの4本の水槽の水量を考えると相当量必要になりそうだ!


「水替えって、これだけキレイな水槽でも必要なんですね。すごい透明度ありそうですけど」


 お風呂のお湯が貯まる間、少し水槽について聞いてみたりすることに。


「……ふむ、この水草水槽は水質がとても安定しやすい。水替えは然程さほどする必要はない。しかし、簡単に言えば『水が古くなる』と言ったら解り……難いか……」


「……水替えをやらないと悪影響がある事もある。しかし、水替えをすることで新鮮な水が……ちょっと違うか……」


「……水替えに関しては、愛芽アンナに聞いた方がいい。彼女の方が説明が上手いはず……濾過の問題でもあるし」


愛芽アンナさんは水質とか濾過にはくわしいのですか?」


「……ふむ、愛芽アンナは水族館で働いているから、趣味でやってる私達とはやはり違う。扱う生体も多種多様、その魚にあう水質や環境も変わる」



「今度、愛芽アンナさんとも色々話したいですね。なんか生徒会役員のお話ばかりしているので」


「うむ!月曜学校で聞いてみるといい。さて、お風呂にしよう」


 その後、花梨カリンちゃんと今日は普通にお風呂をいただいた。



「って!お風呂の脱衣所まで水槽置いているのですか!?」


 お風呂の脱衣所兼洗面所には、丸い金魚鉢の上の『ヒラヒラ部分』が無い水槽にも水草水槽があった。


「この水槽、濾過付いてないですよね?どうなってるのですか?」


「ふむ、この水槽は濾過を必要としない設計なのだ。水の中にヒーターも入っていない。水替えのみで維持している。」


「それでも、こんなに水草育つのですね……あ!メダカですか!?」


 アクアリウム初心者でもメダカは判った。


「その通り、あとこの水槽ヒーターは入っていないが、25度位に保つ電熱シートを敷いている。」


「あと、メダカで合ってはいるが、正確には『アフリカン・ランプアイ』という

ナイジェリアに生息する魚。比較的飼育しやすい魚。養殖も盛んでインドネシアから輸入した魚」


「って!ナイジェリア!?でインドネシアで養殖ですか……」


 ナイジェリアのメダカとは、日本にもメダカがいると思うが、さらに養殖して輸入とは……高そう!?


「でも、比較的飼育しやすく、『価格も安い』いいとこ取りなのだ!ちなみに、

疑問に思ってるから言っておくけど、日本のメダカでキレイな個体は無茶苦茶高い……その辺は奈良ならに聞くといい」


——メダカ一匹だけでもお話が1本出来そうなくらい奥が深そうだ。


「……そろそろお風呂入ろう、お湯が冷めるのと半裸ではさすがに寒い!」


「ああ!そうですね、それじゃあお風呂にしましょう」


 その後、何気ない会話や今日あったことを話しながらゆっくりとお風呂でリラックスした。

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